【報告】8月14日メモリアルデーであったこと | 川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会

川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会のみなさん、戦争も、差別もいらない!みなさん、

今日8月25日は川崎市の教科書採択の日、参加のみなさま、お疲れさまでした。

さて、

・・・戦時性暴力は過去の問題ではなく、今を生きる私たちの足元の問題でもあります。

沖縄をはじめ各地の米軍基地では米軍兵士による性暴力事件が起こり続け(昨年12月からわかっているだけで5件!)、それを政府、外務省が先頭に立って隠ぺいし、沖縄県にさえ知らせてないという事実が明らかになりました。沖縄にさらなる負担を強いながら、軍事大国をめざす日本政府の姿勢は、同時に戦争や性暴力のない平和な社会を訴え続けた日本軍性奴隷制被害者を踏みにじっています。

今年中学校教科書検定において「慰安婦」問題を否定、天皇を軸とする令和書籍「国史教科書」を検定通過させるなど歴史の否定と右傾化が一層深刻化、「慰安婦」問題をなかったことにしたい政府の姿勢は結果的に現在の性暴力を隠蔽し、事件の増幅につながります。

私たちは、日本軍性奴隷制被害者の勇気を忘れず記憶し、日本政府の加害責任を問い続けます。戦争に反対し、あらゆる暴力を許さず、世界の人々と連帯し、ともに歩んでいきます。

1991年8月14日、金学順(キム・ハクスン)さんが日本軍性奴隷制被害を告発して33年目の夏を迎えました。

敗戦後、加害の歴史、とりわけ国家による戦時性暴力の実態を隠ぺいしたまま日常に戻った日本は、アジアをはじめとする各国被害者の告発を受けて1993年「河野談話」を発表しました。

しかし、その後「河野談話」の見直しを掲げて登場した安倍政権のもとで歴史否定が進み、被害者に責任を押し付ける二次加害が繰り返されてきました。

加害の歴史から目を背け、国家の法的責任を否定し、日韓の政治外交問題として「2015日韓合意」をもって終止符を打とうとする姿勢は今も継続しています。

今年の8月14日のメモリアルデーでは「正義を求める声は世代を超えて-普遍的人権の実現に向けて」としてク・リャンオクさんの講演などが行なわれました。

その8.14集会の記事が生活ニュースコモンズに掲載されました。拡散にご協力をとのこと、下記からご覧ください。
https://s-newscommons.com/article/3909




この集会、最初に「希望のたね基金」(以下、キボタネ)のメンバー7人が、証言の朗読を行いました。キボタネは、日本の若者が「慰安婦」問題を学び、性暴力のない社会づくりに役立てるために創設された基金です。

若者たちが読んだのは、楊秀蓮(ヤン・シウリェン)さんの証言。楊さんは、河東村で日中戦争の最中に日本軍の兵士から性被害にあった女性・南二僕(ナン・アルプー)さんの養女です。南さんが自ら命を絶ったため、母の無念を晴らそうと、日本政府を相手取った山西省性暴力被害者損害賠償請求裁判の原告になりました。(2005年に最高裁が上告棄却)

 

★昨年11月、韓国の性奴隷制被害者が自国韓国の法廷で日本政府を訴えた裁判の高裁判決で日本政府の責任と賠償を認める原告勝訴判決が確定しました。

2021年の第一次「慰安婦」訴訟判決に続くものです。主権国家は他国の裁判権に服さないという国際慣習法の「主権免除」を盾に裁判に参加せず、韓国政府を「国際法に違反」と非難し続けた日本政府の行為は、国家から個人中心へと進化する国際人権法の発展と社会の変化を理解できず、被害者の人権を貶める恥ずべきものです。

この日の基調講演「正義を求める声は世代を超えて〜普遍的⼈権の実現に向けて」で、具良鈺(ク・リャンオク) 弁護士が紐解きました。ク・リャンオクさん、しっかりとしたトークが光りました。

日本政府は、「主権免除」を盾に、この韓国での裁判に参加せず、上川陽子外務大臣は「(判決は)断じて受け入れることはできない」と表明しました。さらに外務省は駐日韓国大使を呼び出して「国際法違反」だと抗議したと報じられています。判決は本当に「国際法違反」「韓国司法の問題」なのでしょうか?

この「主権免除」、日本の政府が執拗に繰り返しているこの言葉が、すでに国際的にも乗り越えられていること、韓国の裁判所での原告「慰安婦」被害当事者が、この「主権免除の例外」として勝利判決を受けたことが正当であることがよく理解できました。

 

★そして今、世界各国で課題となっている「慰安婦」像や平和の少女像!

この設置の動きが海外に拡がる中、日本政府の撤去圧力も執拗に続いています。2020年、独ベルリン・ミッテ区の市民らによって設置された平和の少女像は、日本国家外務省によって常に撤去の圧力にさらされてきました。その圧力を受けてベルリン市ミッテ区長も9月の設置期限を前に期間延長を拒否、自主撤去するよう求めています。

戦時性暴力被害を乗り越え、平和を訴えた女性たちの勇気の象徴として、ドイツで支持と理解を広げてきた少女像の撤去はドイツ市民の願いを無視した暴挙と言わざるを得ません。

神奈川新聞の記事「アリのゆくえ」も紹介されていました。

そうした課題もさらに追及していきましょう!



 
この集会では私たち「求める会かわさき」の行動も取りあげられていました。

私たち「川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会」の行動、「主権免除」のこと、そして世界で課題となっている「慰安婦」像や平和の少女像のこと、もっと訴えていきましょう。

さらにもっともっと広く取り組んでいきましょう!