昨夜、4時間かけて広島から帰京し
今朝は10:45開演の
「おもしろライブ」でした。

小学生対象のこの鑑賞教室では
導入として
新作狂言の「桃太郎」が演じられます。
誰もが知っている桃太郎のお話が
狂言の世界では
どのように描き出されるのか…
狂言の表現方法が
初めて狂言を鑑賞するお子さんにも
よく分かる作品です。

私!本日、初めて
シテの桃太郎を演じました‼︎
いつもは、な、なんと!
お婆さんの役でしたから(笑)
いや~、このお婆さんがね
実は芸の見せ所満載の役なので
楽しく、やり甲斐があるのですが…。
今日は初役の桃太郎ということで、
仕方ばなしの所は
特に魅力を感じていたので、
思う存分演じてまいりました。

午前中は低学年。
午後は高学年。
というダブルヘッダー!

低学年の素直な笑い声に加え、
狂言のお稽古をした後、
鑑賞教室の最後に
先生方が
「では、折角ですから
教えて頂いた狂言の言葉で
お別れのご挨拶をしましょう。」
と促すと、誰言うわけでも無いのに
小さい子ども達が
お稽古の時と同じ正座に
座り直してくれるじゃありませんか!

吸収力の豊かさだけでなく
時と場を弁えた行動に
正直、感動してしまいました。

子どもの可能性は無限大です。
長時間にもかかわらずあの集中力も!

そして、午後の高学年の皆さんも
流石!お兄さんお姉さんといった所で、
70分という、普段の授業よりもはるかに長い時間にもかかわらず(上演時間は低学年も変わりません。)
鑑賞態度も立派で、
また稽古の時の声や姿勢も
凛々しいものでした。

最後のお礼の言葉も
丁寧に思いを口にしてくれて
しっかりと伝わりました。

時間をかけて思いを口にしてくれた男の子は
「人生の先輩である和泉元彌さんに
伝統の素晴らしさを教えて貰えて…」と
改めて、僕が伝えたいこと
また、この鑑賞教室の意義、私の役目を
生徒さん達が
しっかりと受け止めてくれていることを知ることができ

頭が下がる思いでした。


実は、
低学年と高学年では
体験の時にお稽古した言葉が違います。
是非、自分たちが伝える側になって
お互いに教えあってくれたら良いなぁ…と。
でもね、教える為には
自分の中に確かなものがないと
教えられないのです。

今日の皆も
しっかりと掴んでくれていると
信じています!


先生方も生徒の見本となるような姿勢で
狂言に臨んでいただけ、また
大歓迎をしていただけたことに感謝申し上げます。

お忙しい中、どの先生も
すれ違う度に本当に丁寧なご挨拶をしてくださるので
恐縮しておりました。
そんな先生の姿が
無意識の教育となって
子供達を育てているのだと思いました。

今日は本当に
ありがとうございました。