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元木昌彦の「編集者の学校」

「FRIDAY」「週刊現代」「オーマイニュース」など数々の編集長を歴任
政治家から芸能人まで、その人脈の広さ深さは、元木昌彦ならでは
そんなベテラン編集者の日常を描きながら、次代のメディアのありようを問いただす

 ビジネス情報誌『エルネオス』の「メディアを考える旅。呉善花(オ ソンファ)さんとのインタビュー対談をまとめる。
 前文だけ書いておく。
 日韓関係が深刻さを増している。安倍晋三総理の憲法改正の姿勢や集団的自衛権容認発言で、中国と韓国が神経を尖らせているところへ、昨年末の靖国参拝で決定的なものになりつつあるという。
 週刊誌では朴槿恵(パククネ・ルビ)大統領を名指しで批判し、ネットなどを覗いてみると“気分は戦争”ムードが高まっているようである。
 これまでも韓国内で反日運動が高まりを見せたことは何度かある。だが、一部のメディアを除いては、日本の中は比較的冷静であった。だが今回は、お互いが角突き合わせて譲らず、一つことがあると最悪の事態になりかねない予感がする。
 そう思っていたところに呉善花(オ ソンファ・ルビ)さんが書いた『侮日論』(文春新書)を読んだ。ここには韓国の対日観が辛口で詳細に描かれているが、彼女の言う、韓国人の価値観や歴史観を正しく知り対処しなければ、両国関係はこの泥沼から脱することはできないのかもしれない。早速話を聞きに行ってきた。
 呉さんと私の考えはかなり違うが、韓国をもっと理解しなくてはいけないという点では一致している。
 日刊サイゾーの原稿を書く。URLはこちら。http://www.cyzo.com/cat8/scoop/
 
 昼前に都知事選の投票へ行く。このあたりは私を含めて年寄りが多いから、雪道は大変だ。
 やはり投票所になっている谷戸小学校へ入る人の数は少ない。
 これでは組織票を持っている桝添氏が有利だろう。
 原発ゼロを訴えている細川護煕氏の名前を書いて出てくる。
 速報を見るまでもなく、都知事選挙は事前の予想通り舛添要一氏の圧勝に終わった。
 細川護煕氏の苦戦は予想されたが、宇都宮健児氏にも及ばない3位とは、残念な結果だった。
 大雪のため投票率が大幅に下がったことも、組織票があてにできない細川氏には痛かったが、一番の要因は「細川氏の影の薄さ」であった。
 中野駅前で細川夫人と瀬戸内寂聴さんの細川応援演説を聴いた際、一枚のパンフレットをもらった。そこには細川氏と小泉純一郎氏の二人が並んで写っているのだが、細川氏のほうは顔が墨で塗りつぶされ、小泉氏だけがくっきり写っていた。
 このパンフレットが象徴するように、細川氏は小泉氏の影武者で、彼には「原発をゼロにしなければいけない」という必死さが感じられず、原発を争点にすることができなかった。
 だが、同じように原発再稼働反対の宇都宮氏と合わせれば舛添氏と匹敵する票数になるのだから、これで東京都民が「再稼働を容認」したと安倍政権が捉えるのは間違いである。安倍首相は勘違いしてはいけない。