*本記事は2018年5月2日にyahooブログに投稿したものです。yahooブログ閉鎖に伴こちらに転載しました。
アニメゴジラ三部作の前日談の第2章(わかりにくい
)の『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』を読みました。
第1章の『怪獣黙示録』は映画本編にゴジラ以外の怪獣が出ない分のサービスだったのか、各章で様々な怪獣が登場しました。ただ、逆に言うととにかくひたすら怪獣の紹介が続くだけの話なので、良くできた二次創作という感じも否めませんでした。
これに対して第2章はゴジラの出現に対し、人類がどう考えてどう対応しどう追い詰められていくかが、前作より明確に描かれているように思います。
*ここからネタバレです
◆あらすじ
ゴジラが数年に渡って姿を消す。人類はその間に復興を進めるが新たに妖星ゴラスが地球に衝突する危機が迫る。地球連合政府は妖星ゴラスの衝突を避けられないことに備えて宇宙への脱出計画を進める。しかし2042年、再び姿を現したゴジラは熱戦で妖星ゴラスを破壊する。
ゴジラの再出現を受けて地球連合政府は対ゴジラ兵器としてメカゴジラを建造する計画「プロジェクト・メカゴジラ」を開始する。それに伴ってメカゴジラの建造にかかる5年の間、メカゴジラを建造している日本の富士山麓にゴジラを近づけないようにするため、ゴジラをユーラシア大陸に釘づけにする作戦「オペレーション・ロングマーチ」「オペレーション・グレートウォール」を実行する。
多大な犠牲を払ったにも関わらず、2つの作戦は失敗に終わり、人類はメカゴジラを破棄せざるを得なくなる。
2048年3月14日に(アニメの主人公ハルオが乗った船)アラトラム号が宇宙へと旅立つ。その後の7月31日、ゴジラがコロンビアのブウェナベントラを襲撃した際にモスラが現れてゴジラを追い払う。モスラを神とあがめるモスラの民は地球連合政府にモスラの卵の保護を依頼する。モスラの卵は日本に保管されることになった。
◆感想
今作の上手いなと思うところは「なぜそうなってしまったのか」ということのロジックが明確だというところです。
例えばメカゴジラの建造が遅れた要因として、妖星ゴラスに対抗するためだった地球脱出計画がゴジラに対する恐怖ゆえに生き残ってしまい、メカゴジラを作る計画を同時並行で進めてしまったことで資源が分散されてしまった、ということが語られています。また、メカゴジラに多くの物的、人的資源を投入しなくてはならなくなったことでゴジラを引き付けておく人々=ユーラシア大陸で戦う人々は極めて限られた資源での戦いを余儀なくされ、少年兵を囮に使ったり特攻に近い攻撃をしなくてはならなかったりするなどの悲惨な状況が語られます。そんな状況の中でビルサルドの合理主義とエクシフの他者への奉仕の精神が「人類全体を守るための安易な個人の犠牲」に繋がってしまうという、宇宙人の考え方のダークサイドも見え隠れしてきます。
おもしろかったのはガイガンを正義の味方として描いたところですね。サイボーグ怪獣という設定をこの世界観で上手く活かしてきたなと思いました。
何より嬉しかったのはついにモスラが出て来てくれたことです。ただ正直、こんなに強いならもうちょっと人類が追い詰められる前に出てきて戦ってくれとは思いましたが
アニメ版にもつながる設定としてこの小説で分かったことには以下のような点があるかと思います。
①ハルオの両親は実は死んでなかった
アニメでは空港に向かうバスに乗っていたところをゴジラの熱戦に吹き飛ばされて死んだことになっていましたが、今作で実はハルオの両親はそのバスに乗り遅れていて一命を取りとめていたことがわかります。
②モスラの鱗粉にはゴジラのシールドを乱す力がある
物語のクライマックスでモスラが登場し、鱗粉でゴジラの熱戦を乱反射させる場面が描かれます。その際に、モスラの鱗粉にはゴジラのシールドを乱す力があることが示唆されます。
③新たな卵はモスラとバトラとの間の子
これが今作一番の衝撃でした。モスラとバトラがつがいであるというのが今作の設定のようです。ラストで日本に運ばれる卵はモスラとバトラの間に生まれた卵であることが明示されています。恐らく今度のアニメで出てくるのはこの卵でしょうから、生まれてくるのはバトラとのハイブリットモスラ?ということでしょうか。デザインどうなっちゃうんでしょう