廃線をゆく
『廃線』とは、廃止され既に使われなくなった鉄道線路のことですが、
こんな本があるんです。
実にマニアックな雰囲気たっぷりの本ですよね♪鉄道など詳しくないのですが、何気なく興味本位で
読んでみた所その奥深さにすっかりはまってしまい。あまり新しい本ではないので、中古の程度の良い
ものをamazonで探しては購入していましたが、気づけばこんな↓ことに・・・ハハハ。
廃止された時期など線路によって様々で、懐かしさを感じるようなものから遺跡レベルのようなものまで
鉄道に対する深い知識と愛情にあふれる文章で綴られています。そして題名のとおり実際に現地を訪れる
ための道筋やポイントまで盛り込まれているのです。
北海道にはいくつも廃線があることが分かったので是非自分の目で見て触れてみたいと思い、先日訪れ
てみたたのが 『旧国鉄士幌線』でした。
旭川の奥座敷である層雲峡を経由し、景観の素晴らしい三国峠を越えて目指すは糠平湖。最初に現れた
のは音更川に架かる『第5音更川橋梁』。
コンクリートアーチ橋梁と言って、この近辺の橋梁は鉄橋をどこかで作って運んでくるよりも現地で石材
など調達して作られるこの方法が採用されたそうです。写真では割と小さく見えますが、下に流れる音更川
から橋梁の高さはかなりのものです。
橋梁の上の部分です。レールなどは既になく、崩落の危険もあり立ち入り禁止となっています。
この位置から後ろを振り返ると・・・
線路が存在していた場所が林道になっています。この先は糠平湖方面へとつながっています。
もはやレールも何もないこの道を歩いていると、まるで語りかけるように視界に入ってきたのが一本の
枕木でした。
自分の役目を果たし、静かに自然へと還ってゆく姿になぜだかとても心を打たれました。
国道へと戻り、糠平湖畔へ出る林道を15分ほど車で走ると北海道遺産にも指定されている
『タウシュベツ橋梁』が見えてきます。
この橋梁は糠平湖にダムが建設されたために増水期には水没して姿を消すので『幻の橋』と呼ばれて
います。湖面にも映るアーチがとても美しいです。
こちらも崩落の危険があるので橋梁の上にはあがれません。やはり近くで見ると骨組みが露出して
いたりかなり朽ちているのが分かります。
見方によってはまるで古代遺跡のようにも見えませんか?この橋梁は実は解体される事になっていたのを
地元の有志が保存活動を行い、上士幌町が買い取る形で今にいたるのだそうです。やがて崩れ落ちてしまう
運命なのでしょうけれど、この橋を目の前にして地元の人がこの橋を大切にしようとする理由がよく分かった
ような気がします。
これからも機会を見つけて北海道の廃線を是非とも訪れてみたいと思います。