さて、自主公演としては
今年の舞台始めとなる
今週末、19日の
和泉流宗家による銀座狂言ライブ。

女性狂言師二代による
「末廣かり」は新年にふさわしく
華やかにご覧いただける!と自信を持って
告知させていただきます。
子どもたちも毎年恒例の「末廣かり」の配役に名を連ねるようになりました!
よく、よく精進しております。
太郎冠者の慶子も
すっぱの采明も初役です。
正月の書き初めのように
しっかりと伝統を受け継いだ楷書の芸を
ご覧いただけます。
シテの和泉淳子を中心に清々しい舞台を!

元聖は小舞「七福神の舞」
和秀は小舞「柳の下」を。
こちらもそれぞれ、初めての曲を
めでたく披露いたします。

さて私は、
昨年から6ヶ月にわたり開催してきました
狂言和泉流12分類一挙上演の最後の曲
座頭物の中から
「川上」という一曲を選曲して
十世三宅藤九郎と共に演じます。

和泉流254の現行曲中
唯一!悲劇的要素の強い夫婦のお話。
十年来、目を患っている夫が
甲斐甲斐しく世話をしてくれる妻を呼び出し
どんな願いも聞き届けてくださる
川上の地蔵菩薩に参詣することを告げ、出かけるところから話は始まります。
一晩篭った男は帰り道、迎えに来た妻と行き合います。
その顔を見て奥さんはびっくり!
何と‼︎目があいているのです。
どうして開けていただけたのか?
しつこく理由を尋ねる妻に
思い口を開いた夫…。
そこで語られる理由とは?

佳境の夫婦の会話を謡で描く!
謡なればこそ伝わることがあると思います。
まだ僕が若く、十代の頃
父の相手役を勤めるため、日々稽古をつけられている中で、初めての経験をしました。
それは…
型のある狂言の世界で
本当に笑うこと、本当に泣くことは許されません。
男と生まれて、未婚だった僕が
妻の役を演じる中で
涙をこらえるのに必死だった事…。
型が伝える心が在る‼︎ということを
再認識させられる経験でした。

型を通して受け継がれてきた心を
皆様にお届けできるよう
さらなる精進を重ねております。

伝統芸能の中で唯一、純粋喜劇と言われる
狂言の世界で何故?この曲が作られたのか。
終幕までをご覧頂き、その結末をそれぞれに受け止めていただければ幸いです…
と言いながら、
狂言ライブの醍醐味は
狂言上演後のトーク‼︎
熱く語らせていただきます。(予定)