横浜で30年セレクトショップを営む女社長MUのブログ-マキさんと



写真立てのガラスに映っているのは


MUのパジャマ姿かな。


写真の二人の顔がはっきり映らないようにしながら


わざわざ掲載する。


これは1995年から1996年にかけての写真だろうと思う。


14~5年前の写真にしては 既にずいぶんな貫禄だ。


向かって右側のショートヘアの方が (仮にFさんとしよう)


MUが人生の中で 傷つけたかもしれない


幾人かの人の一人である。


当時は 「自分が間違っているかもしれない」 


とは 思ってもみなかった。


ブティックとジャズ・クラブを経営していた当時


Fさんは両方に通って下さるすばらしいお客様だった。


FさんとMUは相性が良く 会えば ふざけて良く笑った。


学生時代の いたずら仲間 のような感じとでも言おうか。


のちにMUが招聘することになった歌手ザニボニ


手紙を書くきっかけを作ってくださったのはFさんだった。


ザニボニが招聘を承諾するきっかけになったのも


Fさんがザニボニに送ってくださった この写真 だったということである。


15年前ザニボニの公演をパリではじめて観たのは


確かにMUと次男のPUだった。


PUが留学先のアメリカから来て パリでMUと落ち合った時である。


そのPUのアメリカ留学の お膳立てをしてくださったのも


Fさんだった。


「ああ・・・」


MUは今 この写真を見ながら 頭を抱える。


さまざまな事件の底に沈む Fさんの無念が 


今にして MUに見えてくるのである。



決着なしで 人生は 過ぎていくのだろう。


ああもすべきだった、こうもすべきだったの後悔を


抱えこんだまま流れて終わるのが人生なのだろうか。


Fさんに関して 今さらすべきことが MUには分からない。


古傷を開くことが 誠意とも言えまいし。


無神経な人間として Fさんの記憶に残りたくないと言うのは


こちらの打算でしかあるまい。


静かになった池に石を投じてでも 気持を伝えるべきか・・否か・・・


ただ Fさんを無くして 


寂しかった


それは本当の気持である。


腑に落ちない何かが Fさんをいつも思い出させていた。





Fさんが望まなくても 


MUは机に この写真を飾りつづけようと思っている。

 

MUの人生の一時期を見事に豊かにしてくださった


大事な方なのだから。


今 それに気づくなんて!



MUは やはり だいぶ だめだ。