長男は部活の大会でおらず、3人で辻井伸行さんのコンサートにいってきた。
感想は、言葉にできない。
圧倒的なうねりが会場全体に届いていた。
映画を何十本も観た気がした。
瞬きができず、コンタクトが乾いてカピカピだ。
きっと聴いている人達も、それぞれの思いの中で聞いていだだろうなぁ。
色彩だったり、匂いだったり、映像だったり。思い出の場面もあるだろう。
音楽についての知識は無いが、今回、辻井伸行さんの演奏を聴き、
こんなにビリビリと全身に響くものなのか、と驚いた。
激情とか優しさとか、勇ましく立ち向かう雄叫びも感じた。
音楽って、本当に心に届くんだなぁと実感した。
辻井伸行さんのCDは何枚かあるけど、うちの安物コンポじゃ聴けない音があるんだろうなぁ。
もっともっと、会場でいろんな演奏を聴いてみたいと思った。
アンコールでは、ショパンのノクターン第20番。
こんなに柔らかい曲だったんだなぁ。細かな音がそのまま耳に届く。
2曲目は、今勉強中で今回初めてコンサートで弾きます、と会場を沸かせた ベートーヴェンの連作歌曲「遥かな恋人に」。6曲から成るリストの編曲のこの曲は、ダイナミックで自由で清々しく、今回1番好きな曲だった。鳥になってる気分だった。
最後に、リストのラ・カンパネラ。ペダルがドシンドシンと響き渡り、気迫を感じる。聴衆も一瞬たりとも気が抜けない素晴らしい演奏だった。
ものすごい体力だなぁ。
帰り道、自転車で走りながらずっとピアノの話をしていた。
次男は何か感じるところがあったみたいだ。