何年も前から、中古の貴金属や着物を高価買取します、と謳う店が大変な勢いで増えています。昔でいう質屋みたいなものでしょうか。

 自宅にある不要になったものを買い取ってくれる店はむかしからあったと思いますが、今やコンビニや町医者なみにみかけます。 

 私自身は、服飾品などで中古を買おうと思いませんし、あまり利用しないのですが、今まで数回利用したことが有ります。

 だいぶ前ですが、漫画を持って行って買い取ってもらったことが有ります。同じタイトルの1巻~10巻までそろえて売ったと思います。10冊で買取価格50円だったと思います。そのシリーズとは別の、古くて状態の悪いものは、「こちらは値段がつきませんでした。」と言われ、買取拒否されました。

 その古本屋に行った交通費にもならんかったなぁ・・という感想を抱いた記憶が有ります。

 ほかに、古銭を売りに行ったり、スーパーファミコン(多分)本体を売ったことも有ります。

 スーパーファミコンは、きれいにクリーニングした上で店に持って行って、2000円くらいで買い取ってもらいました。

 ブックオフだったと思いますが、男の店員も、随分甲高い声を発するんだなぁ、そういう営業上のトレーニングをしてるのか、もしくは地声が高いのかも、などと要らん疑問を抱いた記憶が有ります。就業してる環境が、男子の声色にも影響を与え、独特の鼻にかかったハイテナーボイスの「いらっしゃァせェー」を生み出してるのだと思います。

 さて、古物買取店の広告に接すると、着物を買い取ってくれるようなことが記載されています。

 呉服関連産業で働くものとしては、個人宅のタンスの中で眠っていた昔の着物に、値段がつくとは思えません。数十年前にたとえ100万出して購入した商品でも、買い取る側は数百円も出せないと思います。

 中には、稀に中古の着物を買い取り、再販する事例もあるかと思います。しかし、中古品と明示して買い取った着物を販売するまでにかかる経費は商品本体の価格を上回ってしまうと考えます。

 私が思うに、着物の買取というのは、消費者の家を訪問するための客寄せパンダ的な位置づけで、業者が狙っているのは、宝石などの貴金属であろうと思います。高級時計や金(きん)などの希少金属を含む宝飾品ならば換金しやすいでしょうし、きっとそれらと着物を抱き合わせで買い取るのではないかと思います。

 以上はほとんど推測です。

 自宅に売りたいほど着物がある、という方は多いんじゃないでしょうか?