何にもない家に帰りフローリングに座ります。

自分がすべき事はなんだ?

 

考えれば考えるほど、お客さん呼べたらいーなのホストから、"No. 1を獲りにいくホスト"へと状況がガラッと変わっている事に気付かされます。

 

まぁでも考えてても仕方ない。バカはバカなりのやり方でとにかく一歩を踏み出さないといけない

僕は真っ白な紙にバーーっと書き出しました。

 

・今月の今日までの売上

・No. 1(セツナ)との売上差

・マイちゃんが使ってくれた金額

・さとみが使ってくれた金額

・初回で送りをもらった女の子達の詳細

・第三者目線の自身の強みと弱み

 

 

もうめちゃくちゃでした。殴り書きでA4サイズの紙が数分で真っ黒になるまで書きました。

パッと見、第三者からは意味不明ですが自分さえわかればいいスタイルです。

 

締日まで残りわずかとなった今、「やる事」を明確にします。

 

締日までにやる事リスト

①携帯に入ってる15人くらいの女の子を1人でも多く指名で返す。目標は最低5人

②さとみの単価を上げる為に、営業方針を考える

③不眠不休で働く

 

何ともまぁシンプルなモノとなりました。

ロジカル思考は一切なく、「THE根性論」で挑もうとする、若さ全開のやる事リストの誕生です。

不思議と"その一歩"を進める事には躊躇がなかったんですね。

 

心が折れそうなほど広がってるNo. 1セツナとの売上差。ただマイちゃんが本気でNo. 1を狙っている以上、担当である僕が今までのままではいけない。

おいケイト、死ぬ気でやれ。

 

■ 電話魔人

携帯には15人くらいの女の子の連絡先。まずここに着手をします。

中には送りではなく、普通にメアドだけ交換だけした女の子もいます。※10年以上前の話なのでLINEは無い時代です。しかもガラケw

 

片っ端からメールを送りました。

今でいうコピぺ機能は一切使わず、それぞれの女の子に合った内容のメールを送ります。

 

全員に送り終えたのが、1時間後。

どんだけ早くやっても10人以上に別々のメッセージを送ればこのくらいの時間はかかります。

さぁどのくらい返ってくるかな。

ポツポツと返信がきました。

 

よし電話だ!!!

 

僕はメールが返ってきた瞬間に電話する事を決めていました。その方が距離感を縮められるからです。

 

そして話す内容は、ストレート真っ向勝負。

「まじ頼む!店に来てくれ!」

 

とはいかず。とりあえず様子見。

その女の子が自分に何を求めているのか考えながら、話した内容を軽くメモにとりながら電話しまくります。

 

反応はさまざま。めちゃくちゃ話す女の子もいれば、対応の悪い女の子。お前の店には行くけど○○を指名するか迷ってる〜など天秤にかける女の子。

 

ここで明確に決めていた事は、長く引っ張ろうと思わないという事。どうせ次から次へと女の子とは出会えるから、いちいち長い目で見ない。というかそこまで深く考えない。

指名で返せそうなチャンスがあれば、その一瞬に全てをかける事。その先の事は、その先に考える。

これは陽介さんのアドバイスでもありました。

 

歌舞伎町10年の経験からも、これは最後まで金言として残っていました。

 

先の事を考えるとフットワークが重くなるんですよね。後回しにしてしまうから。

ただね、歌舞伎町チャンスは一瞬なんですよ。数少ないそのチャンスをモノに出来るかどうかがホストは全てだと思います。

 

当時の僕はそこまで理解出来ていないですが、それが逆に良かったんだと思います。

尊敬する先輩の金言を胸に、僕は電話をかけまくりました。

 

電話の目的は指名を返す事ですが、"最終的に色恋に発展させる"という明確な狙いがあったので迷わずいけました。

 

僕「声聞きたくなったから電話しちゃった」

客「えー怖い。メールでいいよ〜」

僕「いやいや、電話でいいでしょ。それよりさ、今彼氏いるの?」

客「は?なんで?いきなり?」

僕「いるのか、いないのか。それだけ教えて」

客「いないけど、、」

僕「そっか。ありがとう。いや、いたら嫌だなって思ってさ」

客「どういう事?色恋ならお断りだよ」

僕「色恋じゃないよ。ただ彼氏がいたら嫌だって言ってるだけじゃん」

客「思わせブリしないでよ」

僕「思わせブリじゃなかったら、どうする?」

 

