海野ユキさんと。このキリッとした感じ、よくないですか?
三菱自動車ではかつてセダンも豊富に生産していました。その中でも注目だったのが、4ドアセダンのΣ(シグマ)と2ドアハードトップのΛ(ラムダ)というクルマでした。この名前はともにギリシャ文字。シグマはSの意味ですが、Σそのものには総合という意味があり、三菱の技術の集大成という思いが込められました。ラムダはLつまりLounge(ラウンジ)の意味でした。2ドアはもはやスポーツという意味合いではなく、ラウンジのような豪華な雰囲気のあるクルマを目指しました。
そしてここでご紹介したいのが、2ドアのΛです。
何といってもΛの魅力は、そのキリッとしたデザイン。当初は2000ccのみの設定で、上質なラグジュアリーカーというポジションを明確にしました。
最大の特徴はラウンドしたリヤウインドウ。後方視界は抜群です。
デザイン上の特徴は、初採用となった角形4灯式ヘッドランプ。これが、きりりとした印象を醸していました。またロールバー風のリヤピラーと大きくラウンドしたリヤウインドウも特徴。実は、これ以前にはギャランはハードトップを持ち、GTOというクーペも持っていました。それらを統合するために生まれたのがΛだったのですが、両者のいいところ取りをしようという狙いもありました。その中でクーぺの弱点だったのが後方視界の悪さ。それを克服するためのデザインでもあったのです。
結果としてΛはΣ以上に死角の少ないクルマとなったのです。センターピラーのないハードトップというスタイルも、死角減少に貢献するばかりか、その魅力を高めました。
室内の特徴は1本アームのステアリング。どこにハンドルを切っていても、メーターが見易いというのが特徴でしたが、直進時に手を置きにくいとか直進がわかりにくいといった点は指摘されていたようです。
Λのインテリア。1本スポークステアリングが大きな特徴でした。
しかしこのクルマ、この引き締まったスタイリングはこのフォルムのままで今登場してきても、すごく魅力的なのではないでしょうか。撮影の時には、いろいろな角度でハッとさせられるクルマだったことを覚えています。
ギギャザー付きシートはΛの中でもスーパーツーリングなどラグジュアリー仕様のみ。
スポーツ系のGSやGSRはチェック柄となります。
(5/31刊行 モーターファン別冊 初代ギャランΣ/Λのすべて より)