こうしてアヌンナキ達は核攻撃を行った。

全ては彼らのエゴのせいである。

それはマルドゥクだけのエゴではなく、

ニビルの法では禁じられているマルドゥクの権利を最後まで認めようとしたエンキのエゴ、

人類を最初から快く思っていなかったエンリルのエゴ、

愛するドゥムジの復活を夢見て性的妄想に浸ってしまったイナンナのエゴ、

神々の一員に成りたがった人類のエゴなど、

様々なエゴが重なって、このような事態を引き起こした。
 

 ここまではネルガルとマルドゥクの対立は表立っていなかったが、“罪深い街”という言葉が出る程なので、余程マルドゥクの事を恨みに思っていた。

聖書の中にも、主が言われた言葉として載っている。

 “ソドムとゴモラの罪は非常に重い、と訴える叫びが実に大きい。

私は降って行き、彼らの行跡が、私に届いた叫びの通りかどうか見て確かめよう。”

 この破壊的な任務を担ったのは、ニヌルタとネルガルだった。

聖書では、2人の御使いとして登場する。

つまりアヌンナキは神々であるが、天使でもある。

よってイエスが神々と共に降臨して来た時、聖書の民は神々を天使軍団と勘違いしたのである。

ウツは鷲の翼で飾られ、鷲の紋章を付けていた。

これは天使が背中に羽を付けている原型となった。

 ネルガルがターゲットとした場所は、
聖書ではソドムとゴモラを中心とする地域である。

その場面は次のようにある。

 “シンアルの王アムラフェル、エラサルの王アルヨク、エラムの王ケドルラオメル、

ゴイムの王ティドアルが、ソドムの王ベラ、ゴモラの王ビルシャ、アドマの王シンアブ、

ツェボイムの王シェムエベル、ベラ、即ちツォアルの王と戦った時、これら5人の王は皆、

シディムの谷、即ち塩の海で同盟を結んだ。

彼らは12年間ケドルラオメルに支配されていたが、13年目に背いたのである。
(中略)
 セイルの山地でフリ人を撃ち、荒れ野に近いエル・パランまで進んだ。
(中略)
 そこで、ソドムの王、ゴモラの王、アドマの王、ツェボイムの王、ベラ即ちツォアルの王は兵を繰り出し、シディムの谷で彼らと戦おうと陣を敷いた。

(中略)
 ソドムに住んでいたアブラムの甥
ロトも、財産もろとも連れ去られた。

アブラムがケドルラオメルとその味方の王たちを撃ち破って帰って来た時、ソドムの王はシャベの谷、即ち王の谷まで彼を出迎えた。

いと高き神の祭司であったサレムの王メルキゼデクも、パンとワインを持って来た。

彼はアブラムを祝福して言った。

「天地の造り主、いと高き神にアブラムは祝福されますように。

いと高き神が讃えられますように」

アブラムは全ての物の1/10を彼に贈った。
(中略)
 主は言われた。

ソドムとゴモラの罪は非常に重い、と訴える叫びが実に大きい。

私は降って行き、彼らの行跡が、私に届いた叫びの通りかどうか見て確かめよう」
(中略)
 2人の御使いが夕方ソドムに着いた時、
ロトはソドムの門の所に座っていた。

ロトは彼らを見ると、立ち上がって迎え、地にひれ伏して言った。

「皆様方、どうぞ私の家に立ち寄り、足を洗ってお泊まり下さい。

そして、明日の朝早く起きて出立なさって下さい」

彼らは言った。

「いや、結構です。

私たちはこの広場で夜を過ごします」

しかし、ロトが是非に、と勧めたので、彼らはロトの所に立ち寄ることにし、彼の家を訪ねた。
(中略)
「実は、私たちはこの町を滅ぼしに来たのです。

大きな叫びが主の下に届いたので、主は、この町を滅ぼす為に私たちを遣わされたのです」
(中略)
 主はソドムとゴモラの上に天から、主の下から硫黄の火を降らせ、これらの町と低地一帯を、町の全住民、地の草木もろとも滅ぼした。

ロトの妻は後ろを振り向いたので、塩の柱になった。

アブラムはその朝早く起き、先に主と対面した場所へ行ってソドムとゴモラ、及び低地一帯を見下ろすと、炉の煙のように地面から煙が立ち上っていた。”

 5つの都市がある緑に囲まれた渓谷とは、ソドム、ゴモラ、アドマ、ツェボイム、ベラ(ツォアル)の王たちが同盟を結んだシディムの谷=塩の海(現在の死海付近)である。

そこは、ナブが人々を寝返らせた場所で、イシュクルの領地だった。

よって彼らが12年間支配されていたケドルラオメルとはイシュクルもしくはエンリルのこと、あるいは彼らが任命した王で、ナブによって寝返った事が、13年目に背いた、という表現になっている。

 

 シディムの谷で5人の王が戦いの為に陣を敷いたのは、マルドゥクがさせた事である。

いと高き神の祭司であったサレムの王メルキゼデクは、パンとワインを持って来てアブラムを祝福したが、サレムとはエルサレムの事で、ウツが司令官だった。

つまり、サレムの王メルキゼデクとは、太陽神ウツあるいは彼が任命した王の事である。

ここでも、イエスの象徴である“パンとワインによる祝福”がウツに関連して登場している。
 

 また、“ロトの妻は後ろを振り向いたので、塩の柱になった”という表現では、

“塩の柱”とはヘブライ語で“ネツィブ・メラー”で、

対応する“塩”を意味するシュメール語は“ニ・ムル”だが、

この言葉には“蒸気”という意味もあるから、これは“蒸気の柱”となり、

“蒸気が天に立ち上った”ことを暗示している事になる。

このように、聖書の場面はかなりの創作が見られるが、それが起きたのは地球年で1736年、紀元前2024年の事だった。