イベント前

あの日から、毎日かかさずマイちゃんと連絡を取り合います。


僕「マイちゃん何してるの?」

マイ「なんだっていーじゃん。うるさい」

僕「ショックー!ケイトはショックー!」

マイ「嘘ー仕事中だよ

日々こんなやり取りを繰り返し、カップルかよって感じでした。


マイちゃんにオールコールをしてもらった僕は、売上金額が掃除免除の規定を超えた為、めでたく遅い出勤時間へと変更になりました。

以前の15時出勤から18時出勤に変わり、慌ただしい営業前の時間には、すっかり余裕が出来ていました。

その時間は、数少ない他のお客さんへの連絡に費やすようになります。


でも誰から連絡来ようとも、1番最初の返信はマイちゃんなのです。

マイちゃんからのメールや電話には、いついかなる時も即対応を心掛けていました。

何よりも1番はマイちゃんなのです。


マイ「ケイト!来週の対決イベントって何?」

僕「あーそれは店の中で2チームに分けて売上対決する日だよ」

ほすほすのイベント情報を見たマイちゃんからの問い合わせです。

マイ「くだらないね(笑)チームは決まってるの?」

僕「決まってるよ!」

マイ「ケイトは陽介さんと同じチーム?」

僕「そうだよ!陽介さんはこっちのチームのリーダーだよ」

マイ「そうなんだ!向こうのチームは誰がリーダー?」

僕「セツナさんだよ。」

マイ「ほー!行くわーw」

僕「本当?やったー!!!!!」

マイ「ケイトその日誰か他にお客さん来る?」

僕「いや、まだ予定なくて、、」

マイ「だらしなーい。しょうがないから私が行ってお茶回避してあげる」

僕「ありがとうございます😭

マイ「それまでケイトは1人でも多くお客さんを作りなさい怒」

僕「マイちゃんだけいればいいんだよ。」

マイ「ばーか」

僕「嘘嘘。頑張ってお客さん作る」


No. 1になる為には、マイちゃんだけってワケにはいかないからな。マジで頑張ろう)



不思議なものでホストというのは少し結果が出始めると、なぜかお客さんがつきやすくなります。

マイちゃんに来てもらった次の日から、以前よりも初回の送りがかなり取れるようになっていました。


元々、口下手ではなかったのと、オールコールで妙に自信がついて、良い感じに肩の力が抜けた接客が出来たのかもしれません。


対決イベントは来週の土曜日。


他のお客さんを呼んで、マイちゃんに良いところを見せないといけない。

日々のチャンスを必ず掴もう。


  対決イベント当日

「セツナチームvs陽介チーム」

ホストクラブ特有の売上対決イベントです。

ルールは簡単。

2チーム別で、メンバー全員単日の売上を足して、その額が多い方のチームが勝ち。

勝利チームには北海道旅行34日の旅がプレゼントされます。


すすきのをこよなく愛する陽介さん。


営業前、チーム全体に気合いを入れます。


陽介「俺にとっては今日が締め日だ。絶対勝つぞ。全員ですすきのに行くぞ。」

チーム「はい!!!」

陽介「お前らは今日予定あんのか?」

チーム「はい!!!」

陽介「よし。セツナは俺が倒す。お前らはとにかくお客さん呼んで1円でも多くの売上を上げてくれ。」

チーム「了解しました!!!」

(この人気合い入りすぎだろ。どんだけ、すすきの行きたいんだよ)


この日の陽介さんは、いつものフラフラしたキャラではなく、超キレキレでした。


その証拠にオープン直後から5卓被せて来ました。

チーム対抗イベントなので、陽介さんのヘルプには陽介さんチームしか着けないルールになっています。


内勤もバタバタです。

陽介さんのお客さんは基本的に良いお客さんが多く、被っても何にも言わない良客ばかりです。ですが、ヘルプがつまらないと、露骨に顔に出す人が多かったです。

俗に言う、難しいお客さんってやつです。


ただ、一度気に入られると次回から、物凄く良くしてくれる女の子が多かったんです。

担当と姫は似ていると前から言ってますが、陽介さんもそんな人なんです。


使えるヘルプ認定されると、積極的に自分の卓に着けるよう内勤に指示します。

スタートから5卓被りなので、同伴出来なかったキャストは陽介さん卓にヘルプに入ります。

もちろん僕も。


僕は1発目に陽介さんのエースのヘルプに着く事になりました。名前は、かおりん。

実は、マイちゃんが来てくれたあの日から陽介さんと仲良くなり、ちょいちょいと、このかおりんに僕を紹介してくれていたのです。

基本的にこのエース卓には、店の代表はじめ幹部クラスが多く着く卓なのですが、そこに僕も混ぜてもらえるようになりました。

この卓のヘルプで求められる事、それは

「とにかく全力で振り切る」という事です。

ヘルプの癖にカッコつけたり、酒飲まなかったり、ノリが悪いと一気にご機嫌斜めになります。

使えないヘルプは、「もう抜けていいよ。ありがと」と一方的にお別れの乾杯をチーンとされ強制退場となる卓です(痛いな。全然良客じゃない)

