当院では、体外受精、一般不妊治療ともに、必要に応じて患者様の状態に合わせた漢方薬を併用しています。
その中で、今回は「柴苓湯(さいれいとう)」についてご紹介したいと思います。
柴苓湯にはいくつかの薬理作用がありますが、不妊治療との関連では、その中の「内因性ステロイド誘導作用」が重要となります。
その作用から導かれる結果として、以下のような報告がなされています。
①不育症に対する効果
抗リン脂質抗体症候群や抗核抗体が陽性の方は、着床不全や妊娠をしても繰り返し流産してしまう可能性があり、柴苓湯は胎盤の循環不全を改善することにより、それらを予防することができます。
②排卵障害に対する効果
特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)におけるLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)のバランス改善作用があり、卵胞形成促進作用や排卵誘発剤に対する反応性の向上が報告されています。
③クロミッドによる内膜菲薄化作用の軽減効果
クロミッドの長期投与による内膜菲薄化を改善する効果が報告されています。
上記以外にも「水分代謝調節作用」があることから「むくみ」の治療や、「線維芽細胞増殖抑制作用」があることから「ケロイド予防」にも使われています。また、原因不明の不妊症にも効果があるという報告もなされています。
体外受精でよい受精卵を得ることもとても大切なことですが、胚移植で妊娠まで至るためには、子宮側の環境にも十分な配慮が必要だと考えています。
その中で、今回は「柴苓湯(さいれいとう)」についてご紹介したいと思います。
柴苓湯にはいくつかの薬理作用がありますが、不妊治療との関連では、その中の「内因性ステロイド誘導作用」が重要となります。
その作用から導かれる結果として、以下のような報告がなされています。
①不育症に対する効果
抗リン脂質抗体症候群や抗核抗体が陽性の方は、着床不全や妊娠をしても繰り返し流産してしまう可能性があり、柴苓湯は胎盤の循環不全を改善することにより、それらを予防することができます。
②排卵障害に対する効果
特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)におけるLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)のバランス改善作用があり、卵胞形成促進作用や排卵誘発剤に対する反応性の向上が報告されています。
③クロミッドによる内膜菲薄化作用の軽減効果
クロミッドの長期投与による内膜菲薄化を改善する効果が報告されています。
上記以外にも「水分代謝調節作用」があることから「むくみ」の治療や、「線維芽細胞増殖抑制作用」があることから「ケロイド予防」にも使われています。また、原因不明の不妊症にも効果があるという報告もなされています。
体外受精でよい受精卵を得ることもとても大切なことですが、胚移植で妊娠まで至るためには、子宮側の環境にも十分な配慮が必要だと考えています。