富裕層といえばどのような資産規模を保有している人・世帯を指すのでしょうか?



現在、我が国においてそのもっとも代表的な定義は、野村総合研究所による純金融資産保有額による区分のようです。



これによれば、


超富裕層:5億円以上(総世帯数シェア0.001%)

富裕層:1億円以上(同2.5%)

準富裕層:5,000万円以上(6%)

アッパーマス層:3,000万円以上(13.4%)

マス層:3,000万円未満(77.8%)


です。



確かに、データが取りやすい金融資産をベースに正規分布を仮定した分布からはそうなるのかもしれませんが、わたしは、そもそもこの分類に強い違和感を覚えています。



まず第一に、果たして純金融資産が1億円の世帯を富裕層と呼べるのかということ。


自宅(不動産)の保有の有無、年収の差異により、生活実感は大きく異なるはずです。


賃貸住宅に住み、無職で定期預金を1億円だけ持っていたとしても、その生活は、富裕層のイメージとは異なるにちがいありません。



第二に、この準富裕層、アッパーマス等とする分類の区分けは、実質的にあまり大差はなく誤差の範囲のように思います。



そして、そもそも、左様に、純金融資産だけで、富裕層云々の豊かさの物差しとして相応しいのかということです。



今は脳内出血によりFIREした身ではありますが、現役の時はバンカーとして多くの金持ちと言われる人々を観てきた立場とすれば、豊かさを測る尺度は、少なくとも、金融資産だけではなく、不動産がより重要であり、単純なストックではなく、無形の権力的なものを含めた、そこから生み出されるフローの寡多と安定性だと認識しています。



わたしが認識する超富裕層は、世帯年間純収入が1.5億円以上


富裕層は、3,000万円以上


準富裕層は、1,500万円以上


アッパーマス層は、750万円以上


マス層は、750万円未満


です。



なお、年間純収入とは、税・社会保障費、費用等を控除し、あくまで実質可処分所得ベースで認識します。




如何でしょうか?