過去、年齢も見た目もルックスもみーーんなバラバラ、本当に色んな女性に指名をもらいました。

実はそのうち何人かにストーカーをされた事がありまして。。今回はお話はそのうちの1つです。

 

ホスト3年目くらい?の時の話です。

ホストという仕事にも随分と慣れてきて、役職もついてから結構経っていました。

店の中でもある程度、偉くなってきたというか中心メンバーとして、わっせわっせと日々ホストという仕事に明け暮れていた時期です。

 


その当時のお客さん達は、僕の営業方針がガチガチの色恋・本営型だったのもあり、普段からみんな僕に苛立っていました。

 

「誰にでもそうしてるんだろ」「裏切ったら許さない」そういった言葉のやり取りが毎日繰り返されていました。ちょっと殺気立ってる感じですね。

 

当時の僕は、"決して枕はいたしません"という硬派な漢キャラで売ってました。

 

歌舞伎町で「やらず本営ぼったくり」という言葉を作ったのは、間違いなくこの僕だと、8000万人分の証言を集めた調査結果で確認しました。

 


枕はしないが、「好きだよ」「愛してるよ」「お前と幸せになりたい」みたいな言葉はバンバン言ってくるので、お客さんからすると何だこいつと思われていたハズです。


 

もちろんその時のエースにも同様の手口です。

当時から”エースだから枕する”とかはなかったんですね。

 

ていうか、そもそもその当時のエースの事は女性として見れないというか・・・

枕してる想像がつかなかったんですよね。

 

そんなエースは僕よりも年上の女性。恐らく当時は30歳くらいだったはずです。

痩せていてスタイルの良い、綺麗なお姉さんって感じです。

 

ただこのエース、マウント行為が異常なんです。

「私は有名ホストの元太客だ。舐めるなよこのクソガキ」的な初回ファーストインプレッションマウンティング。

散々過去のお話を一方的にされました。


そして、なぜか僕が送りになり、次の日には指名で来てくれた。そんな出会いです。

 


素面で話せば、上品で可愛らしく周りへの気配りも凄いんですが・・

酒を飲むと豹変します。

 

 

ヘルプが少しでも粗相すると「消えて」と言い放って強制退場にしたり、僕が被ると「あんたみたいな芋臭いホストを指名する意味がわからない」と暴言を吐いてきたりと、なかなかの強者です。

唯一、先輩の陽介さんだけはヘルプとして受け入れられるも、酔いが回ってきた後半になると、「あんた、こんな店ごときで偉そうにしてんじゃないよ」とダル絡みをしてきます。

 

陽介さんは「そうだね!ごめんごめん!へっへっーい」と、正面からまともにとりあわず流します。

 

 

とある営業中、ラッソン時間前にそのエース様と店内で大喧嘩になってしまいました。

理由は僕がアフターに行くか、行かないか。

 

当時の僕は、売上の調子があまり良くなく、一時的なスランプに陥りお客さんが長続きしない時期に入っていました。

 

普段からエースには「あんたは、そんなだから私以外に使ってくれる女の子が出来ないんだ」とか「あんたみたいなザコホストはサッサと辞めろ」とか、まぁムカつく戯言を容赦なく言ってくるような感じです。

言うてもエース様なので、多少の暴言は目を瞑っていましたが。

 

で、その日はエース様が「今日はバーに行きたいからこの後すぐ行くぞ」みたいな事を言ってきたので、今日はいけないゴメン的な事を伝えました。

すると、烈火の如く大激怒。

 


エース「なんで?誰かと行くわけ?」

僕「あーうん。ほら俺ザコだからアフターしてお客さん作らないと」

 

火に油を注ぐようですが、下手な嘘をつくよりいいやって思ってたんでしょう。

 

エース様は、”この私を差し置いてどこの女と行くんだ”と更にヒートアップ。

内心うるせぇなと思いながらも、ニコニコかつ淡々と受け流します。ホストだからね。

 

が、その僕の態度にもブチギレ。

 


結局、絶対に「アフターに行きたいお客さんvs絶対にアフターに行きたくないホスト」というエンターテイメントが誕生します。

 


その日はお客さんとして非常に魅力的な、来店3回目くらいの女の子が被りで来ていてくれていたので、その子とどうしてもアフターをしたかったのです。

当の女の子も「今日アフター行く?」というと凄く喜んでくれていたので、こちらも気分良く待ち合わせ場所とかも決めていました。

 

 

僕(もうアフターは決まってるんだよなぁ。大人しく帰ってくれないかな)

 

 

話は平行線を辿り、僕はめんどくさくなってきて沈黙になります。

 

 

その時

「カァァーーン!!!」

という金属音みたいな音が鳴り響きます。

 

そして激痛。

 