ですが、月200300を使ってくれる女の子なので、店側は細心の注意を払いながら丁重に扱っていました。


かおりん「ケイト同伴しないとダメじゃん」

僕「ゴメンなさい。でも多分そのうち来ます」

かおりん「陽介めちゃくちゃ気合い入ってたから頑張ってよ!どうせすすきの行って風俗行くんだろうけど!」

僕「‥。それはめっちゃ楽しみですねー!!」

かおりん「楽しみじゃないよw素直かw」

うん。入りは順調。

入りが重要だからなヘルプは。

どうやら、かおりんは結構僕を気に入ってくれるらしく、マンツー(11接客)でも楽しくお話してくれます。


そんな卓の様子を、被り卓から見ていた陽介さんが帰って来ました。

陽介「かおり、ケイト場内してよ。俺、今日被りが多いからなかなか帰ってこれないからさ。ケイトも後半予定あるからそれまではいてくれると思うし」

かおりん「OK。わかった。陽介も頑張ってね」

陽介「ありがとう!じゃあケイト場内な!頼むわ」


うお〜ビックリした。


この卓で場内か。責任重大だな。

と、同時に「認められた感」が込み上げ、凄く嬉しく思いました。

陽介さんの卓で場内をいただけるというのは、店の中でも格が上がる一種のステータスみたいなモノでした。

陽介さんが、女の子にヘルプ場内に勧める時は「俺が言ってんだから大丈夫、安心して。このヘルプは良い感じやぞ!」というメッセージが込められています。


僕「かおりん、ありがとう!とにかく、嬉しいです!」

かおりん「陽介褒めてたよー!多分ケイトは売れると思うって言ってたし!私もケイト好きだよー!飲もうー!」


あーなんか報われる〜。

承認欲求を満たしてくれる数少ない卓。

マイちゃんが来るまでとにかく気分良く過ごしてもらおう!!


張り切ってヘルプをしました。

飲めと言われれば喜んで飲み干し、こちらからもグイグイ飲ませ、21時くらいでお互いに結構普通にベロベロな状態です。

その間、店内は陽介さんの独壇場と化していました。オールコールや通常コールが鳴り響き、そのほとんどが陽介さん。

「俺はすすきの行きたいんだ。それだけだ」とコールのコメントで場を盛り上げ(?)ながら、どんどん売上を上げていきます。

(この人、マジで締日仕様だなw にしても、かおりんは今日何かする気なのかな。)

数々のシャンパンコールを終え、どうだ見たかテメェらのような顔をした陽介さんがかおりんの卓に戻ってきました。

この時点で単日の総売り150万(1人で)を超えています。


僕「陽介さんおかえりなさい!凄いですね!」

陽「こっからが本番や!なぁかおり!」

かおりんの頭をグチャグチャってした後、肩に手を回し、陽介さんオハコのイチャ接客が始まりました。

かおりんデレデレ。

陽「良い子にして待ってたのずっと見てたよ。可愛いなあ。ケイトと仲良くやってたのか。偉いな。そういうとこ大好きだぞ。ん?顔見せてみ。赤いやん。もっと赤くしたろか」

かおりん「やめて、、私はいつも良い子だから!キャッキャ」

(うんうん。良かった良かった。とにかく陽介さんが帰ってくるまでの2時間オンリーだったが役目は全う出来た!)


