トピカルなので

ゴーン逃亡を引き続き題材にして

英語の勉強をしてみようと思う。

 

 

全文をコピーすると

著作権の侵害になるので、

一部の文章を抜き出して、

語彙力を磨く題材としたい。

 

 

リンクをクリックして、

原文を見ながら

こちらの記事を読んでくれると

参考になると思う。

 

 

Financial Timesが1月2日に掲載した社説は

さすが、Financial Times!

他社とはかなり違った視点である。

 

ヘッドラインは

Carlos Ghosn is just the latest CEO to skip out in style

Some even pretend to be dead to sap the resolve of would-be pursuers

 

 

カルロス・ゴーン、優雅な脱走を決行したCEO達の仲間入り

中には追跡者のやる気を削ぐために死んだふりをする脱走CEOもいる

 

 

 

Financial Timesは The Economistと並ぶ、

ネイティブでも難しいと感じる

難度の高い語彙を多用する新聞である。

 

あの、サーモンピンクの新聞を持っているだけで

知能指数が上がったような気がして

人目に付く飛行機の中などに

持ち込む「エグゼキュティブになりたい」人たちも

決して少なくない。

 

 

さて、くだんの社説だが、

トップの写真が2017年にギリシャ行きの、

こちらはプライベートジェットではなく、

普通のコマーシャルなフライトに乗ったとされる

ビットコイン詐欺でアメリカ当局に追われている

ルーヤ・イグナトーヴァなのが面白い。

 

出典:Financial Times: https://www.ft.com/content/d63d2d2a-2bd2-11ea-bc77-65e4aa615551

 

ヘッドラインがゴーンなのに、

写真はイグナトーヴァだ。

 

 

さて、本文の一部を見てみよう。

特に最初のパラグラフが秀逸だ。


「Carlos Ghosn is accused of a big fiddle in Japan. 」

カルロス・ゴーンは日本では巨額の不正を働いた人だということになっている。

 

(注:fiddleは楽器ではなく、ここでは「詐欺、相手を騙してお金を取ること、不正にお金を得ること」の意味)

 

 

「しかし、彼の脱走にダブルベースは登場しない。

残念だ。

彼が楽器ケースの中に隠れていた

という事実があったならば、

今回の大胆な動きの中で

間違いなく

一番面白いディテールになったのに。」

 

 

ここで、先のfiddleにはバイオリンという意味があることに掛けて、

似たような楽器であるダブルベースを

持ってくるところに作者の遊びがある。

 

そして、Financial Timesを難解だと言わせるのは

 

piquant という言葉を類似語の  

fascinating, intriguiging, interesting ではなく

選んだこと。

 

さらには

flitも、

move, dash, dance という表現ではなく

使われているあたり。

 

audaciousはまだ

piquantやflitに比べれば

使用頻度の高い言葉だろう。

 

 

日経などの社説には

「残念だ」と、

皮肉交じりに書かれることは

あまりない。

 

この辺りはとても

英国的だと言えるのかもしれない。

 

親会社の日経よりも

はるかにシニカルだ。

 

 

さらには

記事の中に、

 

今回の脱出劇を計画・実行した

安全保障会社は

今後は提供しているサービスの中に

executive outplacementも明記するべきだ

と、ある。

 

executive placementは

ヘッドハンターが

CEOやCOO、CFOなどの

エグゼキュティブを採用する手助けをすること。

 

今回の脱出を

それに掛けて、

outplacementとしている。

 

 

楽器のテーマは

さらに続き、

 

中盤では

「しかしながら、

ゴーンがダブルベースに化けて

脱出するなんて

ありえない。

 

ダブルベースは

主旋律を奏でる楽器ではない。

 

ゴーンは主演であることに慣れている。

 

ならば楽器の中に隠れるのであれば

コンサートで使われるグランドピアノ、

ベーセンドルファーかスタインウェイだろう。

 

彼はトルコまでは

プライベートジェットで行ったらしい。

 

セレブな逃亡者なら

当然だろう。」 

 

と、記載している。

 

 

最後は

「国外逃亡したエグゼキュティブは

ホームグラウンドで原告と対決してこそ

膜を引くことができるのだ。

 

それには勇気(guts)が必要だ。

逃げるのに必要なのは

神経の図太さ(nerve)だけだ。

 

前例としてあげた人たちの中には

帰国して(戻って)

速やかに服役した人たちがいる。

 

それを見れば、

ゴーンがレバノンでおとなしくしようというのも

理解できる。」

 

と、かなり挑発的だ。

 

 

間接的に

ゴーンの逃亡を

「卑怯だ」「臆病者のすることだ」

と、避難している。

 

ある意味、

日経や

日本の各氏が言いたいことを

Financial Timesが代弁してくれている、

とも取れる。