僕「いっっっっっっっっったあああああああああ!!!!!!!!」

 

エース様は、ヒールで僕のくるぶしを蹴っ飛ばしてきたんです。金属音は僕を蹴飛ばす際に、踏み込んだ軸足のヒールが折れた音でした。

 

あまりの激痛にのたうち回る僕。

 

エース「そんな痛くないでしょ。大袈裟ね」

 

僕「痛いに決まってんだろ!!ふざけんな!!」

 

エース「とっととアフターに行けばいいじゃん。本当消えて」

 

僕(あーこいつマジでいつか●●して●●してやる)

 

即座にチェック。

むしろ僕から内勤に早く伝票持ってこいと巻きで指示を出します。

 

怒りぷんぷんまるのエース様をとっとと送り出します。

ここで「やっぱ、エース様とアフターに行きますね」という選択肢はありませんでした。

そんな事やってたら一生他のお客さんが育たないから。

 

実際エースの存在が邪魔をして、気がつけば他のお客さんが全くいないじゃんという状況は本当にあるんですよ。これを見てる現役ホストは首がもげる程共感してくれてるハズです

 

最後までなんか罵声を浴びせてくるエース様。

こっちは足が痛くて泣きそう。

僕が表まで送るとすぐに誰かに電話し始めます。

なんか始まったわ。

 

エース「あーもしもしー?今から行ける?30分だけでいいんだけど。うん、わかったすぐ行くねー!」

 

他店のホストに電話をして、どうだ?と言わんばかりの笑顔で颯爽と次の店へ向かうエース様。(片方のヒール折れてますよ)

 

嫉妬して欲しいんでしょうが、今あんたには消えてほしいんだと、黙ってオールスルーを決め込む僕。バイバイと言って、足を引き摺りながら店へ戻ります。

 

アフターを約束した女の子を残り時間全力接客です。ラッソンも終わり送り出しの時間へ。軽く準備を済ませアフター合流。


アフターと言っても序盤なのでかなりライトな感じですね。目的は育てる事なので、メインは相手の事を知る事。あんま酒飲んじゃいけない日でした。

 

そんなかんやで、深夜3時過ぎ。

アフターした女の子の家は近いとの事で、タクシーをお見送りします

 

僕も家に帰宅。

あー足いってぇなと思いながらご飯を食べて風呂に入りゆっくりします。黒い靴下だったのでわかりませんでしたがめちゃくちゃ血が出てました。

 

そして、朝方5時頃。

この時間は僕にとって重要な時間。毎日必ずほとんどのお客さんへLINEを送りまくります。

 

ガンガン送りまくっていると1通の返信が。

エース様のアイコンがピカっと出る。

 

げっ

 

一応、ケンカしてしまったので謝罪LINE(全然こっちは悪くねーけどな)を送っておいたのでした。

 

エース「今何してるの?」

僕「え、家にいる」

 

エース「本当に?」

僕「何」

 

エース「確かめる」

僕「てか足痛いんだけど」

 

エース「本当に家か確かめる」

僕「勝手に確かめろよ」

 

その瞬間

 

♪ピンッッポーーーーン♪

 

 

 

はぁ?????

 

これ、、、

まさか、、

 

 

はぁ????????

 

(LINE)

エース「いないじゃん。嘘ついてるじゃん」

僕「何なの?」

 

 

エース謎の病みスタンプ連投


ペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっペカっ

 

 

ああああああ っうぜえええええええええええええ

 

 

(LINE)

エース「家に帰らずホテルにいるんだ?お疲れ様クソホストさん」

 

 

 

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

 

 

 

朝5時にけたたましくなるチャイム音。

恐る恐るインターホンをのぞくと

 

 

やっぱりね。

エース様襲来。

 

めっっちゃ笑ってる。

 

 

ピンポンとLINEのスタンプ連投が止まりません。



ペカっピンポンペカっピンポンペカっピンポンペカっペカっピンポンペカっピンポンペカっピンポンペカっペカっピンポンペカっピンポンペカっピンポンペカっペカっピンポンペカっピンポンペカっピンポンペカっペカっピンポンペカっピンポンペカっピンポンペカっペカっピンポンペカっピンポンペカっピンポンペカっ

 

 

僕「なんじゃあお前コラァ!!!!」

 インターホンで怒鳴り散らす僕。

(なぜ出てしまったんだろう)

 

 

エース「あっいるじゃん。あけてよ」

 

めっちゃ笑顔。

 

そして、フッとモニターから消える。

 

 

消えた?!

 

 

 

はっっ!!!上にあがってくる!!!

 

 

やばい!!!!!

