”平手友梨奈の物語”の最終着地点はすでに示されている... | 超絶メタアナリシス

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☆☆☆ 都心(台東区)在住です ☆☆☆

内容的には昨日の記事の続きとなります...

昨日の記事で、『黒い羊』の主人公である「僕」は、これまでの楽曲よりも少し大人になっているのだと指摘しました。

齋藤冬優花の24日夜のSHOWROOMでの「今回の主人公は少し大人になった」との発言に共感する人が多数いるように、まわりとの共存を少しづつですが試みようとしているということが今回の『黒い羊』の歌詞からはくみとれます。

 



「薄暗い部屋の灯(あかり)をつけるタイミングって、いったいいつなんだろう?」という主人公のつぶやきは、今までの心の内面が真っ暗闇の「僕」と比べて、大きな進歩を示しています。

自分自身の心に灯をともそうとしているわけですから...

それまでの漢字欅の曲における「僕」は、大人に対して否定的で(=「大人は嘘つき」)で、他人の意見にもなびかず、まわりにはまじわらずに孤独で、まわりからの助け(=避雷針)さえも拒否するか無視してしまうような、そんな救われないような存在でした。

まわりに人がいることを認識していても、自分と同じ人間であるとは認めていなかったような、そんな砂漠の中のひとりぼっち的な「僕」でした。

「僕」の視点は、自分というものから外へ広がることはありませんでした。

自分の殻の中に閉じこもったうえ、まわりとの交流を一切拒否していました。

しかも、ピーターパンシンドロームという言葉がありますが、まさにその言葉の通りに「時計の針が中二くらいで止まってしまったような」存在でした。

先が見えない孤独な若者でした...

それが、『黒い羊』では、まわりの存在をそれなりに認め、まじわらないけれど共存はしていこうという意志を示しはじめます。

そういう意味で、主人公の心の成長という点においても「時計の針は動き始めた(=心の成長を始めた)」といえる曲です。

それでは、今後、この主人公はどのように成長し、最終的にどのような大人になっていくのでしょうか?

中二病的な状態を脱して、徐々に成長し、平凡な大人になっていくのでしょうか?

いやいや、それはないでしょう...

つまらない大人は、秋元康氏のもっとも嫌うところであります。

そういうつまらない大人がゴールに設定されているはずがない...

『サイレントマジョリティー』に始まり、『黒い羊』で転換点を迎えた漢字欅の物語(=平手友梨奈の物語)の最終着地点は、つまらない大人でも、平凡な大人でもない...

大人社会のつまらなさに染まってはいないけれども、かといって心の中が砂漠的なさびしい大人というわけでもなく、孤立していても大切なものを失わずに守りつつ、大人社会の一員として生きているような、そんな大人でしょう。

つまり、そういう大人を描いた楽曲が漢字欅の物語の最終地点に来るはずです。

では、それは、いったいどういう曲なんでしょうか???



実は、その答えは、我々の目の前にすでに示されているように思います。

その答えとなる楽曲とは、昨年レコード大賞を獲得した乃木坂46の『シンクロニシティ』です。

欅しか知らない人のために、Uta-Netというサイト上の『シンクロニシティ』の歌詞へのリンクを掲げておきます。

↓↓↓

https://www.uta-net.com/movie/247989/


乃木坂46の『シンクロニシティ』ですが、実は、この曲の主人公も『黒い羊』を含む漢字欅の曲群と同じく「僕」になっています。

それも、孤独で、悩みをかかえ、苦しんでいます...


『シンクロニシティ』の「僕」は、悲しい出来事があって憂鬱と胸の痛みをかかえこんでしまった「僕」であり、一人で夜の街の雑踏の中をさまようような「僕」であり、背中を丸め,そしてうつむいて歩く「僕」であり、世の中なんてみんな信じてないんだよとブツブツとつぶやくような、そんな「僕」です...

歌詞だけ見ると(あるいは、読むと)、漢字欅の楽曲群とおなじくらいに、人によってはイヤになるくらい暗ーーい曲だと言えます。

 

でも、『シンクロニシティ』を聞いて、漢字欅の曲に対するような感想を持つ人はいない...

 

ステキなメロディーと美しい世界観が感じられる楽曲になっている...

 

その理由は、この『シンクロニシティ』という曲には、”愛”と”救い”があるからです。

つまり、孤独で、夜の街を一人さまよう主人公には”救い”がある...

彼は、街の中ですれ違う見ず知らずの人々の心の中にも”愛”があることを知っている...

たとえ言葉を交わさなくても、”愛”が共鳴しあうと、悲しみを共有することができ、憂鬱や胸の痛みが76億分の一に軽減されて救われることを知っている...

『シンクロニシティ』のテーマは、明らかに、”愛””分かちあい””救い”です。

これは、キリスト教の教義の核心部分でもある...

 

ニューヨークに実際に住んだことがあり、テレビ番組『アナザースカイ』の2015年2月20日放送回(→まとめサイトの参考記事)で海外の有名人との厚い交流があることを示した秋元康氏は、明らかに欧米人の友人知人たちからキリスト教思想を教えてもらって知っている...

 

私のこのブログの1月20日の記事で、「黒い羊」とは新約聖書の『ヨハネの黙示録』から来ていると書きましたが、欅8thの『黒い羊』のタイトルも歌詞も、明らかにキリスト教思想をふまえている...

 

漢字欅の物語の主人公である「僕」は、個人主義者であることと自由とを失わずにキープしつつ、大人へと成長してゆく...

 

『シンクロニシティ』の歌詞で「キープ、ゴーイング...」と言っているのは、そういうことかと思います。

 

胸のなかにある大切なものを失わずにキープしつつゴーイング、つまり、生きていけよという平手友梨奈に対する宛て書きの曲...

 

実は、『シンクロニシティ』は、平手ちゃんに対する宛て書きの歌ではないのか?...

また、漢字欅の物語の最終着地点のひとつの選択肢を示しているのではないか?...

私は、いろいろと考えたうえで、気づき、この答えの可能性にたどりつきました。