金利と株価について、金利を価値の割引率の概念として用いるDDM(配当割引モデル)の一面から曲解して、単純なシーソー関係(金利が上がったら株価は下がる、金利が下がったら株価は上がる)と誤認している個人投資家が多いように感じます。


確かに短期及び外部資金を用いての売買が中心のトレーダーにとっては、市場参加者の多くがその認識ならばその流れに乗っているのかもしれません。


しかし、本来、株式は、その仕組みとしての性格上、景気がいいと収益性が高まり、逆に景気が悪いと収益性が下がるという大原則があります。


したがって、景気がいいと金利が上がる、景気が悪いと金利が下がるというという債券の根本的大原則を理解していれば、株価と金利は正の関係にあることがわかるはずです(しかし、それぞれ、実態経済よりマーケットは先行する傾向があるので、天底圏では一時的逆相関となります)。



また、金利上昇・下降のトレンドが、実態経済に与える影響を考えてみると、金利が上昇するなら消費・投資を前倒し、急いで行おうという心理が働きます。

一方で、金利が低下するなら、もう少し待っておこうとか、金利が高いうちに消費・投資を抑え、債券購入や預金を行おうということになり、景気を冷やすのです。



高次脳機能障害のリハビリ中である昭和のファンドマネジャーであった私の頭の中の妄想では、17年ぶりに政策金利が上昇に転じた我が国株式市場が爆上がりしていることは、極めて合理的です(実際金利上昇がトレンド的に続いていた間の欧米株の基調は強かったです)。



一方で、ついに金利高止まりから低下が見えてきた欧米の景気・株価の先行きに懸念しています。

いわんや、金利低下局面真っ只中の中国経済が厳しいのはまさに教科書通りです。