書類上の引退は2025年3月31日だったが、ほぼひと月たった今も完全にはリタイア出来ていない。アレグロ店の解体は3月半ばから始まったが、たまプラーザのガレリア店は内装を置いていくことになったので3月末ぎりぎりまで掃除に明け暮れた。ハンガーやラック、照明器具、その他もろもろ、次のテナントが美容院なので置いて行かれても困るだろう物をスタッフで分け合ったり、欲しい方に差し上げたりして、分散した。それでもなお捨てきれず余ったものは京浜急行線屛風ヶ浦駅前のマンションに移した。ここはもともとは1階の店舗スペースと一緒にラパロで買ったものをMUへの個人的借金返済のためにMUの持ち物になった場所である。45年以上働いて残ったものはここの2つの物件だけかもしれない。ラパロは1980年代に栄えた2世代前の会社なのである。そしてブテイックの他に複数の飲食店、古物商、海外タレント招聘業務などにも手を出したのだが、80年代から兆しを見せていたインターネットの波には乗り切れず、商いのやり方は80年代そのものだった。時代の先端を切って新しい波に乗る知恵がなかった。しかるに、引退と言っても大仕事を終えて満足の一息がつけていない。
ブログに自分がしてきたことの是と非を映し出して、長年の商い生活から自分なりに納得のいく引退を果たしたい。回顧録などを出版する必要のない時代になったことが唯一の救いかもしれない。