その時。

内勤「ケイトさん!置きで!」

一旦抜けるよう指示を受けます。


陽「お!ケイト!お客さん来たな!がんばろうな!行ってこい!」

かおりん「ケイトがんばってね!」

僕「ありがとうございます!また戻ってきますんで!」

内勤「来客だよ!」

僕「マイちゃんですか?!」

内勤「いや、新規だね」

僕「!!!」

キャッシャーへ向かうと1人の女の子が立ってました。


僕「さとみちゃん!来てくれたの!ありがとう!」

さとみ「来ちゃったー!えへへ!」

僕「嬉しい!行こ行こ!」


  新規を返したぜ

さとみちゃんは、1週間前に初回で送りをもらった女の子です。

彼女は、昼職で普段はOLさんなんです。

今日、マイちゃんが来てくれるとは言え、「1人でも多くのお客さんを作る」というマイちゃんからのミッションに応えるべく、とにかく連絡をマメにしてた女の子です。


ダメ元で営業かけた時は、考えておくとの事でしたが、今回はサプライズで来てくれました。

さとみちゃんは、昼職ながらホストにはちょいちょい通っており、僕が34人目くらいの担当のようでした。

ホストに使うお金は、月10万までって決めてるらしく前もって今日は3万円で抑えてねと言われました。

(とにかく指名1発目が大事だ!絶対に次に繋げるぞ。)


かおりん卓で結構酔っ払っていた僕はいつもの超ハイテンションで接客をしました。


ホストは指名を返すまでが勝負ではありません。指名を返して、2回目・3回目と次に繋げていく事がとても大切です。

最初からガンガンお金を使ってくれる程、甘くはないのです。(マイちゃんは別)

ホストは指名されて割と序盤の方に、この女の子には今後どんな営業方法でいこうかと決めていく事が多いです。


さとみちゃんは昼職。

単価は低いが土日は間違いなく来れる。

10万が予算なら、2週間に1回くらいは来れるかな。ハマってくれればそれ以上になるかもな。

なーんて事を頭の片隅に置きながら接客してました。(僕もこの辺りから段々とホスト脳へとなっていきます)


思っていたよりも、さとみちゃんが自分に対して好意的であると感じていました。

飲み始めて1時間くらいでしょうか。

僕から少し仕掛けます。


僕「さとみちゃん、もう他のホスト行っちゃダメだよ。週末は俺のトコに来てね。」

さとみ「毎週?毎週は無理だよ」

僕「毎週来るんだよ。週末は歌舞伎町で俺と飲み明かすっていうのを、さとみちゃんのルーティンにしよう」

さとみ「安く済ませてくれるなら、頑張る」

僕「月10万以内だっけ?わかった!ちゃんと収めるよ!」

さとみ「それなら毎週来れると思うー!」


この時点でこちらには月10万に収める気はサラサラなく、とにかく毎週来るように約束を取り付ける事が重要でした。

そして接客中の反応を見る限り、ゴリゴリいけばNOと言えないタイプと判断しました。

そして昼職女性の特徴でもある、「約束を守らないと」という真面目な部分を握る事にも成功した模様です。


ホストからすると、このタイプは非常に扱いやすくお客さんにしやすい女の子です。

10万を超える事は分かっていましたが、超えたら超えたで次の手を打てば良いのです。

とにかく、なんでもいいから次へ進める事が新規指名1発目に大事な事でした。

無事に来週土曜日の来店約束を取り付けました。が。


さとみ「今日、終わった後何するの?」

僕「??」

さとみ「ご飯食べに行こうよー!」


おやおや。控えめな女かと思いきや結構ウザイ女じゃないか。


僕「今日は終わった後、先輩と飯行くんだよね。」

さとみ「えー他店のホストは皆んなアフターしてくれたよー」

僕「それは他店のホストの話でしょ?今日は無理だゴメン。」

さとみ「分かったー。じゃあ今度は行こうね」

物分かりのいいタイプなのか、図々しいのか。

そもそもなんで新規1発目でアフター行かないといけないのか。


他店ホストもそれなりに関係値作ってからアフター行ったんだろう。

ましてや今日は、あのマイちゃんが来る日だぞ。マイちゃんがアフター行きたいって言ったらそっちが最優先に決まってるだろう。

お前にその枠はまだ早いんだよ。


と心の中でブツブツ言いながら、丁重にアフターは断りました。(丁重だったか?)


