終わりました。

終わってしまいました。

次賀慎一朗さよなら公演
「或る人斬り」


………………



言葉だけでは伝えきれないから。
それがわかっていたから、
石橋直也さんは
企画、脚本、演出と
数々の大役をになってでも
今回の次賀慎一朗さんの引退公演を
実現させられたのだと思います。

千秋楽を無事に終えて、
消えて行ったものの大きさに
愕然としています。

舞台は無形の芸術です。
演じる者、観る者が
共に生きた時間を共有して初めて、
その時、その場にだけ
姿を現す奇跡の芸術です。

ことに今回、
次さんの一挙手一投足
目遣いから息遣い全てが
芸術品でした。

舞台は、そして舞台作りは
濃密な時間が流れます。

過ごした時間は限られているけれども、
無限の何かが複雑に絡み合い、繋がって
互いが大切な存在になってしまいます。
だからこそ、舞台で出会った次さんに
思いを伝える事の出来る舞台を作って頂けた
石橋直也さんはじめ、
多くの関係者、スタッフの皆さんに
深く深く
感謝させていただかなければなりません。

また、共演が出来なかった
次さんを思う多くの皆さんの心も
様々な形で伝えられました。


千秋楽には最後の最後に
次さんへのサプライズが決行されました。
石橋さん自ら次さんに気づかれないよう奔走され
横断幕、クラッカーを舞台袖や幕裏に用意
できる限り…。このチームワーク、行動力こそ心の現れだと思いました。

そして私は、
出演者の寄せ書きが施された
劇中で近藤勇が着用したダンダラ(羽織)を
次さんに贈呈する役を仰せつかりました。

恐縮しながらも喜んでお受けしたのですが
やはり…。
そして、最後の三本締めも。

話そうとするも
涙がこみ上げて言葉にならない…。
ふと見ると、次さんは毅然とした態度で頑張っている…其れが又美しくて…
「何で!…」と悲しさがこみ上げて来てしまう。
出演者の皆さんも、
「絶対に泣かない‼︎」とがんばっていらしたそうです。

心のままに口をついて出た言葉は…
精一杯の思いを伝えようとしましたが、
どうだったのか。
今考えると、足りないものもたくさんあって…反省。
・舞台には立てなかったもっともっと多くの皆さんが次さんを愛していること。
・次さん歴の長い皆さんも沢山いらっしゃるのに僕がこの大役を務めさせて頂けたことへの感謝。
・お客様だけでなく、これまで共演して来た皆が次さんを忘れない!ということ。
この場を借りて付け加えさせて下さい。

では、何を伝えたのかって?
それは…生きた時間を共有した方々のみに。


やはり思うのは、
言葉は心をはみ出ない!

心を一つの記号で表してしまうのは、
本当はとても危険なことです。
心を言葉で表すと限りが生まれるのです。
でも、それでも、
そうでもして伝えたいことがあるのです。
でもその危険を回避する方法があります。
それは、信頼、繋がりです。



次さんとの繋がり、
そして、
次さんを通しての多くの人との繋がり。
あの会場は次さんを中心に
多くの人の心が繋がっていたと思います。
いいや!確信しています。


このような機会を作って頂けた
石橋直也さんはじめ同志の皆様、
そして何より
次賀慎一朗さんに出会えたことに
心より感謝します。


舞台をおりても
漢 次賀慎一朗の魅力は変わらず
多くの人々を引きつけていくことを疑いません。

そして私は、
一度、繋がった心が変わらないことを
約束します。

次さん!
これからも大好きです‼︎
心から応援しています。


次さんの歩む人生に幸多からんことを…。




う~ん、やはり表しきれなかった。