こんにちは
読んでいただきありがとうございます。
今日は休みだったので、阪急の御座候(一般的に今川焼と呼ばれているもの)を買って来ました。
紙が一枚同封されており、そこには一般投稿された御座候にまつわる思い出エピソードが書かれています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240401/13/motoichiro1984/8d/02/j/o1080060715420118996.jpg?caw=800)
私自身、小さい頃から食べているという以外、御座候に特別な思い出はないのですが、
たまにオークションで『キョロちゃんスタンプ』を目にすると、あるひとりの少年を必ず思い出します。
まだ誰にも話したことがない、子供の頃の小さな思い出話ですが。
昔、同じクラスに『カミやん』という男の子がいました。
私は彼に『シンくん』と呼ばれていました。
小6の時、彼がデジタル時計機能を搭載した小さくて四角い金庫型のオモチャを学校に持ってきており、
開閉するフタをパカッとあけると中にキャラメルのキョロちゃんスタンプが入っていました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240401/12/motoichiro1984/cf/81/j/o0720040515420087102.jpg?caw=800)
それを見て私が「ええな、ええな、そんなカッコええやつ持っててええなぁ」と言っていたら、
その数日後、私の机の中にその金庫のオモチャが入っていました。
あれ?と思い、「カミやん、コレ俺の机に入っとったでぇ」と渡すと、
彼は「知らんで」
「え?これカミやんが入れたんちゃうん?」と何回聞いても、
「違う、俺はそんなん入れてへんで」という始末。
え~?と思いながら仕方なく持ち帰り、金庫のフタをあけると、そこにキャラメルのキョロちゃんスタンプが入っていました。
やっぱりカミやんが持ってたやつやん、と思いましたが、
おそらく面と向かってあげるのが恥ずかしかったのでしょう。
彼のさりげない優しさを察し、私は黙ってありがたく頂戴しました。
中学時代は私自身、素行が・・・・だったので、朝学校に着いても教室に行かず、
まず便所に行ってジェルで髪型をセットするのが日課でした。
毎朝便所に行くと必ず先にカミやんがいて、「よう、シンくん」と明るく声をかけてきたものです。
髪型をセットしながら、鏡越しに色んな冗談話をするのが当たり前になっていましたが、
ある朝、便所に行くと開口一番「シンくん○ね。全員○ね。」
と言ってきたので、「あ?何やねんいきなり」と返すと、
うつむき加減に「岡田○ね。シンくん○ね。全員○ね。」
ただならぬ雰囲気に「何?何かあったん?」と訪ねると、
「カズがワールドカップの日本代表落とされた。カズが落とされた!何でやねん!オカシイ!絶対オカシイって!何でカズが出えへんねん!何でやねん!○ね!○ね!みんな○ね!」
とタイル壁を殴り、悔しさと怒りで常軌を逸した様子でした。
だからって何で俺が○ななアカンねん、と思いましたが、
彼は小学生の頃からずっとカズに憧れてサッカーをしていたので、相当悔しかったのでしょう。
かける言葉もありませんでした。
あの頃の私は鞄にブルース・リーのキーホルダーを付け、いつもブルース・リーの映画の話をして、
授業中はブルース・リーの写真集を机に広げ、美術の自由制作でブルース・リーの絵を描くほどのファンでした。
「シンくん、ホンマにブルース・リー好きやねんなぁ。ホンマに好きやねんなぁ。スゲェなぁ。」
とカミやんは感心していました。
毎日ベランダで一緒に早弁をし、
休み時間はカミやんを中心に男子みんなで一緒にサッカーをして遊びました。
中学卒業後、地元の高校に落ちた私は遠くの高校に電車通学していましたが、
何度か駅で彼と遭遇し、適当な会話を交わしたのが最後。
彼は梅田駅方面、
私は反対の宝塚駅方面のホームに立ち、
もともと住んでいる世界が違う子だったので、
「もうカミやんには会えんやろうなぁ」という諦念を抱いたまま電車に乗り、
事実、あれから25年経ったいまも、一度も会っていません。
いまどこにいて、何をしているかは分からないけども、
元気でいてほしい。
とずっと思っていました。
しかしつい先日、カミやんの近況を知ることになりました。
知った時はショックというか、ただただビックリしました。
もう数年前のことですが、
彼は『ゆじぇーろ』として、自身のお母さんの冠番組である『怪傑えみちゃんねる』の構成作家としてTV局で働き、
カジサックと問題を起こして、その番組を終結へと導いてしまったそうです。
結果はともあれ、無事でなにより。といった感じでした。
カミやんは有名人を親にもつ、ごく普通の少年でした。
どこかいけ好かない地元・箕面(ハッキリ言うたな)での彼とのエピソードは、
ごく少ない良い思い出として、いまでも鮮明に覚えています。
ではまた