牛黄は,牛の胆のうや胆管中に稀に発見される結石を乾燥させたものです。
生薬の中でも「動物性生薬」に区別されます。
古くから珍重されており高貴薬として黄門様の印籠に入っていたり、無病息災のお守り「護符」を書く墨に混ぜられたりする動物性生薬です。
動物実験ではマクロファージ、免疫系リンパ細胞を活性化して免疫能力を高める作用が報告されています。
牛黄は肝臓の保護、解熱、赤血球産生、血圧正常化、末梢血行改善、抗炎症、抗ウイルス、強心、消化促進、末梢神経障害改善、痙攣沈静、神経の昂ぶりを鎮めるなど幅広い作用があると言われています。
※妊娠中は不可です。
店頭での具体的な使用についてご紹介しましょう。
1,滋養強壮・肉体疲労
ぎっくり腰・肩こり・まぶたがピクピクする場合は「肝」=筋肉の疲労と言えます。
筋肉の緊張をとる漢方薬、柴胡の含まれる漢方薬をタイプに合わせて併用すると効果的です。
動悸・息切れ・夢をよく見て眠れない という場合は「心」の疲れ。
タイプに合わせて帰脾湯や丹参製剤、三七人参と併用します。
2,清熱解毒
発熱性消耗疾患、つまり風邪・インフルエンザなど感染症による発熱 ・肝炎・肺炎
風邪薬、抗ウイルス薬、又は漢方と併用すると体力回復を早めます。
3,認知症
古典「名医別録」には「久しく服すれば身を軽くし寿命延び、物忘れしなくなる」とあります。
イライラされて周りの方にあたるような場合、最近は医師からよく「抑肝散」という漢方薬が処方されますが併用すると効果的です。
※認知症は他の漢方処方・生薬の方がよい場合があります。
最後に注意することがあります。
牛黄を服用して返って動悸・不眠が出る方があります。
この場合は血虚と言い、血が少ない方が多いです。
アミノ酸や当帰製剤を併用するとよいでしょう。
また心臓弁膜症の方は服用前にご相談下さい。