すっかり暖かくなりました。
前回からの続きです。
インフル花粉や風邪などの急性炎症と違い、はっきりした症状が少ない慢性炎症はやっかいです。
小さな炎症が臓器を少しずつむしばみ、だんだん臓器は健康な状態に戻らなくなっていきます。
炎症の血液検査の指標CRPが基準値内(0.3mg/dl以下)であっても、より正確に調べるためには一般的な血液検査には含まれない「高感度CRP」という指標があります。
この高感度CRPは普通のCRPの10倍の感度があるもので、この数値により慢性炎症の存在やそこから将来的に発生する可能性のある疾患などの研究も行われているようです。
ところでそもそも慢性炎症の起こりやすい場所は「腸」です。
腸は口から入ってくる細菌・添加物・農薬・抗生物質などの有害物質・毒素が溜まる場所です。
腸内での細菌叢のバランスが悪ければ悪玉菌も有害物質を発生させます。
さらに腸の粘膜には免疫細胞が多く集まっているため、炎症が続くと免疫機能へ影響が出てアレルギーになったり、腸炎や大腸がんの原因にもなります。
炎症した腸粘膜からこうした有害物が血管に漏れ出ると全身いたるところに飛び火して慢性炎症を広げていきます。
血管に飛び火すれば動脈硬化、膵臓では糖尿病の発症と色々な疾患につながっていきます。
・参照:腸に穴
ですから慢性炎症の最前線は腸粘膜なのです。
逆に臓器の中で一番早く老化するのも腸と言われています。
これは腸粘膜に消化吸収のため多くの血液が流れているからです。
この腸の老化を進めないためには肥満や過度の飲酒・タバコ、加工食品、冷凍食品、またケーキ、ドーナツ、揚げ物、マーガリンなどトランス脂肪酸を摂らないようにすることです。
逆にこうした生活習慣や食事内容の該当する方で腸の調子が芳しくない方は慢性炎症が起きている可能性が高いと考えてください。
慢性炎症を積極的に予防するなら「オメガ3/オメガ6脂肪酸」の亜麻仁油、またオリーブオイル、そしてさらに青い背の魚、トマトやナッツ、果物、大豆、味噌をとることです。
腸の調子があまりよくないという方には慢性炎症予防のために「熊笹エキス」がよいです。
葉緑素や多糖体を含む熊笹エキスは粘膜保護作用があります。
口から腸までの粘膜に作用しますので口内炎にも効きます。
腸だけでなく胃腸全体の調子もよくしますのでお勧めです。
下記のような症状がある方はそれぞれに対応する漢方薬をさらに併用されるといいでしょう。
"下痢、軟便、便秘の他に便の形が一定しない、細かったり切れ切れになる、コロコロや硬い便が出た後下痢になる、 腹痛、ゲップ、ガスがたまる、お腹が冷える、唇が乾燥する、過敏性腸症候群や痔、ポリープ"
すでにぜんそく・アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、リウマチなどの自己免疫性疾患や動脈硬化、肥満、心臓病、糖尿、潰瘍性大腸炎などをお持ちの方なら、漢方や光線療法をお勧めしていますが、慢性炎症という観点からは抗炎症作用のある動物性生薬「牛黄」を毎日少量とるのがお勧めです。
抗炎症作用のある生薬や漢方処方は体を冷やすものがあり長期に継続するには注意が必要ですが、牛黄は毎日継続しても体を冷やすことが少ないですので安心です。
具体的な製品や服用については薬局でご相談下さい。