マイ「今日はありがとう。終電で帰ってごめんね。楽しかったよ。声かけてくれてありがとう。メールで言うのもアレなんだけど、、ケイト君をナンバーワンにしてあげる」

その文面を見た瞬間

タバコの火を消し、ピッ!っと立って気をつけをした事を覚えています。

売れてない時代というのは、なぜか不思議と変な女の子が近づいてきます。

言わば、相手に完全に舐められてるというか、上から目線で蔑まされた態度を取られる事が多かったです。

「店に行ってあげるから家に来てよ」

「私他店で月100万使ってるから枕してくれたら、あんたにも考えてあげるよ」

そのおかげで「行く行く詐欺」や「口だけ」の人が大嫌いになったことは言うまでもありません。

しかしそんな誘いには一切乗らず、決して安売りしなかった自分を本当に褒めてあげたいです。

そんな状況でしたが、なぜかマイちゃんの

「ナンバーワンにしてあげる」という言葉は、他の人とは違う信頼性があって、しかもあの独特な掴み所のない雰囲気の女の子が言う簡単なセリフにはどうしても思えなかったんです。

でももちろん100%信じられたかと言えばそうではなかったのも事実です。

僕「え??本当に言ってる??俺、ナンバーにも入ってないんだけど‥No. 1ってマイちゃん1人で?」

と返信。

マイ「うん。私1人で。」

色々混乱する僕。

僕「今、この展開が急すぎて、何て言ったらいいかわからない。」

マイ「だから、私がケイトのエースになるよ。

そしてケイトをNo. 1にする。いい?」

僕「いい?っていいに決まってるじゃん!ていうかめちゃくちゃ嬉しいよ!でもウチのNo. 1結構売れてるんだけど大丈夫かな。。」

マイ「勝てるよ。ケイトと私なら絶対勝てるよ」

僕「なんか行けそうな気がしてきた!ありがとう!」

マイ「また行く時連絡するね。次の土曜日同伴しよ」

僕「かしこまりました!」

今思えば僕自身も恐ろしくピュアでありながら、恐ろしくホストとして未熟者だなと痛感するようなやり取りです。

マイちゃんに終始リードされています。(今思えばマイちゃんもかなり変わった子だった)

正直その時の気持ちは

「俺にもくるのか歌舞伎町ドリーム!この街で奇跡起こすぞ!」

と期待と希望に満ち溢れた感覚であった事はハッキリ覚えてます。

待ちに待った同伴当日

思い起こせば長かった、土曜日までの1週間。

その後も僕は毎日のようにマイちゃんと連絡を取り続けました。

マイちゃんから連絡が返ってこない時は不安で、ガラケーを何度も振って

「電波が悪くて届かないのか?」

と思い、街の中や店の中問わず、基本的に電波の良い場所にいるという謎の奇行をしていました。

マイちゃんから連絡が返ってきた時はとにかく心が躍りました。

たわいもない内容ですら、

「繋がってる事」を確信する度に嬉しく思っていました。

頻繁なやり取りの中から、同伴場所は「水族館に行きたい」「出来れば歌舞伎町と離れた場所がいい」とのリクエスト。

とにかく必死で調べました。

僕も家と歌舞伎町の往復しかなく非常に外に出たかったのもあり、決めた場所はアクアパーク品川。

水族館がある複合施設です。

新宿からは電車で20分くらい。

向こうも「おお!センスいいね!」とご満悦。

ホストとの同伴は基本新宿や池袋などが多い中、あえての品川チョイス。

これが良かった!

とにかく彼女に楽しんでもらいたい、なるべくスマートにエスコートしようと、毎日早起きして、電波の良い場所からガラケーで付近の施設を調べまくりました。

レストランの場所&価格帯、水族館の入館料など、当時金のない僕は電話をかけまくって下調べをしまくりました。

知らないで高い店に入って金足りなかったらマイちゃんに恥かかせちゃうしね

感覚的に、彼女との初デートに近かったと思います。

そして待ちに待った当日

15時に品川駅集合。

僕は14時からスタンバイしてました。

周りから同伴と思われないように、私服を買いました。

おろしたてすぎてシャツには新品の畳ジワがありましたが、気にせず着ていきました。

スーツとワイシャツは前日に店に置いてきました。

周りからホストだとバレないように、自分で髪の毛はセットしてきました。

昔から黒髪〜少し茶色くらいで、一般人より少しチャラいくらいの髪型だったので恐らく一般人に見えたハズです。

が、14時はさすがに早すぎた。

何度もトイレに行って身なりのチェックをしてました。

この時も、電波のいい場所で待機してた事は言うまでもありません。

14:30過ぎ 

(ぶるっ)メールが来ました。

マイ「ごめん、早く着きすぎた。もう品川着くんだけどカフェ入って待ってるね」

僕「もう、いてます!」

マイ「早いね(笑)嬉しい(笑)」

よしよし、最高の滑りだし。

期待と不安を抱えながら、身なりの最終チェックの為、すぐにトイレへ向かいました(6回目)

  歌舞伎町から外の世界へ!アクアパーク品川

マイ「お待たせ!」

僕「こんにちは!」

マイ「こんにちはとか(笑)」

前回、お別れの挨拶を話してる最中にエレベーターを閉められた以来の再会です。

若干緊張はしましたが、店で会ったマイちゃんとは少し雰囲気が違って「女の子らしく」表情も柔らかい印象でした。

凄く感じた事、それは「めちゃくちゃ普通の女の子」って事でした。

マイちゃんは、小柄で背が低い女の子です。

少し明るい髪色で、顔も可愛らしく一般的に見ても普通にモテる感じの女の子です。

なので、歌舞伎町特有の「闇を抱えてそうな雰囲気の人」というジャンルでは全くなかったです。

同伴中はこれでもかというくらい、予定通りに進んで行きました。

カフェ水族館ご飯周辺をブラブラ

下調べって大事ですねw

水族館の良い感じの雰囲気の中、それっぽいホスト的なセリフを言えたら喜ぶのかなーとか思いましたが、そんなものは出てこず。

まぁそこは仕方ないとして、普通に自分も楽しむ事に専念してました。

ただ

同伴中、何をしてても常に気になっていた事。

それは「No. 1にしてあげる」という真理でした。

頻繁なメールのやり取りの中でも、お互いにその件について触れる事なく、今日まで来ました。

もちろん、今のところ触れられる事もなく。

僕の方からそんなこと言ったらこの空気台無しになるかもという不安もあり、とりあえず向こうから何か言ってくるまで待ってようとなりました。

まぁそれよりも終始、マイちゃんが楽しそうで何よりです。それが1番良かった。

同伴も終盤、入店時間が近づいてきました。

これはデートではなく「同伴」なんだと改めて気付かされる瞬間です。

何かを察したのた、マイちゃんの方から「そろそろお店行こっか!」と言ってくれたので、ちょっとホッとしました。

品川駅に向かい、山手線で新宿へ向かってる道中、自然と心臓がバクバクし始めました。

次回へ