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潜水服はモスラの夢を見る

主に映画の感想を語るブログです。

*本記事は2018年3月7日にyahooブログに投稿したものです。yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに転載しました。

ブラックパンサー

 

制作国:アメリカ(2018)

監督:ライアン・クーグラー

脚本:ジャック・カービー、ライアン・クーグラー、ジョー・ロバート・コール

出演:チャドイック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン 他

 

あらすじ:南アフリカにあるワカンダ国の王子ティ・チャラは、ワカンダで王家のために栽培される特別なハーブの力によって超人的な能力を得た守護者=ブラックパンサーである。ワカンダは対外的には発展途上国だが、実は宇宙から来た特別な鉱物、ヴィブラニウムを使って世界で最も科学技術を発展させた国である。ヴィブラニウムを狙った他国からの侵略を恐れて、ワカンダは自国の科学技術を秘密にし続けていた。先王が死去したためティ・チャラはワカンダの王に即位する。時を同じくしてイギリスの博物館からワカンダ由来のヴィブラニウムが盗まれる事件が起きる。

 

評価:★★★★★(星5つ)

傑作を作り続けるマーベルですが、今回も期待通り安心して楽しめる作品でした。

 

*ここからネタバレ含みます

 

 

 

ネタバレ:ティ・チャラは元恋人のナキア(ルビタ・ニョンゴ)らの協力もあって、ヴィブラニウムを盗んだクロウ(アンディ・サーキス)を捕える。CIAのロス捜査官(マーティン・フリーマン)と共にクロウを尋問するが、その最中にクロウの仲間から襲撃を受ける。ティ・チャラは襲撃してきたグループの中に、自分の父親の指輪と同じ指輪を持つ男がいることに気付く。ナキアを庇ったロス捜査官が深手を負ったため、ティ・チャラは自国の医療技術でロスを救う決意をする。

 

ワカンダに帰国したティ・チャラは、先王に仕えたズリ(フォレスト・ウィテカー)を問いただす。ズリはしぶしぶ、ティ・チャラの父ティ・チャカ(ジョン・カニ)が、アメリカに駐在していた実弟がワカンダを裏切ったため止むを得ず彼を殺めたこと、その事実を隠ぺいするために、何も告げずに彼の息子をアメリカに置き去りにしてきたことを白状する。

 

その頃、ワカンダに一人の男が入国してくる。彼こそがかつてアメリカに置き去りにされたティ・チャラの従弟、エルリック・“キルモンガー”・スティーヴンス(マイケル・B・ジョーダン)だった。キルモンガーは自身の血筋から王位の継承の権利を主張し、ティ・チャラとの決闘を行うことになる。ティ・チャラは決闘に敗れて滝つぼに落ちるが、ワカンダ王家と対立するジャバリ族によって助けられる。

 

ナキアやロス、そしてジャバリ族の協力を得て、ティ・チャラは再びキルモンガーと対決して彼を撃破し、王国を取り戻す。自身の先祖の過ちを正すため、ティ・チャラは自国の資源と技術を他国と分かち合う声明を発表する。

 

 

感想

ティ・チャカは『シビル・ウォー』のときにはあまり表情のないキャラクターでしたが、今作では妹のシュリと会話する場面では王ではなく、兄としてのティ・チャラが描かれていてキャラクターの奥行が広がったような気がします。

 

愛国者であり国を率いる立場でもある人物が、自国の負の側面と向き合う、というのは同じマーベルのキャプテンアメリカっぽいな、と思いました。

 

マーティン・フリーマン演じるロス捜査官は、もうザ・マーティン・フリーマンキャラでした。『シャーロック』のワトソン、『ホビットシリーズ』のビルボのような、超人的力を持つ人の傍にいる凡人、でも超人に引けを取らない勇気を持っている、というキャラクターにマーティン・フリーマンははまりますね。

 

今回の話で、ロス捜査官は脊髄損傷を負ったのをワカンダで治療されましたが、『シビルウォー』同じように脊髄に損傷を負ったローディー=ウォーマシーンが、今後ワカンダの技術で治療を受けるのかもしれません。

 

一つだけ気になったのが、ティ・チャラがキルモンガーと決闘するくだりです。正直これだけ文明の進んだ国で、王位の決め方が決闘…ってよく考えると非常に不自然だと思います。映画全体としてすごく黒人をフィーチャーした映画ですが、アフリカにはこういう野蛮な風習がありそうだよね、という作り手側の前提を何となく感じてしまうシーンでした。決闘の最中に近衛隊の人たちがティ・チャラを庇ってフルボッコにすれば(ヒーロー映画にあるまじきことだけど)、特に何も大変なことにならずに済んだんじゃないかと思ったり…。ただ、物語の序盤で、決闘で王位を決めるという風習は、ほとんど廃れたものなのだけど一応ギリギリ法的な効力がある、ということを示しているので、観ている間はそれほど違和感なく観れてしまったのも事実でした。

 

総じて、これだけ作品を作っておいて大外しのないマーベルの凄さを改めて感じる作品でした。次の『インフィニティ―・ウォー』も楽しみです。