企業の株価が上がる5つの理由 | 備忘録以上、評論未満。

 

 

最近になってNISAを始めた

 

という知人から

 

「株価の変動」について

 

いくつか質問を受けた。

 

あのね

 

金融の専門家じゃないんだがw

 

まあでも知人より

 

ちょっとは詳しいから

 

ということで

 

お昼を食べながら話したことを

 

備忘しておきたい。

 

 

 

国際情勢などで

 

株式市場全体が動くようなことは

 

あえて除くとして

 

個別銘柄の株価が「上がる」のは

 

ざっくりと次の5つ。

 

 

①事業にニュース性があるとき

 

②増配するとき

(※配当金のアップ)

 

③決算が好調なとき

 

④買収されるとき

 

⑤大株主の構成が変わるとき

 

 

事業のニュース性はわかりやすい。

 

バイオ系やエレクトロニクス系が

 

新規事業を軌道に乗せたとか

 

小売り系の新業態店が

 

売り上げを伸ばしているとか

 

投資先の会社がIPOするとか

(※IPO:新規に上場)

 

一流企業(グローバル企業)と

 

新しく取引が決まるとか

 

そういうニュース性=話題性だ。

 

 

増配とか決算の好調は

 

いまさら説明不要だと思うが

 

気をつけたいのは

 

四半期決算や本決算が好調なのに

 

なぜか株式が市場で売られ

 

株価が下がることがある。

 

これが意外と多い。

 

その背景は

 

「決算が好調だから買い手が増える

 買い手が増えれば株価が上がる

 だったらいま売ろう」

 

という既存株主による

 

心理的要因が関係する。

 

そこは頭に置くこと。

 

その逆に決算が不調なときは

 

市場で株がたたき売られたりするが

 

売られるだろうと先回りして

 

大量に買われるケースもある。

 

だから結果的に株価が上がる。

 

すべては心理戦。

 

あるいは株価の暴落を防ぐために

 

企業側が「増配」したりする。

 

普通は好決算での増配だが

 

悪決算でも増配したりするのだ。

 

配当金を上げるので

 

どうか売らないでっていう

 

いわば交換条件として。

 

それでも売られるときは売られる。

 

ああ無情。

 

 

買収されるときに株価が上がるのは

 

わかりやすい背景だろう。

 

一般に企業買収には

 

大きく3つの方法がある。

 

 

「TOB」

相手の株式を市場で買い付けること。

友好的なものと敵対的なものがある。

 

「M&A」

相手を自社に合併(併合)すること。

丸ごとではなく「事業譲渡」もある。

 

「MBO」

経営者らが株主から株式を買うこと。

従業員が参加するケースもある。

 

 

TOBなどが成立すると

 

買収した株式の量にもよるが

 

その銘柄の上場が廃止になったりする。

 

マーケットではよくある話だ。

 

TOBやMBOをするときは

 

一般の金融情報として

 

買収先からアナウンスがある。

 

~円で買いますよと。

 

だからうちの公開買い付けに

 

ぜひ応募してくださいねと。

 

もし応募しなかったらどうなるか

 

という説明は長くなるので

 

ここをご覧あれ。

 

 

 

 

買収には他にも

 

第三者割当増資とか

 

株式交換という方法などがあって

 

その手の情報が公開されたら

 

チェックするといいだろう。

 

「事業譲渡」に関しては

 

事業を買った側よりも

 

事業を売った側の株価が上がる。

 

絶対ではないが

 

その傾向が強いと言わざるを得ない。

 

新しく持ち物が増える企業よりも

 

持ち物が減って身軽になった企業が

 

金融マーケットでは評価されるのだ。

 

資産と考えるか負債と考えるか?

 

そういう心理合戦でもある。

 

 

 

なお

 

買収される側の株価は

 

買収する側が市場で買い集めるので

 

必然的に上昇するが

 

買収する側の株価は下がることも多い。

 

これはさっき書いたとおり

 

「新しく持ち物が増える」ことで

 

その会社への影響を

 

先回りして想像した結果だ。

 

買収するために投資もしている。

 

もちろん既存事業への相乗効果が

 

見込まれると判断すれば

 

株価は上がるし

 

「ああ、カネのムダ遣いだなあ」

 

とマーケットが判断すれば

 

株価は下がる。

 

すべては心理学のなせるワザ。

 

 

 

大株主の構成が変わると

 

株価の変動が激しくなったりもする。

 

最近もあったが

 

「著名人(投資世界で)」

「有名な機関投資家」

 

こういう存在が

 

その会社の株を大量に買い集め

 

その情報が一般公開されると

 

市場がザワつくのだ。

 

・堀江貴文

・井村俊哉

・前澤友作

 

個人の有名な投資家として

 

彼らは常にチェックされる。

 

・ブラックロック

・ゴールドマンサックス

・JPモルガン

・SSBTC

・ノルウェー政府

 

どれも世界的な存在だが

 

こういう名前が

 

新しく大株主として登場したら

 

株価が変動することも多い。

 

日本の上場企業でも

 

総合商社や保険会社や銀行

 

あるいは投資事業で著名な

 

ソフトバンクや光通信の名前が

 

大株主の構成リストに登場すると

 

株価が動くことも多い。

 

 

 

そもそも株式市場には

 

「5%ルール」がある。

 

発行済み株式の5%超を取得すると

 

大量保有報告書を

 

内閣総理大臣に提出するルールだ。

 

 

 

旧村上ファンド系の投資グループや

 

海外の著名な投資ファンドが

 

どこかの上場企業の株式を

 

買い集めて5%を超えると

 

金融機関や個人投資家らが

 

「有望だ」とばかりに飛びつき

 

結果的に株価が上昇したりする。

 

そんな心理的な仕組みを利用して

 

とくに有望でもないのに

 

ある上場企業の株価を上昇させ

(※市場で意図的に買い集めて)

 

個人投資家らが食いつき

 

株価がグーンと上がったところで

 

いきなりバーンと売り抜けるのが

 

「仕手」と呼ばれる手法だ。

 

仕手筋は昔から金融市場に存在し

 

いまもちょくちょく

 

市場で仕手戦を仕掛けている。

 

なんのニュースもないし

 

株価が上がる要素もないのに

 

いきなり株価が急上昇を始める。

 

仕手筋に目をつけられた銘柄は

 

仕手株と呼ばれる。

 

ベテランの投資家は

 

その手の銘柄を見抜く目があるが

 

初心者はなにが起きているかわからず

 

つい仕手株に手を出してしまい

 

大きな含み損を抱えることもある。

 

お気をつけあそばせ。

 

 

 

ついでに書いておくと

 

「自社株買い」

 

株価を上げる要素の一つだが

 

・資金繰りの悪化

・自己資本比率の悪化

 

というデメリットもある。

 

なんでもかんでも

 

買えばいいってモンじゃない。