年金制度って何年に一度見直しがされたりするので、自分の受け取っている年金については理解できても、他人の年金のことはほんとわからない。

 

若いころ、友人たちとの合言葉は「年金受給権を獲得するまでは働こうね!」だった。

そう、25年働き続けなければ年金受給権が得られず、それ未満の場合は一時金で支払われたような気がする。

 

幸い、5人とも地元で結婚したので、義理の家族の助けを借りながら共働きを続けた。

子育てには人手が必要なので、助かった。そりゃ価値観の違う世代との同居はげんなりすることも多々あったが、昼間働きに外に出ているとストレスを発散する場所もあり、自分の内にため込まないで済んだ。また、子どもたちも留守の家に帰ることもなく、寂しくはなかったと思う。

 

60歳が定年だったが、定年になるころには再任用制度も始まっていた。でも、ゴールを60歳と思い働き続けたので、それ以上働く気力は残っていなかった。

 

退職した時から職域の年金をもらい、65歳になってからは老齢年金を加えて受け取っている。まだ70歳にはなっていないが、今までもらった年金額は1800万弱になる。

少し年上の夫の分と合わせると3000万円を超える。

もちろん高い保険料を納めてはきたが、そんなには払っていないような気がする。

 

今は年金の受け取り方に幅ができて、受け取る年齢を上げると年金が割増しになるそうだ。仕事を続けられる人は細々でも仕事を続け、年金は70歳過ぎに受け取るのもいいだろう。でも、お金を使って楽しむパワーは歳と共に少なくなる。70歳過ぎから受け取るつもりの人が69歳で亡くなってしまったら、(やしなうべき遺族がいない女性の場合は)年金は一円も受け取れない。

 

退職後の遊び友達として一番気が合うと思っていた友は60歳の11月に病が原因でこの世を去った。楽しみにしていた年金を受け取ったのはたった2回だけだった。

 

年金の繰り上げ、繰り下げを決めるにはギャンブラーの覚悟が必要だ。