午前9時に開演する
学校公演。

体を温める。とか
喉を開く。とか

ウォーミングアップの概念がない
伝統芸能の世界。

武術、武道も
古いものになればなるほど
ウォーミングアップがない。
と聞いたことがあります。

きっと、
同じことなのだと理解しています。

鍋をかき回している師匠に
弟子が後ろから斬りかかるものの
師匠は鍋の蓋であるいはしゃもじで
弟子の真剣をあしらってしまう…。笑。

笑い事じゃない!

常に、その心
常に、その体
でいるという事ですね。



さて、というわけで
楽屋入りをしてから
装束を着けて、開演まで静かに待つわけですが
体育館に児童が入ってくると
その足音や声で体育館が華やぎます。


初めて鑑賞する子たちに
狂言の扉を開けて上げるべく
藤九郎の解説から始まりました。

低学年に向けて
優しく⁇
あの!藤九郎‼︎が優しく⁈
解説をしています。

そのおかげか
今日の生徒さんたちも
初めての狂言を笑顔で見てくれました。
70分といえば
普通の授業1コマ分よりも長い時間!
しかし、ちゃんと集中して
解説、鑑賞、体験と進みました。
鑑賞の最後には、
お稽古体験を思い出し
教頭先生の号令に合わせて
正座をして、
お礼の「ありがとうございました。」を
大きな声で届けてくれました。

こちらこそ
しっかりと狂言を鑑賞してくれて
ありがとうございました。


40分の間をおいて
10:50から2回目の公演。

今回は、高学年ということもあって…
というわけでもなく、
私が解説を。
長野県茅野市の公演から数えて
5週目にして初めて!解説役を。
普段は解説をすることの方が多いのですがね。


解説を聞いている時から
生徒さんたちのニコニコ笑顔が
とても嬉しい公演でした。

シャイなのかなぁ?
大きな笑い声は上がらないものの
最後のトークの時、
「狂言が分かった人」と聞くと
数名しか挙がらなかった手が
「狂言が面白かった人」
と聞くと、綺麗にみんな(に見えた)
手を挙げてくれました。

しっかりと感じてくれたようです。
それは、お稽古体験の時の
最後の一回の
揃った大きな声からも感じられました。

限られた時間ではありますが、
子どもたちと
生きた時間を共有できることを
とても貴重に感じています。

分かる分からないという
知識力、理解力
だけではなく
感じることのできる素直な心も
大きな力であると思います。

流石、高学年!
とお世辞抜きで言える
年ごとの成長を拝見することができました。

そして、私どもの最後のトークには
教育者として常に心がけていること、
常に子どもたちに働きかけていることと
同じ事が語られていて…と、
互いの励みとなりました。

人が人と真剣に向かい合い
600年間、違えぬように
受け継がれてきた芸能の伝承の中には
今の時代の教育にも通じるものが
確かにあるという事です。



さてさて
本日は私の誕生日!


この世に生を受け
44年経った本日、
狂言を通して
無垢な心と向かい合えた時間。
平均寿命から考えると
折り返し地点!
まだまだ全国を飛び回り
多くの方々が
本物の狂言、日本の心に触れていただけるよう
粉骨し、
次の世代の演者に受け渡していくよう
砕身して参ります。

それが、僕に芸を遺してくれた父への
それが、僕をこの家に産んでくれた母への
何よりの恩返しとなることを信じて…。



44年の間
私と出会ってくださった皆様に
言い尽くせぬ感謝を致します。
そして、
更なる成長をするべく
努力精進して参りますことを
お約束いたします。



今日の舞台を見てくださった皆さん
少しでも皆さんの記憶の中に
長く留めてもらえれば幸いです。






やさしさいっぱい
読書いっぱい
花いっぱい
元気いっぱい
西宇部っ子

まさにその通りでした。


慣れ親しんでいる体育館に
仮設の舞台が組まれます。


敷地が広いこと広いこと
特にこちらの学校は
高い位置にあるようで
街を見下ろす眺望は気持ちが良いものでした。

各校の校長先生

校門からのアプローチも長く、広く…
きっと皆さんの想像を超えると思います。






おまけ
地方公演中なので
限られた人々と乾杯!

おお!産みの親…といっても育ての親も一緒ですが
母と姉と共に。

祝ってくれてありがとう‼︎