書いていて恥ずかしいくらいの素人色恋ですが、まぁこれでOK。こんなのからスタートしていくわけですよ。

ちゃんとやり切ってから、あのワードがいいだの、これはちょっとキモかったなとか、ここでいきすぎると相手は引くんだなとか反省会も同時進行で行います。

 

どんな形でもいいから指名を取る。

そんなドブネズミ精神で電話をしまくるのでした。

 

■オラ営覚醒

今月戦うにはマイちゃん以外だと、明らかに自分に気がある、さとみの存在が重要でした。

ここは、どうしても固めたい。ただ今の営業では他店に流れるか僕にハマるのか、どっちに転ぶかわからない状況です。

 

早速さとみに電話します。

 

僕「おう、さとみ!今何してた?」

さ「ふぇ〜?お風呂入ってたよ〜」

 

僕「そうか。明後日も仕事?」

さ「ふぇ〜?そうだよ〜?」

 

さとみは昼職なのでアフター5の予定を聞き出します。

 

僕「明後日の仕事終わった後は何か予定入ってるの?」

さ「ふぇ〜?明後日は友達と新宿でご飯食べるよ〜」

 

(よしキタ!!!)

 

僕「俺と表参道行くって言ってたじゃん?土曜日に。土曜まで待てないから、明後日友達とご飯食べた後店に来てよ」

 

さ「ふぇ〜?やだよー!!そんなにお金持ってないからー!!営業しないで!!」

 

怒り出すさとみ。

 

僕「お願いお願い。」

さ「やだやだ!!お金持ってないし、パンケーキ食べに行かないと約束が約束じゃなくなるでしょ!!昨日だって全然着かなかったし、気まずかったし、もう行きたくないと思ってんだよ!!それにさぁペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャ、、、」

 

ここで初めて自分の中の何かがキレました。

 

僕「うるせぇ!!黙れお前!!!」

 

さ「ふぇっ?!」

 

僕「黙って聞いてりゃ調子こきやがって!!ごちゃごちゃ抜かしてんじゃねえぞ!!オメェは黙って言われた通りに店に来りゃいいんだよ!来なかったらブッ○すぞわかったか!!!」

 

さ「ふぇっ、ふぇ〜〜・・??ケイトなんでそんな怒るの」

 

(ハッ!!ヤバい!!焦るがあまりについ感情的になってしまった!!ヤバいさとみに切られる。一旦落ち着け俺!)

 

僕「あー、わりぃわりぃ言いすぎたわ。いんや〜俺お前の事になると感情的になっちゃうんだわ。本音をいえば、俺は本当は他店のホストのサブなんじゃないかとか、彼氏いるのに隠されてるんじゃないかとかさ。」

 

さ「ふぇ〜?そんな事ないよ、、。ケイトしか好きじゃないよ」

 

(我ながらなんてアドリブなんだ!!そしてなんか知らんがいい方向に!!陽介さんのヘルプに着きまくっといて良かったー!!!)

 

僕「それ本当か?嘘だったらどうするんだ?俺を騙す事になるぞ」

 

さ「嘘じゃないよ!しょ、初回の時からケイトが好きだったもん!本当だよ!信じて!」

 

僕「皆んなそう言うんだ。でも実際はそうじゃない事が多い。そこまで言うなら証明してみせろよ」

(エース一本釣りど素人が偉そうに)

 

さ「店に行ったら信じてくれるの?営業じゃないよね?」

 

僕「お前な!!その営業、営業って口癖か?そこまでして売上なんて欲しくねーよ!!2度と俺の前でそのセリフを言うなよ!!分かったか?!」 

(売上が欲しいから謎タイミングでキレてるくせに)

 

さ「ふぇ、ふぇい、分かりました」

僕「ムカつくな!謝れよ!!!」

さ「ふぇっく、ふぇっく、ごめんなさい、、」

 

(な、泣いてる、、)

 

僕「よしわかった。明後日、友達とご飯終わるの何時だ?」

さ「ふぇ、20時には終わるよ、、あ、22時かな?でも友達が他店の初回行きたいって言ってたから、、ふぇっ?!あっ違うよ!私は行かないよ!本当だよ!」

 

(ちっ!こいつの友達とやらもホス狂いか。邪魔だな!)

