*本記事は2018年3月18日にyahooブログに投稿したものです。yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに転載しました。
シェイプ・オブ・ウォーター
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制作国:アメリカ(2018)
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー
出演;サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン 他
あらすじ:1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼(ダグ・ジョーンズ)”の特異な姿に心惹かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。(yahoo映画より)
評価:★★★★☆
『人魚姫』や『美女と野獣』がモチーフになっているようですが、私は孤独な人と異形のものが心を通わせるという意味で、映画『フリーウイリー』を連想しました。
デル・トロの作品というとホラーのイメージが強いので、ホラーが大の苦手の私は結構心配だったのですが、普通に観ることができました。障害者、ゲイ、黒人、ユダヤ人と徹底的にマイノリティが活躍する話で、そこにメキシコからの移民であるデル・トロの意地を感じます。しかしその一方で悪役を一手に引き受けるストリックランドの悲哀の部分もきちんと描いていて、フェアなバランスに仕上がっていたと思います。
全編にわたって青緑を基調とした神秘的な画と音楽が印象的な作品です。
*以下ネタバレです。
ネタバレ:“彼”を殺すことに反対するホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)や隣人であるゲイの画家ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)らの助けを得て、イライザは“彼”を助けて自宅に連れてくることに成功。しかし、幸せな日々も束の間、警備責任者のストリックランド(マイケル・シャノン)に“彼”を匿っていることがバレてしまいます。イライザは彼を海に逃がすため桟橋へ向かいますが、ストリックランドに追いつかれて銃殺されてしまいます。”彼”はストリックランドの喉を切り裂き、イライザの亡骸を抱いて海に飛び込みます。”彼”の不思議な力でイライザの首にあった傷がえらになり、イライザは水の中で息を吹き返して二人は抱き合うのでした。
感想:さすがにアカデミー賞作品賞ということで面白かったです。唯一気になった点は”彼”はこれだけ貴重な生き物であるにも関わらず、割と研究員が彼の水槽の周辺から不在になっている時間が長いこと。お話の展開上、そういう時間がないと“彼”とイライザの二人きりの時間がないのはわかるのですが、やっぱり違和感がありました。
後これは完全に個人の好みのレベルの話ですが、ユダヤ系の博士であるホフステトラーにはもうちょっと幸せな結末を用意して欲しかったなと…。実は彼はソ連のスパイでもあるのですが、ソ連側の命令に背いたため銃で撃たれてしまうのです。「あんなに神秘的で美しい生き物を殺せない」と明言し、自分の立場よりも科学者としての信念を優先する熱いキャラクターで、個人的に劇中で一番感情移入できる人物だったのですが(涙)。ただ、彼はその信念故に”彼”を逃がすときに殺人を犯してしまいますし、それに対してあまり後悔することも無いキャラクターなので、彼が迎える結末はそれに対するペナルティなのかもしれません。 |
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