前回、採卵前の点鼻薬について説明しましたが、
「もしその点鼻薬をやり忘れた場合どうすればいいか」ということについても、ご説明しておきたいと思います。

実際、多くはありませんが、時々「点鼻薬をやり忘れてしまった」あるいは「予定していた日の次の日、つまり採卵日の前日に行なってしまった」という患者様がいらっしゃいます。
事前にスケジュール表にも書いて説明していますが、やはり初めての採卵の緊張などがあって、間違ってしまうこともあるかと思います。

その場合の対処法としては、以下の方法があります。
①もし点鼻薬をやり忘れたことに気付いたのが、予定していた時間よりも3-4時間以内でしたら、気付いた時間に行なっていただいて構いません。
 採卵の時間を後ろにずらすことによって、問題なく対応することができます。

②点鼻薬を、「予定していた次の日の予定時間」に行なってしまった場合は、採卵日を予定していた日の翌日にずらすことで対応できます。しかし、体内で点鼻薬より前にLHサージが生じてしまうことがあり、その場合は採卵前に排卵してしまい、採卵できない可能性があります。

③一番よくないのは、「思い出した時に、時間を確認せずに点鼻薬をする」ことです。
例えば、夜21時に行なう予定の点鼻薬を次の日の朝9時に行なってしまうと、採卵するべき時間がその36時間後、つまり次の日の夜21時になってしまいます。こうなってしまうと、採卵後の卵子を精子と受精させる時間が真夜中になってしまいますので、対応することができません。

いずれにしましても、点鼻薬のミスがあった場合でも慌てずに、上記のことを参考にいただいた上でクリニックにご連絡をいただけましたら、その段階からでもできるだけ高い可能性で採卵ができるようご案内しております。