英語落語の発表会は年に二度両国亭でするが、その他に幾つか落語会がある。かなりやの漢字は鹿鳴家と書くので、その子どものバンビの名を取って、バンビ寄席が31日に浅草公会堂5階で行われた。無料。いつも7.8人が演じている。

 今回椅子が足りなくなるくらいお客様が来てくださり、途中抜ける人もなく、最後まで聞いていただけた。出演者が準備、片付けをしてチラシ、部屋料を頭割りしての手作り寄席で、兎に角英語落語を1人でも楽しんでもらいたいのと、演じたいが合体したものだ。

 1時30分から約2時間、色々な演目を楽しんでいただき、笑いの声が一際高くて演者一同嬉しさで笑が溢れでた。

 年齢を重ねるにつれて、記憶力の減退に抗っての舞台となり、後期高齢者の演者はその回数で血肉になるまで覚えるそうだ。今回70歳以上が三人もいて、とても頼もしい限りだった。

 舞台芸能は時間芸能で後に残らない。その場でそこにいた参加者と時間を共有し、共に楽しみ、その日は暮れる。何も残らないかもしれないが、その日を精一杯生きた気がするだけでも生きている実感が味わえる。それでいい。短くなった残りの人生、ハラハラ、ドキドキ、そして達成感があったら素敵だ。