自宅で収穫できる野菜は、できるだけ買わないようにしている。

とはいうものの、キャベツやきゅうり、トマトや玉ねぎなど日常使う野菜はそういう訳にはいかないが、山菜は、食べても食べなくてもいいものなので、買ってまで食べようとは思わない。

 

かといって、山菜は山にとりに行っても必ず採れるわけでないので、わが家では一枚の小さな畑を山菜畑として、こごみや行者にんにくを植えてある。ふきのとうもそこに生えてくる。

山菜の中でも、わが家で人気ナンバーワンのタラの芽は、休耕田の畑の土手に生えてきたので、そこから採っている。芽を全部とってしまうと、枯れてしまうのである程度は残しておくのだが、数年たつとほとんどのものは枯れてしまう。でも、不思議と他の場所からタラの木がでてくる。明らかに個人の所有地の中なので、人にとられることはないが、道端にあるタラの芽は、自分が残しても、他の人に採られるのだからと全部とられてしまい、あっという間に枯れてしまう。だから、かなり山に詳しい人でないと、自然の中で育ったタラの芽は採れない。

 

信州新町の道の駅では、4月の中旬ごろ、店頭に山菜がたくさん出ていて「今年は早くて、GWまでには終わってしまう」と道の駅に品物を持ってくる農家のおじさんが言っていた。

ところが、わが家のタラの芽は夫が採るのを忘れていて、昨日初めて採ってきた。

とても初物とは思えない大きさ。

でも、夫は毎日畑に行って、野菜の植え付けをしていたので忙しかったのだ。

毎日家にいた私はとても文句を言える立場ではない。

そして、最近は雨の日もあったりしたので、思ったよりは柔らかくて、天ぷらにしたら下の方もおいしく食べられた。「やっぱり、初物はおいしいね」と言いながら。

 

ところが、食べきれなかった分を今日、また天ぷらにしたら、下の方は筋っぽくて美味しくなかった。たった、一日なのに。

 

ところで、夫と私にとっての初物のタラの芽とふきのとうの天ぷらは3月に、にっぽん丸で海の上でいただいたのだった。二人とも、忘れたふりをしていたが、多分夫も覚えていると思う。