 

僕「なんだと?お前最初から初回ありきの新宿チョイスだったんだな?ざけんなよ。散々金ない金ないとか言っときながら、ホストに行く余裕はあるんだなぁ!!」

 

さ「初回は1000円だよ、、有名店でも5000円だよ、、」

僕「どこに行く気だったんだ?」

さ「ふぇっ!!友達が、、友達が、、エアーに行きたいって、、、

僕「じゃあ5000円の方じゃねえか!!!!」

さ「フォッヒューー!!ごめんなさい!!!」

 

(俺は今何にこんなキレてるんだろう。そしてなんでこの子は何でも素直に話してしまうんだろう)

 

僕「おいお前。その友達切れ。」

さ「きゅっ急に無理だよおおお」

僕「やかましいわ!!!いいから切りやがれ!!切るのが嫌なら俺の店に枝で連れて来い!!わかったな!!」

 

(固めたいお客さんにホス狂いの友達がいると、後々邪魔になります)

 

さ「フォッヒューエ!分かった、ケイトの店に連れていくから、もう怒らないでよぉぉぉ」

 

僕「よーしわかった。楽しみにしてるからな。20時には絶対来いよ。1分でも遅れるんじゃねぞ、いいな?そのアバズレ2号にも言っとけ。"俺のさとみを浮気させるな"と。」

 

さ「それって、どういう意味?」

 

僕「そういう意味だ」

 

さ「わ、わ、わ、分かったよー!!絶対遅れないよー!!友達も連れて行くよー!!!」

 

僕「お前はもうこれからは、俺の言う事だけ聞いてろ。他の友達とか他店のホストがなんと言おうがお前の事を幸せに出来るのは俺しかいないだ。お前だって分かってるだろ?だからちゃんと良い子にしろよ」

 

さ「わ、わ、わ、わ、」

僕「分かったのか?」

 

さ「うんうんうんうんうん!!」

僕「偉いぞ。じゃあ明後日会ったらチューしてあげるからな。」

 

さ「いいよ、そんなのしなくて、、」

僕「嘘だバーカ。約束守ってからモジモジしやがれ。じゃあな」

 

いかがでしたでしょうか?

このクズ野郎のやり取り。

自分で自分が嫌いになります、本当に。

 

色々ごちゃつきまながら、当時の僕はこうやって来店に繋げていたのは事実です。

新人ホストのクソみたいな色恋なのかよくわからない、オラ営もどきがここからスタートしました。

とにかく、この関係性で僕はさとみの単価上げを狙いにいきます。いいんだいいんだ、とにかく進め!

 

■地獄の1週間

マイちゃんには毎日必ず24時間体制で連絡し続けます。返ってこなくてもメールを送ります。電話が鳴れば3秒以内に出てた自信がありました。

 

さとみにはオラつきながらもちょい色で関係性が深まっていきます

しっかり2日後には枝(友達)を連れてやってきてくれました。その日の話はいつかまた。

 

他のお客さんもポツポツと、来店予定が決まっていきます。まずは店に呼ぶ事。これに尽きます。

 

ただ、本当にしんどい日々となりました。

お客さんの行動時間は人それぞれ。

朝起きる人、昼暇な人、夜仕事する人。

それぞれにそれぞれの対応をしないといけないので、基本的にマイちゃん以外の連絡にも24時間体制で受ける事になっていきました。

 

短期間で結果を出すためには、短期間でもいいから依存させるしかありません。「生活の一部にケイトがいるし、それが普通」状態ですね。結果として、短い期間でも成せばなるって思いました。こっちから連絡しまくって、ピタリとやめると、向こうからなんで今日連絡くれなかったの?と来るようになります。

 

ただ、これを継続すればする程、「ごめん寝てた」は通用しませんので、営業中以外は基本的に硬いフローリングの上に横たわり、携帯をオデコの上に載せる方式を採用(これ大好き)

ブルっとなったら「即もしもし」ですね。

 

代償として、とにかくずっと眠かった。1日多分1時間くらいしか寝てなかったと思います。23時間は仕事中でした。

会話も記憶もよく分からなくなっていくんですね。営業中も酒を飲むし、酔いが早い。んで背中も痛い

 

若いから出来た事です。

「24時間もしもし君」と店でいじられようがお構いなしです。

 

別の先輩で新規指名を返そうとした女の子は、結局僕指名で来てくれました。その理由は明確。

先輩はめっちゃお客さんがいてその子にはなかなかかまえなかった

暇なケイトはいつ、いかなる時も電話に出てかまってくれた。

ただそれだけでした。

先輩からも「お前には負けたわw」と言ってもらえるくらい寝ずにかまい続けた僕の勝利でした。

 

