カウンター
セツナエース「ブスが」
一気に痺れるホスト達。
僕(またこの女は‥)
マイ「‥?」
立ち止まるマイちゃん。
セツナエース「あ、違いますよ〜!
マイ「私はブスじゃないからwwww」
音速で被せるマイちゃん。
セツナエース「はぁ?意味わかんないんだけど、、ねぇ?」
食い気味のカウンターは予想してなかった様子で、
もちろん周りのホスト達は一言も喋りません。
下を向き気まずそうにしています。
マイ「ブスじゃないでしょ?ww」
なーに言ってんだこいつ、と言わんばかりにケタケタ笑いながら、
No. 1のエースという立場だから、罵ったら怯むと思ってた相手に、
何度だって言いますが、基本的にお客さん同士の煽り合いというのは、
他のホスト指名のお客さんには煽りなどは起こりにくいのです(
マイ「あ、ケイトごめん独り言!帰ろう!」
マイちゃんが僕の手を引っ張ります。
(実はこの件については、僕と先輩Aで一悶着ありましたがそれはまた別の機会で)
エレベーター待ちも、
歌舞伎町、0時過ぎあるあるですね。
面倒臭いので非常階段で降りる事に。
非常階段というのは、先程までの騒がしい店内から一転、
途中ドアの開け閉めでどこかの店のBGMがコマ切れで聞こえてく
何となく落ち着く空間?なので、
僕「俺もう、マイちゃんに来てもらう度にこんな嫌な思いさせて、
マイ「さすがにしつこい!あの子w」
僕「もっと言ってやってもよかったのに!なんだよあの女!」
マイ「あのくらいで黙っちゃって、本当は小心者なんだよ。多分、
僕「ヤバイ奴らだよな」
マイ「本当」
外人がよくやる、"やれやれだぜ"といったジェスチャーを交えて
僕の勝手な想像ですが、
マイちゃんは続けます。
マイ「必要以上に他人にどうこうする人って、
僕「そっか。俺はまだまだ子供だな」
マイ「そうそう。だから、これからも相手にしない事。その辺、
僕「んーまぁな」
若干の嫉妬。
陽介さんが褒められるとちょっと嫉妬する。
マイ「今日も色々やられてたね、ケイトもw」
僕「うん、マジでウザイ。あいつら2人ともキモい」
マイ「キモいのは本当同感」
僕・マイ「ねーー♡」と、
怒りがすーーっと引いていきます。
意思統一
マイ「ケイトは締日の準備できてる?」
この女の子は、ふいに突然、
ピリッとした空気に。
僕「正直言うと、全然準備出来てなくて」
マイ「それじゃあダメじゃん」
僕「いや言いたい事はわかってる。けど最後まで聞いて」
マイ「‥」
僕「全然No. 1になれるような計算はできないけど、
マイ「‥」
僕「まだ時間はある。俺を信じてくれないか?」
マイ「わかった」
短い返答でしたが、マイちゃんはどこか嬉しそうな表情でした。
マイ「セツナ君のエースは毎月あのくらい使ってるの?」
僕「うん?うん、まぁアベレージはあのくらい」
マイ「て、事は今月も結構いい感じに使ってるのね」
僕「多分だけど、3/4くらいまできてるハズ」
マイ「それもっとちゃんと調べといて。
僕「わかった」
マイ「あたしも色々と頑張らないといけない」
僕「ありがとう。そういえばさ、
マイ「普通の仕事だよ。それよりさ」
グイッと話を変えられます。
マイ「もし、ケイトがNo. 1になったらご褒美欲しい」
僕「えっと、、なんですかね??」
マイ「あたしとこんなに喋ってるのに、わからないのー!!
僕「・・・」
マイちゃんが好きなものってなんだ?
なんだ?なんだ?なんだ?
あっ
マイちゃんは旅行マニアで、国内・海外問わず、ヨーロッパくらい
僕「わかった!旅行に行こう!」
マイ「本当?!嬉しいー!!!!!!!」
今日イチの笑顔になるマイちゃん。
なんかこっちも嬉しくなる。
僕「とにかく、俺頑張るから!何回言うんだよって感じだよね」
マイ「あいよー!じゃあ明日は朝早いから今日は帰るね。
僕「わかった!品川は避けるねw」
マイ「当たり前でしょwどんだけ行くねんw」
僕達は、手を繋いでタクシーを拾いにビル下に行きます。
僕「じゃあ今日も本当にありがとう!また連絡するね!」
マイ「ふぅ〜!ホッッスト〜〜!!」
僕「ウザイウザイ」
マイ「チューは?」
僕「あいあい」
照れながらキスをして、タクシーに乗せました。
そして、車が見えなくなるまで手を振り続けました。
「やるぞ!!!」
静かに奮い立つ僕。
歌舞伎町の風景から "一握り"へ。
どんな手を使ってでも、のしあがってやる。
カッコイイとかスマートとかはいらない。
この街で変えてやろうぜ、俺の人生。
歌舞伎町の夜に、ど素人がNo. 1を誓ったのでした
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