日比谷シャンテで、観おわったときは「お手軽な映画だなあ」と正直、思いました。
でもあとあと思い返してみると、結構味わえる映画だったかも、という印象が強くなります。

15年前にアカデミー賞を受賞したものの、今は落ち目の脚本家が仕事を探してLAを離れ、NYの北の田舎の大学で脚本を教える講師の仕事につく。クラスの生徒を課題作品でなく顔で選び、教え子と関係し、授業にはうわの空で脚本家としての返り咲きを目指すがうまくいかない。シングルマザーの教え子(マリサ・トメイ)に諭され離婚後ほとんど会っていない息子に連絡しても返事がない。
なんとか教え始めたが、厳格な女性教授に咎められ、失職の危機におちいる。いっぽうで才能ある生徒の作品を発掘し、ハリウッドへの売り込みに成功、プロデューサーとしてともに復帰するチャンスを得るが、思い返して大学に残ることを決意、そして結末へ。

予想外のことはあまり起きません。
予告編を見て、深みや高まりを期待しすぎていたのかも知れません。

味わいが良いのは、ひとつはやはり俳優です。
主役のヒュー・グラントがダメっぽい脚本家(崩れ)を演じてとても味がある。
「セッション」の鬼教官だったJ・K・シモンズが、海兵隊上がりの涙もろい学科長、というのも-狙ったのでしょうが-笑いを誘います。

あとはニヤッとなるセリフがいくつもあります。
学科長が、教え子と関係したことで失職しそうな主人公に同情しながらも、
「これが自分の娘だったら君を殺す」と言う。
「あなたは銃規制派のはずでは」
「私は海兵隊上がりだから素手で殺せるよ」

酔って運転して帰ろうとする主人公をマリサ・トメイが
「私が(自分の車で)送るわ」
「俺の車はどうしよう」
「盗まれる車じゃないでしょ」
最後のセリフは、聞き取れたかぎりだと
「××(実際の車メーカー)でしょ。そのままそこにあるわよ」
と言っていました。
これが日本のテレビドラマだったらあれこれコウルサイことになりそうな場面がいくつかあります。

人生そんなにうまくは行かないけれど、捨てたものでもない。

そういう気分は伝わります。
マリサ・トメイは今回はじめて名前を知りましたが、顔も役柄もどこかで見たなあ、と。
Wikiで見たところ、前にみた「酔いどれ詩人になるまえに」「レスラー」でもヒロインをやっていました。
「ダメ男をしょいこむ、幸薄いけれどいい女」の役どころを、3回見せてもらったのでした。