金額でお客さんを分けたりする事はよくないと思いつつも、ホストの世界は使った金額が多い女の子が優先であると思っていました。

この辺りはホスト人生の中で最後まで不変です。


アフターしてほしいならそのポジションを掴みに来いとお客さんに言えるような関係値を作れなければホストで成功するのは無理だと思います。


大前提それでも、お客さんが頑張ろうと思うような魅力的なホストにこちら側もならないといけないのは当たり前ですが。

断じて安売りはしない。

これはアフターも枕も店外もみんな同じです。

段階を踏んで、餌を撒く。

これは僕のやり方だったんだと思います。


さとみちゃんは少し残念そうでしたが、まぁいっかと言わんばかりピッチを上げて飲み始めました。

アフターは無理だが、時間内はめちゃくちゃ楽しませようと改めて気合いを入れて接客を再開しました。

  被り

さとみちゃんとワチャワチャ楽しくやってると1人のヘルプが着きます。


このヘルプはワイワイ系でありながら、かつ薄い人間性が最大の武器であります。


全ての事に深入りせず、女の子が卓で泣きまくるような重たい話の場面でも「よくわかりません」とスルーしまくる冷酷なホストです。


よって、女の子からの担当の愚痴に対しても「あー、なるほどー。うんうん。へーそうなんですかー。大変ですね」と、まだSiriの方がまともなアンサーをくれそうなヘルプです。


