三方ヶ原の戦いで負った傷が元で、帰還途中に息絶えた武田信玄の影武として、同行していた弟の武田信廉が信玄として甲斐へもどるが、その事を由としない信玄の息子勝頼は、次第に父の死に対しても疑惑の念を抱き始める。
「三年の間は喪を伏せろように、そして三年の後には、勝頼が信玄の後をとる」という父信玄の遺言も全て、叔父信廉の武田家頭領への執着のなせる業ととらえ、狂気を装い反発の度を増していく。
腹心たちが見たという信玄の亡霊に対面し、恋人ぬいの父を殺め、ついに信廉との対立は頂点に達し、母、由布の心痛をよそに反旗を翻すまでにエスカレートしてしまう。
そしてその時、武田を滅ぼさんと狙う織田信長の軍勢が・・・・・。
武田家、悲劇の武将「武田勝頼」をハムレットになぞらえ、影武者として信玄亡き後の武田家の‘お館様’として生きた信玄の弟「武田信廉」をクローディアスに置き換えながら、あくまでも日本人のもつ情感を大事に作り上げた和食「しぇいくすぴあ」です。
|