慢性的な睡眠不足のせいで、思考力が極度に低下しており「不安」とか「恐怖」みたいなものが途中からなくなったのを覚えています。

新規指名の女の子にも電話の延長線で色恋かけまくり&煽りまくりのスタイルになってました。(投げやりとも捉えられる)

シャンパンを煽って断られても全く怯む事なく、「このシャンパンを今断っても、明日別のホストに入るだけだろう。そんなクソみたいな他店ホストはやめとけ。俺がいいに決まってるだろ」みたいな、いわゆる痛ホス全開な接客をしていました。

 

陽介「そうだそうだ!こんな痛いホストなかなかおらんからな!!!でもね、、ここだけの話なんだけど。今酔っ払ってこんな事言ってるけど、○○ちゃんの事は俺もよく聞いてるよ。○○ちゃんの為に絶対寝ないんだってさ。ケイトわかりやすいんだよね〜」

 

僕「言わないでくださいよ〜!」

 

陽介「アカンかったな!!あははははは!ウェーイ!!じゃあ一本もらっちゃおうかなー!!いいよね?いいよね?いいでしょ○○ちゃん!そんな他店切っちまえよ!あははは!!ありがとうー!!お願いしまーす!!」

 

その場の空気を読み、打ち合わせゼロで、鬼煽るスーパー店ぐるみヘルプの陽介さん。

 

女の子は僕ではなく陽介さんの迫力に負けてシャンパンを入れてくれるんです。

無茶苦茶に見えて、計算高い陽介さんに僕のお客さんは皆ファンになっていきます。

 

陽介さんはこの1週間、かなりの頻度で僕のヘルプに着いてくれました。

お客さんが来ててもそっちのけです。

 

僕「お客さん大丈夫ですか?」

陽介「大丈夫。俺はプロだから」

僕「お客さん痺れてませんか?」

陽介「痺れるのは枕の時だけ。OK?」

僕「馬鹿じゃねーのw」

陽介「次タメ口使ったらぶっ殺す」

僕「はい」

 

気がつくとお兄ちゃんみたいな存在でした。

後日談ですが、陽介さんは営業中に卓につけなかった分、そのお客さんには普段はなかなかしないアフターをかなりしていたそうです。営業中は、何よりも僕のヘルプを優先し、シャンパン煽り、コールを率先してやり、絶対に楽しませて帰らせる。

 

そこに言葉はなくても僕に力を貸してくれた事、今となっては感謝しきれないスーパー兄貴です。

 

そうやって人の力を借りながら、ほぼ不眠不休の1週間を終える事になりました。

 

■締日当日

いよいよ締日当日になりました。

地獄の1週間を終え、締日当日は疲労度が半端なかったのを覚えています。

この1週間本当に色々ありました。

数字としては陽介さん筆頭に、周りの協力を得て、新規指名は6本・売上は70万近くを上げる事が出来ました。

今思っても、割と奇跡だなって思います。

 

やるだけはやった。

もうあとは、、、

 

僕はサウナに行き仮眠を取り、営業に備えます。

本日の締日は、マイちゃんとさとみ、そして新規指名1本の3組予定です。

 

同伴のさとみとは夕方頃、歌舞伎町の居酒屋へ。

仮眠のおかけで頭はスッキリ絶好調。

そして、突如不安へ。

ビール1杯に1時間をかけ、ほぼ食事は取らず店に向かいます。

さとみには悪いが、今日は許してくれ。

 

さとみ「緊張してるの?」

僕「うん」

さとみ「今日、22時に帰るけどいい?」

僕「うるせえ。最後までいろ」

さとみ「ふぇ?考えとくー」

 

すれ違う歌舞伎町のホスト共は、どいつもこいつも月末だけはギラギラしてやがる。

 

KYなさとみの言葉をサラリとかわし店に到着。

よし、頑張るか!

