秋元康氏の原点の分析と、AKB物語の「秘中の秘」とは? | 超絶メタアナリシス

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☆☆☆ 都心(台東区)在住です ☆☆☆

昨日の記事ではAKBの原点や原動力について触れました。

  

今日は、秋元康氏の原点について触れたいと思います。 

  

秋元康氏の原点は、放送作家」です。 

  

作詞家ではありませんし、プロデューサーでもありません。 

  

この点に関しては、NHK朝ドラと『365日の紙飛行機』にからめて、評論家が論じています。
↓↓↓
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151019-00010001-realsound-ent  

  

  

さて、「放送作家」とはどういう人種なのでしょうか?... 

  

それは、短編物語”の作者であるということです。 

  

長編物語ではなく、短編です... 

  

例えば、2012年の大ヒット作『あまちゃん』の台本を書いていた宮藤官九郎氏も放送作家です。 

  

そして、彼は、ドラマの進行のやや先を行きながら台本を少しづつ書いていっていました。 

  

写真週刊誌(フライデー)に、喫茶店でパソコンに向かいながら『あまちゃん』の台本を1本づつ、つぎたしつぎたしながら書く宮藤氏の姿が掲載されておりました。 

  

参考までに、ほら。

↓↓↓

http://friday.kodansha.ne.jp/archives/22615/  

  

つまり、最初から完璧なストーリーや結末を用意していたわけではないんですね... 

  

わかりやすく言えば、放送作家とは、漫画週刊誌の連載を持っている漫画家と似ています... 

  

彼らもまた、カチッとした結末やストーリーを用意してやっているわけではない... 

  

途中経過や、ファンの反応をみながら、随時ストーリーを微修正していく... 

  

時には、物語の長さを変えたりもする... 

  

『北斗の拳』や『ワンピース』が、最初はすぐに連載を終えるつもりだったというエピソードは有名ですよね... 

  

でも、ファンの好評ゆえに、話しを伸ばしたり、話しに肉づけをしたり、話しをふくらませていったりしたんです... 

  

そしてそれが結果的に、名長編マンガを生み出すこととなった... 

  

また、漫画家や連載作家が、よく、「物語の中の人物が、個性を持って動き出す。作者の私の手を離れて...」などというコメントを時に見かけたりもします... 

  

要するに、自分の意図を強く持って物語を構成しているのではない... 

  

短い物語を世の中に出して、みんなに見せて、そのみんなの反応しだいで物語の内容や方向性を随時変えていく... 

  

彼らは、そんな書き方をしているんですね... 

  

なぜそうするかというと、そのように進むべき方向を微調整しながら進んでいくようにすると、結果的に、最も大きな風の吹く方向へと進んでいける... 

  

”風”とは、視聴者や読者の反応ですね... 

  

それをふまえることで、最もファンの好感度の大きな方向へと進んでいける... 

  

そうすると、結果的に大きな数字(部数、視聴率等)が出ることになる... 

  

大ヒットとなり、物語は成功する... 

  

めでたし、めでたしというわけです。 

  

だから、週刊マンガ誌では、読者からのお手紙の内容を非常に重視するわけですね。 

  

連ドラも、視聴者の反応を随時うかがうのは一緒です... 

  

・・・ 

  

秋元康氏がAKBをプロデュースする場合もおそらくはそんな感じで、AKBを題材とした短編の連作」をやってきたんです、彼は... 

  

だから、「AKBの長編物語」など、最初から今まで一度もないんですよ! 

  

そんなものは、元からあったためしが無んです... 

  

よく言われる「センネズの物語」も、実は、短編物語に過ぎなかったんです... 

  

だから要するに、AKBとは、”短編物語”のつなぎ合わせでこれまで進んできているんですね。 

  

でもそれが結果的に、12/8のこのブログにも書いたように、常時の”コンテンジェンシー・プランニング”になったのだと思います... 

  

長期の業務計画などは無い... 

  

いや、無いというより、わざと作らない... 

  

短期の業務計画のつなぎ合わせ... 

  

それはいきおい、毎度毎度、緊急の経営会議を開いて、今の状況からの経営再建計画をいちから立て直すということの”常習化”ということになる... 

  

これは、一般企業ではありえないこと... 

  

でも、それはAKBの場合では、普通のこと... 

  

秋元康氏が放送作家出身ゆえに、わざとそうやっているから... 

  

結果的に、”コンテンジェンシー・プランニング”の常時化・常習化、ということになるわけです... 

  

サプライズや予定調和をしないということも、以上のことの一面に過ぎません... 

  

つまりは、短編物語がいったん終わるたびごとに、物語はいったんリセットされる... 

  

その続編となる次の短編物語は、その時点の状況からのベストの続編として用意する... 

  

この繰り返しで10年間やってきたのだと思います。 

  

いわば、AKBの物語は、マンガの連載と似ているんです... 

  

それも人気マンガの... 

  

これがAKBが10年間も長続きしてきた「秘中の秘」なのだと私は考えます... 

  

だから、「AKBの運営に計画性が無い」という批判は的はずれのシロウト意見だと思います... 

  

「AKBの運営に計画性が備わった」ならば、逆に、AKBは傾くように思います... 

  

そこ、AKBの強みだと思うから... 

  

  
了