京都 S様のKAWASAKI W3!!
エンジンオーバーホールやフレームパウダーコーティングなどなどの作業が全て完了。
ついに完成しました。
美しさもさることながら、非常にストレスの無いエンジン、車体に仕上がりました。
この車両に行った作業はWシリーズにお乗りの方には参考になると思いまうすので
作業内容の1部をご紹介しようと思います。
事の発端はオイル漏れ修理で腰上を分解したところから始まります。
シリンダー、ピストン共に傷が多くこのまま使うのも気が引けますので
O/Sピストンにてシリンダーボーリングを行う事に。
しかし、このような細かいひっかき傷の原因を除去しなければ
また同じ事の繰り返しとなるわけです。
サンドブラストで綺麗に仕上げられたエンジンではあるので
メディアの混入も疑われます。長年のスラッジも考えられます。
安心して長く乗る為に、クランクシャフトオーバーホールをすることになりました。
エンジンを下ろしたついでに?フレームの補修とパウダーコーティングも行う事に。
まずはエンジンです。
以前は難しいとされていたWシリーズのクランクシャフトオーバーホールですが
現在は「U-クランク」様がオーバーホールを行ってくれます。U-クランク 植澤内燃機 H/P
バルブ周りも同じくU-クランク様にお願いしてガイド打ち替えバルブ新品にしてもらいました。
ピストンは0.75O/Sピストンでボーリングと共に
フリクション低減、耐久性向上を狙いWPC&MOS2処理を行いました。
WPC処理はいつもの「エヌイー」様です。 エヌイー様 H/P
シリンダーのペイントは放熱性向上を狙いガンコートを採用です。
せっかくO/Hしたクランクを長持ちさせるためには
オイル管理が重要です。
U-クランク製のオイルフィルターキット&オイルクーラーを装着。
オイルパンは定番のファインテックフカイ製ドレン付きに変更です。
Wのエンジンには金網程度のオイルフィルター?しか付いておりません。
カートリッジオイルフィルターを使えるようにする事で
確実にオイル内の異物を取り除く事が出来ます。
エンジン各部の摩耗を最小限に抑える事が出来ると思います。
バルブ、ガイド交換を行ったヘッドを取付けしてひと段落です。
クランクケース、シリンダーヘッドはウエットブラストにて綺麗に仕上げてます。
大きな作業は以上ですが、細かい作業はその他にもたくさん行っております。
ガバナーのオーバーホール。こちらもU-クランク様にお願いしました。
クラッチプレート交換時、ハウジングの段付き修正。
製造から45年を超えてきておりますので
何処を開けても悩ましい状態なのは仕方ありません・・・。
しかし、昨今Wシリーズを取り巻く状況は非常に良くなってきており
以前は不可能と言われていたクランクのオーバーホールも可能になりました。
オーナーズクラブの皆様のおかげで部品の供給も非常に良いです。
各種表面処理も2輪車へ行う事が出来るようになってきております。
エンジンオーバーホールを行うには今が最適な状況かもしれませんね。
Wシリーズにお乗りでお困りの方は一度ご相談ください。
次回は車体の作業のご紹介をいたします。
お楽しみに!