私はどこにいるのでしょうか? | 備忘録以上、評論未満。

 

 

今日も暑いなー

 

午後はもっと暑くなりそうだし

 

よし

 

ちょっと早めに飯に行くか

 

と思って支度をし

 

帰りにスーパーに寄って

 

買う物を買ってと

 

あれこれ考えながら

 

外を歩いていると

 

横断歩道の向こう側に

 

一人のおばあちゃん。

 

ちょっと日陰ができた場所に

 

立っていたので

 

ああ、、暑いからなあ

 

と思いながら

 

横を通りすぎようとした

 

まさにそのとき。

 

 

「あの」

 

 

という言葉が聞こえた。

 

 

と思って振り返ると

 

他にだれもいない。

 

おばあちゃんも俺を見ている。

 

 

「はい?」

 

「あの・・」

 

「はい」

 

 

するとおばあちゃん

 

少し間を置いて言った。

 

 

「私はどこにいるのでしょうか?」

 

 

 

!!!

 

 

 

こ、これは。。

 

もしかして

 

最近このあたりでも

 

頻発しているという

 

高齢者の徘徊ってやつ??

 

見た感じは普通だけど

 

認知症の可能性もあるかも。

 

 

「ここは○○っすよ」

 

「ああ、そうでしたか」

 

「はい(おお通じたぜ)」

 

「それは、どこですか?」

 

 

 

むう。。

手ごわい

 

 

 

会話が成立せんぞ。

 

 

「どちらに行かれますか?」

 

「あ・・そうですね」

 

「ん?」

 

「それがわからない」

 

 

なんと。。

 

これはもう

 

あそこに行くしかねえぞ。

 

 

「あのね、駅前に交番があるんで」

 

「え」

 

「交番があります。一緒に行きますか」

 

「ああ、交番」

 

 

戸惑っている。

 

無理に手を引っ張れないし

 

かといって

 

ここに二人で

 

ずっと立ってるわけにもいかない。

 

ここから駅なら

 

年寄りの足でも2分くらい。

 

 

「交番で、まずお話を」

 

 

と言いかけたところで

 

おかあさん!

 

という声が背後から飛んできた。

 

振り返ると

 

 

「なんでここにいるの?」

 

 

 

血相を変えた中年の女性。

 

走ってきたのだろう。

 

息も切れ切れで

 

かなり汗をかいている。

 

 

「改札の前で待っててって言ったでしょ!

 なんでこんなところにいるのよ!」

 

 

かなりの声。

 

通りすぎる人々が

 

私たちを眺めながら歩く。

 

駅。。

 

歩いてきたのか。

 

なにか理由があったのか

 

それともなんとなく・・

 

俺には皆目わからない。

 

しかしこの女性も

 

よく見つけたなあ。

 

走り回ったのだろうか?

 

 

女性が私に

 

「あの・・」と話しかけたので

 

「あ、えー、通りすがりです。

 道を聞かれたんで」

 

と答えると

 

すみませんでしたと言い

 

おばあちゃんの手を引いていった。

 

 

定食屋でお昼を食べながら

 

思った。

 

例えば認知症の家族を持つ方は

 

私がたまたました経験が

 

日常なんだな、と。

 

頭が下がります。