皇国伝来の神法４-１

出口王仁三郎全集 第一巻 皇道編 

第三篇 国教論 第三章 皇国伝来の神法

第三章　皇国伝来の神法

　　　（一）

　皇国伝来でんらいの神法たる、帰神きしんの妙法めうはふに就ついて、少すこしく説明を試むる考かんがへでありますが、先決問題として神かみとは如何いかなるものであるかという事ことを、述のべねばなりませぬ。

物質的ぶつしつてき文明にのみ心酔しんすゐせる現代げんだい人は十中ちうの八九まで、神様かみさまと申もうせば、只ただ一言の下に、迷信めいしんだとケナシテ了しまふ癖があります。

宇宙の太霊とか、宇宙の精神せいしんとか、不可思議ふかしぎ力とか、大極とか、真如しんによとか、宇宙の大本体だひほんたいとかいふやうな名称を附つけると迷信めいしんでなくて、神様かみさまといへば迷信めいしんと思おもふ人ひとが、世よの中なかに多おほいやうであります。

併しかし私わたしは神国しんこくに生うまれ、神国しんこくの神かみに仕つかへ、神国しんこくの大君おほきみに仕つかへ奉り、神国しんこくの粟あはを頂戴ちやうだいして居ゐる以上いじやうは、神様かみさまの事ことを神様かみさまと申上まをしあげげても、別べつに迷信めいしんだとは考えませぬ。

　光格天皇かうかくてんのう様さまの御製にも

　　神様かみさまの国くにに生うまれて神様かみさまの道みちがいやなら外国ぐわいこくへ行ゆけ

と仰あふせられて在ります以上いじやうは、飽く迄までも、神様かみさまの御道を遵法いたさねば、日本神国しんこくに安住さして頂いただく資格しかくの無なきものと、堅かたく信しんずるので在りまして、敬神けいしん、尊王そんのう、愛国あいこくの為ために、至聖を日本国家こくかにつくすは日本神民しんみんの天賦てんぷの職責である事ことは、論をまたぬ次第しだいであります。

　日本古来こらいの神かみの称呼には、左の四大別があります。

之これを具体的ぐたいてきに略解すれば、

　　一、幽の幽いうのいう神……霊ひ力ふ体み

　　ニ、幽の顕いうのけん神……世よ出い燃む

　　三、顕の幽けんのいふ神……地成彌凝ななやこ

　　四、顕の顕けんのけん神……足諸地夜出とももちよろづ

と四種に区別くべつがあります。