友人Aは、58歳の時、股関節の痛みがひどくなり、60歳の定年を待たずに退職した。そして、それまでは夫の親が建てた古い家に住んでいたのだが、退職金とそれまでの貯金を使って前の家よりも便利な場所に土地を買って、新しい家を建てた。

 

退職した年は、まだ年金が支給されないので、かなり大変だったようだ。

前年の所得を基準とする住民税は払わなければいけないし、新しい家の固定資産税は払う必要があるし、夫はまったく生活レベルを落とそうとはしてくれないし・・・。田舎にしては高い給料をもらっていた時に入った生命保険料も払わなければいけないし。

夫は若い頃に会社をやめて、家で自家用のお米や野菜を作っていたので、ほぼ収入はなかった。入ってくるお金はないのに、出るお金はあるので、減っていく貯金にすごく不安だっと思う。

 

60歳から職域部分の年金をもらえたのだが、その一年前には「わたしんち、私が65歳くらいになったら自己破産するかもしれない。退職金だって一千万も残っていないんだよ。」と、会うたびにお金の心配をしていた。

 

でも、ローンがあるわけでもなし、息子たちは独立しているし、夫と旅行なんて頼まれても断ると言っているA子に私たちは「58歳まで正規で働いてきたあなたが、自己破産するんだったら、世の中の8割は自己破産よ。」と言っていた。

 

世の中の人は収入が少なければ、それなりに支出は押さえて、なんとかしているのだ。

 

その後A子は両方の股関節の手術をしたり、ほかの手術を二つした。私達よりずっと高額な医療保険に入っていたので、かなり沢山の保険金を受け取ったと言っていた。税金の面でも身体障がい者手帳をもらったことで、障がい者控除を受けるようになり非課税世帯となっているという。

 

国民年金の夫の分と合わせると、多分月、25万円を超える金額を今は受け取っているはず。冷静になって、自分の受け取り額を計算すれば、「自己破産」なんて言葉、出てこないはずなんだけどなぁ~。でも、70歳の現在、足は少し不自由だけど、元気で暮らしている。

ねっ、大丈夫だったでしょ。、