 

■営業開始

締日は早い時間から店が混雑していました。

内勤にさとみを卓へエスコートしてもらい僕はバックヤードへ。

「予定表」なる、来店予定リストにマイちゃんと新規指名の名前を記入します。

 

陽介「おはよケイト!今日はマイちゃん来るのか?」

僕「おはようございます!はい、来てくれる予定です」

陽介「そうかそうか。お前、どこ目指すんや?」

僕「‥。出来るだけ上を」

 

陽介「頑張れ。負けんなよ!」

 

陽介さんは僕のケツをパーンと叩き颯爽と自分の卓に戻っていきました。

僕も自分の顔を叩き、「っっしゃああああ!」と気合いをいれ、さとみの卓へGOします。

 

さすが締日と言わんばかりに店内は大盛況です。

シャンパンがバンバンおります。

通常コールからオールコールまで、ずっとシャンパンコールが鳴り止みません。

 

わちゃわちゃしてる店内の中、セツナが遅めの出勤をしてきました。相変わらずのムカつく顔。偉そうにいつものエースと同伴です。

ポケットに手を突っ込みながら、自分の卓へ。

僕と目が合いましたがお互いに挨拶はしませんでした。

 

今日俺はこいつに勝つ。

 

そんな雰囲気で僕はセツナをガン見していましたが、当人は「誰だよオメェ感」を醸し出しながら、余裕そうにヘラヘラしていました。

 

ムカつくな、本当。

まぁいい、勝負はもっとあとだからな!

 

さとみの接客に集中する事に。

 

冷酷ヘルプ「いやーさとみちゃん。今日も来ちゃったんですか?僕も一緒に着いちゃいますね。よいしょっと」

さとみ「きた!もうこないでよ!」

冷酷ヘルプ「何言ってるんですか。さとみちゃんも欲しがってるくせに」

さとみ「やだーー!きゃっきゃ」

 

いつの間にかいい感じの2人に驚きながらワイワイ始めます。

 

卓もいい感じに温まりさとみも酔ってきました。

何気に初回も行かずにずっと卓にいるのは初めてだったんですね。

 

さとみ「ケイトー好きー」

僕「うん、ありがとう!」

さとみ「なにそれーうっざ」

 

もたれかかってこようとしたので、サラリとかわします。

 

冷酷ヘルプ「さとみさん。気味が悪いですよ。本当」

さとみ「あんたはうるさい!」

 

時間は刻々と過ぎ21時、新規指名がやってきました。

いつものさとみならギャーギャー言うものな今日は空気を読み「いってらっしゃい」と。

 

新規指名は、頭が深夜テンションで色かけたお客さんだったのでメールを読み返し、設定を思い出します。

ここはクールキャラだったな。

 

新規指名は、大学生の女の子。地味で物静かな可愛らしい子です。なんで僕が送りをもらったのかも不明なほどキャラが違います。

探り探りの接客ですが、飲み始めると少しずつ明るくなっていきます。

ただワイワイ騒ぐのは苦手のようで、こちらも静かに騒ぎます。

 

対して店内は大騒ぎそのものです。

そして店内の照明がガンと落ちます。

 

セツナエースの卓で、オールコールです。

挨拶代わりの飾りボトル。ラーセンという船の形をしたブランデーボトルを3発まとめて。

 

シャンパンコールコメントのコメントに入ります。

セツナ「今日は締め日なんで〜姫にやらせましたwww」

セツナエース「まだまだ余力あるんで今月もナンバーワンとります〜!」

 

盛り上がる店内。

 

(この3発で俺の地獄の一週間分か・・・)

 

イキリマイクも本日は絶好調。

セツナ「俺がナンバーワン」「俺が看板」「俺がカリスマ」

止まらないね〜。家で練習してるのかな?

 

痛さ爆発のセツナシャンコが終わり、皆それぞれの卓へ戻ります。

 

そこへ

 

内勤「ケイト!お客様だよ!」

僕「!!!」

 

 

■エース登場

僕「マイマーイ!!!マイマ・・・イ?」

 

うっきうきのわっくわくでキャッシャーにいくとそこにはマイマイが。

 

ただ、一瞬「ん?」となりました。

それもそのはず、セミロングの髪は短いショートに変わっており、何より金髪になっていました。

最上もがさんみたいな雰囲気です。

 

僕「え?髪切ったの・・」

マイ「そう。気合い入れてきた!」

 

僕「かーーーわーーーいーーーいーーーーーー!!!!!!!」

マイ「似合うでしょ?」

 

自分のお客さんながら、本当に可愛いなと思ってしまいました。

 

マイ「さぁケイト!今夜は勝つぞ!」

僕「よっしゃあ!やってやろうぜ!」

 

ガッチリと握手を交わし卓にエスコートをします。

 

僕「お客様ご来店でーす!!!!」

店内「いらっっしゃいませーーーー!!!!!!!!!!おおおおおおおお?!?!?!?!」

 

店内もマイちゃんのイメチェンに驚きが混じってます。

 

よし、舞台は整った。

ラストオーダーまでは、あと2時間。

 

首洗って待っとけやクソNo1が


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