命拾い | オレママのブログ

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気ままに言いたい放題
ごくごく私的な備忘録です。


火曜日のお昼


お昼ご飯を食べようと

仕事の手を止めたら

携帯に知らない番号から

電話がかかってきた



ご主人が会社で体調を崩して

救急搬送されて来たが

急変して今は大変深刻な状態です

今すぐ手術が必要ですが

今日うちの病院では手術できないため

転院の準備をしているので

今すぐ来てください




その電話から4日


旦那さんは一命をとりとめ

今まだ、病院のICUにいる





しばらくブログを中断するとしたのに


拍子抜けするように早々と再開だ



こんなことしてられない、と思ったし


一分一秒が惜しいくらい

自分に出来る事に

集中したかったのだけれど


実際

今の私に出来る事など何も無い


祈ること意外には。


皮肉なことに

ブログを書く時間がたくさんあるのだ



大袈裟ではなく

ひと月、ふた月に相当するように

長く感じる時間を過ごした ここ数日



毎日繰り返し思うのは



いくつもの偶然と


何人かの人の適切な判断と


様々な人の努力と


大勢の人の祈りによって


旦那さんは一命をとりとめて


今、病床で頑張ることができている



そして、当たり前と思っている日常が


絶対確かなものではないという事実




以前ブログにも書いているけど

結婚した32年前の夏

日航機墜落事故が起き


何気なく送り出して

必ず帰ってくると思っていた家族が

突然帰らぬ人となる恐怖を感じた



以来、日々後悔をしたくないからと

ケンカをしても出来るだけ引きずらず

ほぼ毎朝行ってらっしゃいのキスをして

お相撲さんのように肩をたたいて

玄関で見送っていた。



あの日も

いつもと同じようにキスをして

肩をたたいて送り出したのだけれど


ただいまと歩いて帰って来れなくなった



様々な幸運が重ならなかったら

間違いなく命は助からなかった



そんな事が自分に起こるなんて

思ってもいなかったし


見送る儀式を続けていたのに

様々な後悔が押し寄せて来た



あの儀式は何の意味も無かったように思う



当たり前の幸せが当たり前ではない



本当の意味でわかっていなかった自分



ブログを中断したのは


混乱して


動揺して


言葉に表せなかったし


ただ、この現実を

受け入れたくなかっただけかも知れない



とにかく、今の私には

彼のためにしてあげる事など

本当に何もない



ただ毎日顔を見に行って

声をかけて

手をさすれるのも

1回に10分まで


他にも重篤な患者さんがいるから

何度もICUに入るのは

私の性格上、とてもはばかれる


出来るだけ近くに居たいから

病院にいる、というだけ。


1回面会をしたら

ロビーで時間を潰し

また顔を見て帰る



一日のほとんどを祈って過ごしているだけ



本当に私が動かなければならないのは

彼が良くなってきてから先の話だ


その時こそ本当に

ブログどころじゃなくなるだろうな




今、誰かれ構わず声をかけたくなる



本当に大切な人をもっと大事にしてね


明日、いや、今日何が起きるかなんて

本当にわからないんだよ!って。




家に旦那さんがいないのが

まだ不思議な感覚だ



息子たちやお嫁ちゃんが気遣ってくれて


義弟や従姉、会社の友人たちが

毎日励ましてくださることが有難い



病院に通う事以外は

なるべく普通に暮らそうと努力している



今はまだ油断できない

厳しい状態だし

果たしてどんな後遺症や

合併症が出てくるかもわからない 


一日一日良い変化がないかなと気になり

早く良くなってと思ってしまうんだけど


命が助かった事自体が

何より有難いことなのだから

これ以上欲張ったらバチがあたりそう



今は医療者を信頼してお任せし


彼自身の回復力を信じて待つしかない



何か1つでも改善したところが

見つけられるといいなと思いながら

今日もお見舞いに行こう



旦那さんは、自分が倒れて以来

今もって記憶が無いに違いないから

どれだけの人のお世話になり

家族がどうやって支え合っていたか

ブログに書きとめて


回復した後に

止まっている彼の時間と

彼の記憶をつなげる助けにしたい