うちには、いたずら好きな小人が住んでいる。

姿を見たことはないが、きっといるに違いない。

 

先日は、「オイスターソース行方不明事件」が起きた。

ピーマンにタケノコ、牛肉を細く切って、チンジャオロースを作ろうとして、さあ、味付けだという時に、オイスターソースが見つからない。その前の日に、スーパーで「随分小さなびんになったのね」と思いながら買った覚えがあるので、絶対家の中にはあるはずだ。

冷蔵庫に入れた記憶がある。小さなびんは冷蔵庫の一番上の棚に置くので、てっきりそこにあると思ったのに、無い。買い忘れた?今回に限って、それはない。

主役の調味料なしでは、なんとか食べられるものはできるが「これはなんて言う料理?」なんて聞かれてしまう。深呼吸をして、もう一度冷蔵庫の中を確認すると、ドアポケットのなかにおとなしくたたずんでいた。さっきも見たんだけどなぁ~。

 

さっきは、「ジパングクラブ」の会員手帳に、前の手帳からはがした写真を貼っていた。夫の写真も見たような気がするのだが、なぜか見当たらないのだ。急を要する訳ではないが、さっきあったものが見当たらなくなったことが不思議で仕方がない。

きっと小人のしわざだ。

 

見当たらないといえば、お隣さんは、二階のベランダにおいておいたものがいくつかなくなって、首をかしげていると思う。それについては、隣人の私は犯行現場を目撃している。

全身黒ずくめの大柄なヤツが、ベランダをうろうろしているので、怪しいと思い、木の陰から見張っていた。最近の窃盗犯も、万引き犯も、殺人犯も黒が好きらしいが、黒がトレンドなのだろうか。もっとも、夕べTVで見た窃盗犯はピンクの上着を着ていたから、黒=犯罪者という発想は危険だ。

 

家の中には住人がいるかもしれないのに、ずいぶん大胆なヤツだと思ったら、何かをくわえて飛び去った。それだけだったら、初犯だし、見逃そうと思ったのだが、その後、少なくとも2回は戻ってきてくわえていった。

 

ベランダには何が置いてあったのだろう?今はそれが一番知りたい。