 

その当時住んでたマンションはオートロックが付いてるものの、1Fの低い壁は簡単に飛び越えられ、ちょっと頑張れば突破できるセレベルのキュリティの甘さだったのです。

 

 

鼓動が速くなる。

 


殺される。

 

俺、殺される。

 


僕の階数は8階。

ヤツが来る前に何とかしないといけない。

 

震える足。

 

どうしよう。

もう何でもいいから追い払おう。

 

玄関を出て廊下にあった消火器を手に取り標的(ヤツ)の襲来に備えます。


 

 

エレベーターが上がってくる。

 

4F、、5F、、、6F、、、

 

 

7F、、、、

 

 

くる。標的(ヤツ)がくる。

 

 

 

ドキドキする心臓。

 

 

8F

 

 

(!!!!!!!!!!!!)

 

すぅ〜〜〜ん

 

通り過ぎるエレベーター。

 

 

へ、、?誰も乗ってない?

どういう事??

困惑する僕

 

 







違う!!!階段だ!!!!!!


 

階段から標的(ヤツ)が襲来してきました!!!!!

 

 裸足

 

気が狂ってる!!!

 

 

 

僕「お前何してんだ!こえーよ!」

エース「あんたが嘘ばかりつくからいけないんでしょうが!!!」

 

僕「嘘はついてないだろ!帰れよ!こえーよ!」

エース「何持ってんのよあんたあああ!!!!」


 

僕「消火器じゃああああボケェエエエ!!!!!」

 

 

なんだなんだと他の階の住人が寝ぼけ眼で、裸足の女と消火器を持ってるホストの対決を目撃します。

 

 

住人「え、大丈夫ですか?え?え?えええええ???」

 

そして驚きは悲鳴に。

 

住人「きゃああああああああ!!!!!!!!」

 

 

突然の絶叫にエース(標的)急いで階段をかけ降りる。

 

 

僕「あ、あ、あ、だ、大丈夫ですぅ、、」

住人「けけけけけけ警察呼びますか?」

 

僕「け、け、け、結構ですぅ、、」

住人「わわわわわかりました!」バタン!!

 

 

僕「ま、ま、待てあの野郎!!!!」

 

 

エース様の逃げ足は恐ろしく速く、僕が住人とやり取りをしているとあっという間に1Fへ。

 

階段の上から下の道路を見ると、タクシーに乗り込むエース様。

 

タクシーは"ギャン!!キュルキュル!!"という急発進音を鳴らし消えていきました。

 

タクシーも朝5時に裸足の女が乗り込んできたので本当に怖かったと思います。

 

 

 

僕は荒い呼吸のまま部屋に。

呆然とする。

 

こ、こ、こ、怖かったーーーーー、、、

 

 

あの形相、ガチでトラウマになる。

 

電話をしても出ないエース様。

寝ようにも寝れず、ただただひたすらにビビってる僕。

 

 

そして、1通のLINEが。

 

エースのアイコン

 

 

ぎゃっ

 

 

エース「本当ゴメンね。今までありがとう。」

僕「んな事じゃなくて、どういう事なのか説明しろ」

 

エース様は、歌舞伎町で僕のアフターが終わるのを偶然目撃したとの事→それでタクシーで後をつけた→僕が部屋に入ったのを外から見て確認してた→何号室か分からなかったからポストの外側から手紙を漁ってそれっぽい名前の人間を割り出してピンポンしたと供述。

 

 

僕「お前もうプロじゃん」

エース様「あんたが嘘ばかりつくからでしょ」

 

僕「それ昨日も言ってたけど俺は嘘ついてない」

エース様「あんたの存在自体が嘘なんだよ!」

 

 

ああ、話にならない系ね。

もういいや。切ろう。こえーし

 

 

僕「もうお店も来ないでほしい。本当に嫌だ。ここも引っ越す」

エース様「あんたが勝手に決めるな。私には権利がある」

 

なんの権利?こっわ

てかさっきの今までありがとうはなんだったんだ?

 

こんなやりとりを続けても無駄でした。

結果的に僕はこの時、売上が不安定な事もあり、泣く泣くエース様からの条件を呑むことに。

 

・店には今後も行く

・アフターを増やす

・適当に扱わない限り、もう2度と家には絶対行かない(ここムカつく)

 

まだまだホスト3年目。

今思えばあまっちょろい自分に腹が立ちます。

売上を握られるって選択肢がないんだなあ。。。

 

 

結果的に、このエース様には1年近くお世話になるのですが、

最後は「あんたいらない」と呆気なく切られてしまいます。

 

その後は二度と連絡は来ることはありませんでした。裸足で家凸して気が狂いそうなくらい執着してたのに、本当に女性の気持ちは一瞬で変わるのね。

 

 

本当にあった馬鹿みたいな怖い話でした。

皆様もお気をつけください。

以上です!


☆Twitter

https://twitter.com/Keito2018317