前回、エンジンのオーバーホール作業をご紹介したS様のW3。
エンジンオーバーホールの作業で外注待ちの時間に
フレームのパウダーコーティングのご依頼も受けました。
フレームをペイントする前にやらなければいけない事が沢山あります。
45年を経過したフレームですのであちこち修正が必要な個所があります。
今回ご依頼されたのはセンタースタンドの取付け部の修正です。
写真を残してなかったのですが、以前に修正された形跡があるのですが
今一つ修繕しきれておりませんでしたので今回改めて補修です。
以前の補修で取付けされたカラーを削り取り、長穴に摩耗してしまった穴を溶接。
センタースタンドシャフトは新品を用意して
慎重に芯だしを行いながら再度穴開けをしていきます。
U-クランク様から教えてもらった補強プレートを作製して
それを溶接します。
Wのメインスタンドシャフトは片側が差込だけですので
そちら側を補強プレートで厚さを増しシャフトとの接触面積を増やします。
メインスタンド本体はU-クランク様に修正と加工を依頼しました。
接地する場所の形状、足をかけるパイプの延長などをして軽くスタンドをかける事が出来ます。
車体を組上げてからになりますが、スタンドを取付けしてみてリヤホイールが浮くか確認
ちょっとスタンドが前に行きすぎて尻もち気味ですので
スタンドとフレームの接触部に当て板をしてリヤホイールが浮くように加工して完成です。
せっかくフレームをパウダーコーティングで仕上げますので
今後補修が必要ないようにしっかりと直させていただきました。
フレーム組み立て時にはステムベアリング交換、スイングアームブッシュ交換は定番です。
首と腰がガタなくスムーズに動くようにするのは新旧問わずバイクにとって重要な作業です。
分解したついで?に前後リム、スポークも新品に交換です。
フロントブレーキが鳴くという事でローター研磨をしました。
取り外したインナーローターですがハブとの接触面までパウダーコーティング仕上げ・・。
私的にはこのまま組むことはできませんので、塗装を剥がして面出しします。
ハブ側も綺麗にしてオイルストーン当てます。
これですっきりしました。
締結面に塗装、ましてや塗膜の厚いパウダーコーティングでは鳴きの原因にもなりますので・・。
ブレーキキャリパーをガンコートで塗装、Fフェンダー再メッキなどなど
その他細かい作業を行いながら車体が組みあがってきました。
とかくオートバイはエンジンの作業に目がいきがちです。
しっかりオーバーホールされたエンジンを支えるのは車体です。
各部がガタなくスムーズに動きしっかり芯の出た車体にすることで
調子の良いエンジンと相まってオートバイを乗る楽しさ、気持ち良さが増すように思います。
その他の作業はまた次回にご紹介いたします。
お楽しみに!!