皇国民は皇国の手足・胴体

 天皇陛下は人間の身体にたとへたならば頭部であり、

我々は手足、胴体となつて働くべきもので、之が所謂国の身体即ち国体である。

 

外国には国体といふものがない。

 

全部政体といふものを作つて居るのである。


 立憲政体、共和政体、みな持寄合ひ、拵ヘ合ふのであつて、主義の凝塊であり、

別に一つのをなして居らぬのである。

 

此日本の尊い国体を闡明し、

国民一般に解らしめ且つ海外諸国の民衆にも之を悟らしめて其上に皇道経済の実行、

皇道外交の確立をなさねばならないのである。


 茲にこの「皇道経済」といふことに就いて少しく申上るが、

日本に通貨が出来たのは元明天皇の和銅元年で、

その時銀と銅とで和同開珍と云ふ通貨を鋳つたので、

米一石の価銀銭一文なるに至る云々と、我が歴史に出てゐる。

 

故に旅する時は一石の米を用意して行くよりも

銀銭一文を持つて行つたならば到る処で一石の米と換へることが出来る。

 

即ち軽いものを以つて重いものと交換出来るから通貨の価値があつたのである。