さとみ「今日アフターしてくれないんだって!ひどいよね!」

ヘルプ「予定あったんですよね?仕方ないですよ」

さとみ「ひどいwもっと優しくフォローしてよ」

ヘルプ「アフターなんていつでも行けるじゃないですか!来週待ってますよ」


マジ有難いwwww

そして、さとみは蒸し返してくんなwwww

ここまで無感情なヘルプだと逆にやりやすい。

そして何だか2人は良い感じに仲良くなってるし。


そこへ内勤登場。

内勤「ケイトさん!置きで!」

僕「了解です」

ヘルプ「あ!ケイト君、こっちはこっちで上手く丸め込んでおくので頑張ってきてください!」

僕「お客さんの前で言わないでw」

さとみ「マジこのヘルプやばいww」

今となってはあのヘルプはもしかしたら能力値高かったのかもですね。


内勤のトコへ行くとなんか嬉しそう。

僕「なんでしょうか?」

内勤「ケイト!!マイちゃんがいるよ!!待ってたよー!」

僕「よしよし!マイちゃんだ!!テンション上がる!!」

内勤「俺らもテンション上がるよ!マイちゃん可愛いしお前が羨ましいよ!ほらほら1番端っこの大きめの卓空けといたからそこエスコートして!がんばってな!!」

いつの間にかマイちゃんは内勤にも人気でした。

そして入口へ。


  マイマイ到着

マイ「ケイトー!なんで携帯見ないの!」

僕「え?携帯?ゴメン見れてなかった!」

マイ「何回も電話したのに!」

僕「ゴメンちょっとヘルプとか色々やってて、、」

マイ「ヘルプとか??え?お客さん来てるの?」

僕「あー、うん。ゴメン。一応来てる」

マイ「偉いじゃん!凄い凄い!」

僕「ありがとう!」

マイ「じゃあ私帰るね!」


その瞬間、こっそり話を聞いていた内勤がキャッシャーから

内勤「えっ?!?!マジすか?!!!」

とバッと身を乗り出して止めにきました。


マイ「いやいや嘘だよ笑 こわいこわい笑」

内勤「安心しましたー。ケイトさん、早くエスコートを!」

僕「了解!お客様ご来店でーーーす!!!」

その掛け声に合わせて店中のホストが

「いーーーーらっっっっしゃいませーーーーーーー!!!!!!」

とマイちゃんを迎え入れます。


卓に座ると早々に

陽「おあーーー!!!!!マイマイやーん!!!!!!」

マイ「陽介さん!!今日もカッコいいね!!」

陽「ありがとう!マイマイ今日は同じチームだからねー!頼むよー!」

マイ「あーそっかチーム戦だったね。今勝ってるの?」

陽「よう分からんけど多分勝ってる」

マイ「じゃあ助太刀します!」

陽「WOW!!ありがとう!俺のすすきのが近づいてきた!!」

マイ「すすきの行って風俗行くんでしょ!」

陽「イエスイエスイエス!」

マイ「じゃあケイトも風俗連れて行くの?」

陽「あ、いや、、ケイトはそんな所には連れていかないよ。なぁケイト?」

僕「そこで僕に振らないでくださいよ!行かないですよ!」

マイ「はい、茶番茶番。」

ホストに来る女の子達は「社員旅行」的なモノに対して敏感に反応します。

ホストの社員旅行で、健全な観光なんて聞いた事も見た事もねえから仕方ない。

陽「とにかく、楽しんでってよ!マイマイ!」

マイ「うん、ありがとうー!」

マイ「ケイト〜元気だった?」

僕「元気じゃなかったよ。。マイちゃんいないから。。」

マイ「そうだよね〜ごめんね〜」

僕「マイちゃん好きだよ〜」

マイ「あたしもケイト好き〜」

マイ「って、他の客にもやってんの?」

僕「やってません」

気が抜けないんだよこの女は。

僕「それより今日は陽介さんの独壇場だよ」

マイ「なんか締日みたい!楽しい!」

マイちゃんは、静かにしっとり飲むより、どうやら活気のあるガヤガヤした店内を好むようです。

今日は、オープン直後から陽介さんがフィーバーしており、シャンコでもセツナチームを煽りに煽り、なんかこの人のバースデーなのかなってくらい1人でぶち上げています。


後半につれて陽介さんに引っ張られるようにセツナチームもシャンパンをバコバコいれてくるような展開となりました。

マイちゃんが来店してまもなく。

オールコールタイムがやってきました。

店内全消灯。どうやら陽介さんではないようです。

僕「いってきやす」

マイ「はいよーいってらっしゃい!」


  突然始まる戦い

シャンコ隊「いーーよいしょー!!

さぁやってきましたー!スーパーオールタイムだー!!」

(あ、セツナ卓か、、)

シャンコ隊「No. 1セツナさんのテーブルより!なんと!なんと!なんとなんと!!」

「ルイ13世、1発いーーただきましたーー!!!!!!!!」

店内「おおおーー!!!!!!!!」

向こうのチームの大将、セツナが例のエース卓でルイ13世(当時価格150万弱)をかましてきました。

セツナ「マジ最高だわ!ありがとう姫!陽介さんには負けられないよ!」


相変わらずのドヤ顔。

キモい目元。ダサい指輪。中二病。

こいつの何がよくてこの女は指名してるんだろうか。


まだまだ続きます。

セツナ「No. 1として、ダサい格好だけはしたくないので、今日はラッソン取ります!」

シャンコ隊「うぇーーい!!!さすがセツナさん!言う事が!違う!言う事が!凄い!」

(このコールマジダサいな)


高額ボトルへの嫉妬と、彼に対する嫌悪感が入り混じり、終始無愛想な顔でコールをしていました。

長〜いウザコールがやっと終わりマイちゃんの元へ帰卓。


マイ「盛り上がってますねー!」

僕「そうだねー。やっぱりあの2人(セツナ・陽介)は凄いよ。」

マイ「そういえばケイトは今日、シャンパンとか入れてもらったの?」

僕「いやまだ、何も。。」

マイ「うーん。なるほど。。ケイトは私に何かしてほしくないの?」

僕「そりゃあもちろん、何かしてほしいよ!!」

マイ「何かって何よ」

僕「‥。飾りボトルが欲しい!」

マイ「なんで、飾りなの?」

僕「俺、飾りって今まで1回も入れてもらった事ないんだ。」

マイ「飾りなら何でもいいの?」

僕「何でもってワケじゃないけど。」

少しの沈黙。

マイ「飾りは嫌。多分ケイトが欲しがってる飾りと私が想像した飾りは違うと思うから」

僕「そうか。ちなみに何の飾り想像してたの?」

マイ「教えなーい。でさー」

マイちゃんの特徴として、直球でズバッと質問した後、自分が欲しい回答が返ってこないとサッと話を変える癖があります。

(気難しいトコあるのすっかり忘れてたよ僕は。)


  LOまで1時間

いよいよこのイベントも大詰めです。

ここで代表から、現時点での売上差額の発表があります。

トータル売上の発表は女の子が萎える原因となるので、あくまでセツナチームと陽介チームの売上差額のみの発表です。


代表「皆さま!本日もご来店いただきまして誠にありがとうございます!本日の売上対決イベントの中間発表です!!23:00時点の売上差額は、、、85万円でセツナチームがリードしています!!」

セツナチーム「うおおおーー!!!!」

代表「引き続き、最後の最後までお楽しみください!!」

(なんの役にも立ってないな俺は)


マイ「85万円って結構離されてるねー!」

僕「そうだね。俺なんもしてないから何も言えないわ」

マイ「しょうがないなぁ。ケイトもそろそろナンバーが見えてきたでしょ?ちゃんと恥ずかしくないようにしてあげるから

僕「マイちゃーーん!!」


この時の僕は本当にマイちゃんにおんぶに抱っこ状態です。

聖母マリアのようです。


マイ「個人的には、こんな対決イベントなんて超どうでもいいけど、今日来たのは別の理由があるの。ケイトに会いたかったのもあるけど、また別の理由」

僕「え、そうなの?どんな理由?」

マイ「それは、、、」

次回へ続く

(ありきたりな引っ張り方してすいません)