皆さん


おはようございます。




昨日は


終演後に


約2時間かけて


別府へ移動!




お取り計らいに感謝です。




温泉地に泊まることがあっても


個人風呂がないと


ほとんど温泉に入れずに失礼することが多いのですが


昨日は火曜日


深夜にひとり温泉を堪能させて頂きました。


シバシのリラックスタイム。






家族に少し申し訳ない気持ちで・・・。




「今度は一緒に来よう。」と


各地行くたびに心に思うのでした。






そんな訳で


今朝別府湾を眼下に望む宿で


目を覚ましました。








さて、


昨日の鑑賞教室ですが




何に感動したかというと


一言ではいえませんが・・・



聞く時は聞く
見る時は見る
元気があって
けじめのついた。
と、言いましょうか。



「鑑賞教室」というのは


「鑑賞する(態度)」ことも学ぶことの一つ


だと思っています。


1時間半という限られた時間ですが


舞台に立っている演者だけでなく


観客席の生徒さんはじめ皆様と


一緒に作っていくものだと。






一般公演と同じように


予ベルが鳴りアナウンスが入ります。


アナウンス部の生徒さんが


間もなく始まることを告げると


会場からは・・・拍手が!


再び本ベルに続いて


開演のアナウンスが入ると


さらに大きな拍手が!!




客席に座る生徒さんの気持ちは


(この日を楽しみにして頂けていたのかな?と)


充分に舞台袖にいる僕たちに届いてきました。




開演すると


まず最初に


狂言を理解し楽しんで頂けるよう


「狂言のお話」(解説)をするのですが


クイズコーナーにも元気よく手を上げてくれて


(これはどちらでも同じかな。)


興味深く聞いてくれました。




昨日の上演演目は


「盆山」に「鬼瓦」




「盆山」は短い上演時間の中に


狂言の上演上の特徴である


「道行」や「擬音」が効果的に取り込まれた


入門編でありながら狂言らしい1曲。




続いての「鬼瓦」は


訴訟が叶った地方に住む大名が


日参していた因幡堂の薬師如来に


お礼参りに出かけるのどかで


めでたい雰囲気の1曲。


演者のセリフを頼りに


どのような場所にいるのか


大名が「自分の妻に似ている」と


涙をこぼした鬼瓦がどんな顔をしているのか


を想像してこそ舞台が広がる、


まさに、


お客様の想像力でともに舞台を作っていただく演目。


中級編と言ってもよいかな。




どちらも、


最後まで集中力を切らすことなく


演者の「台詞」や「仕草」から


想像力を働かせて


共に舞台を作ってくれたのだと思います。


的確なところで


たくさんの笑い声を舞台に返してくれました。


分かりニクイ言葉にも耳をふさがず


最後までちゃんと観てくれた証拠です。


(少し矛盾するかもしれませんが、


笑わなければいけない場所というのがあるわけではありません。


自分の心を映した様に、人それぞれ反応は違って良いと思っています。が・・・。


ただ、理解していただけると、笑い・楽しんでいただける


「面白みが込められている箇所」というのはあります。)






さて、この後です。




上演を終えて


ワークショップ&トーク。




私どもの学校公演では


狂言を「知り」「見て」「経験する」時間を作っています。




実際に狂言の唯一の伝承方法


「口伝」を体験して頂きます。




背もたれから背を離し


姿勢を正して、挨拶をしてから


稽古を始めるのですが、


全校生徒が


ビシビシーッ。っと


一遍に姿勢を正したの。




「宜しくお願いいたいます。」と


挨拶をしたとき、はじめは


数人の声しか聞こえず




「ありゃりゃ」と思いながら


「全校生徒4人。」なんてことを冗談めかして言ったものの


モトイ!


仕切りなおせば


本領発揮。


全校生徒、見事に声をそろえて


大きな声で挨拶をして稽古は稽古は始まりました。




みんな、狂言師になるわけではありません。


たった一回で何が出来るのかもわからないと思います。




僕たちは、感じてほしいのです。


全く同じことを繰り返すためには


どれだけ真剣に相手を見・聞きするのか、


簡単なのか、難しいのか。


だって、こういった単純作業を


生身の人間が・生の空間で


何百年繰り返して、


日本にはさまざまな伝統文化・芸術が


遺されているのですから。




そこで、感じたのです。


真相は分かりません。




でも、人の心を伝えられるのは


「行動」か「言動」。




たった1時間半で


全てが分かるはずもありません。


普段どういった生活をし


どういった教育を受けて見えるのか。




ただ、その一瞬で(だからこそ)


きっと、日ごろから


心がけて生活していること


注意して教育に当たっていらっしゃるのであろう事。が


見えた気がしたのです。




やらなくても、時間は過ぎてしまう。


残念ながら、


できなくても・やらなくても


時間が来れば終わらなくてはいけない鑑賞教室です。




そのなかで、


「やってみよう」


「一生懸命やろう」という心が


会場から伝わってきたのです。




一瞬でその姿勢を見せられるのは


日ごろからの積み重ねだろうと


顔や姿勢・声。


舞台に向けられた


全校生徒の心


(先生方にも参加して頂きました。)


に感動させられたのです。




だって、狂言も


「今、頑張らなくては!」


「私が今出来ることを!」


という、人の一生懸命の心・気持ちが


600年重なって


今に姿を遺している


無形の芸術です。




「一生覚えておいてほしいです。


一生覚えて置けるよう、最後の1回


頑張ってください。」


という言葉に応えて


繰り返された


「さらばさらば」にさらに感動したのでした。




伝わることの喜び


共有できた嬉しさ。




生徒さんも同じ気持ちでいてくれたら・・・


心の成長のけてになっていれば


本当に良い鑑賞教室だと思います。






僕たちは


舞台に上がり


評価される立場であって


観客席を評価する立場では


決してありません。


今回は、学校行事の一つである


芸術鑑賞教室での感動の1コマを欠かせて頂きました。




これからも、多くの方々に狂言の素晴らしさ。


そして


「日本には世界に誇ることの出来る芸術が


昔からあるのだ。」ということを、


狂言を通して伝えられるよう


努力精進を重ねて行きます。


(上手く伝わったかな・・・


感動の全ては書き切れませんので


ご了承ください。詳細に書かせていただかなかった学校公演も素晴らしい鑑賞教室の時間を持たせていただいておりますので、誤解の無い様、お願いします。)








狂言の舞台は


ライブです。




生き物です。




今に生きる「笑いの芸術」を感じてください。








それでは、客席からいただいた


勇気や元気を


次の舞台につなげながら




そろそろいきましょう。






それでは皆さん




今日も一日


(ーっ)


頑張りまっしょい!!




では。