腰上からのオイル漏れを修理したい。とのことで入庫して頂いた.Z1000J。
目視で確認すると、
確かに、オイルラインとなっている4隅のスタッドボルト周辺のベースパッキンが濡れています。
シリンダー背面にもオイルがつたって来ているようですね。
では、分解前にテストランをして、他に不具合が無いか確認します。
始動性は良好、白煙等も特にでず、良好かなと思ったのですが、アイドリングでの振動が大きい。
元々Z系でJ系は暴れん坊な車両で、振動も多少大きいのですが、回転を上げるとおとなしくなります。
これは、何かありそうだな。と注意しながら分解スタートです。
3番のプラグが黒いですね。キャブや、プラグキャップなどの不具合があるのかもしれません。
分解すると、
3番の燃焼室は真っ黒ですね。
ピストンリング下部に焼けがあまり回っていないので、オイル上がりなどのせいではなさそうですね。
ピストンリングを外し、シリンダーを組み付け、上死点を出します。目視では分かりにくいですが、
0.28mm ピストン高さに差があります。
簡易チェックのシャフトを入れても、
#3を入れると、他のコンロッドには入れられません。
クランクシャフトの位相ずれですね。
Z系の輸出モデルでは、クランクの組立精度が低いことと、J、ローソン系は圧縮比も高く、ずれやすい車両でもあります。
こうなると、腰上だけではなく、腰下も分解となり、クランクシャフトのオーバーホールが必要となります。
そして肝心な、オイル漏れの原因究明です。
スタッド部に入れるOリングがつぶれてしまっていますね。
シリンダーセンターOリングがちぎれてしまっています。
純正ではここまでちぎれたりすることはないので、社外品などを使っていたのでしょう。
Z系のウィークポイントでもありますね。Oリング等ゴム類は必ず純正を使いましょう。
そしてお客様に説明、了解をもらったあとで、腰下の分解です。
ミッションは良好
曲がり具合を測定。
あら、曲がっちゃってますね。 すでに72mmのピストンが入っていた事もあり、バルブが突いたりしたことがあるようですね。
お決まりのカムホルダーネジ上がり。J、ローソン系は締め付けトルクが特に高いので、16箇所全てヘリサート加工です
バルブ周りはガイドは交換済みで、ガタも良好だったので、フェースの研磨、軽めのシートカット等をすればバッチリです。
シリンダーはアランスが規定ギリギリだったので73mmにボアアップする事に。
シリンダースタッドボルトは一度外し、オイル漏れ対策をして組み付けます。
クランクシャフトはオーバーホール。
ミッションはドッグが問題ないので、ベアリング、クリップ交換、ラッピング等をしてリフレッシュさせます。
クラッチアウターに少し方が出てきているのですが、嬉しい事に純正部品が出るので、交換です。
クラッチプレート周りは良好。
という事で、メニューが決まりました。
次回は組み付け前の加工等の記事をアップしますので、宜しくお願いします。
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