*この記事は2018年7月15日にyahooブログに掲載したものです。yahooブログ閉鎖に伴いこちらに転載しました。
ジュラシック・ワールド 炎の王国
制作国:アメリカ(2018)
上映時間:128分
監督:J.A.バヨナ
脚本:デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
出演:クリス・プラッド、ブライス・ダラス・ハワード 他
あらすじ
ハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れ、恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られていた。そんな中、恐竜行動学のエキスパートのオーウェン(クリス・プラッド)はテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)とともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。
評価:★★★★☆
◆感想(ネタバレなし)
前作の『ジュラシック・ワールド』は個人的に『ジュラシック・パーク』シリーズよりも好きな作品です。これは私が恐竜が好きだからだと思うのですが『ジュラシック・ワールド』では恐竜達を人間の味方ではないけど、人間が造った恐竜と対比して正当な存在として描いてくれたところがとても良かったと思うのです。ラストで歴史の中に実在した恐竜であるティラノサウルスとヴェロキラプトルとモササウルスの活躍で、人造恐竜のインドミナスレックスを退治する展開は、ジュラシック・パークにはなかった痛快さがありました。
今作は監督が『怪物はささやく』のJ.A.バヨナということで非常に期待していたのですが、その期待通りの観たかった続編を作ってくれたと思います。
以下ネタバレです
◆ネタバレ
恐竜を島から救い出す計画は、スポンサーであるイーライ・ミルズ(レイフ・スポール)の陰謀であることがわかる。ミルズは自身が仕えるロックウッド家の屋敷の地下に研究室を作っていた。ミルズの目的は一つは恐竜達を競売に出して大金を得ること。もうひとつはインドミナスレックスとヴェロキラプトルを掛け合わせて作った新種の恐竜インドラプトルを軍事利用するために、オーウェンの研究とブルーを利用することだった。
島を脱出したオーウェンとクレアはロックウッド亭に向かい、クローン技術で生まれたロックウッド家の孫娘であるメイジーと出会う。メイジーからインドラプトルの存在を聞かされたオーウェンは、パキケファロサウルスをけしかけて混乱を引き起こし、インドラプトルのオークションを中止させることに成功する。しかし、傭兵隊長のウィートリー(デッド・レビン)がインドラプトル檻を開けてしまったため、インドラプトルが屋敷内に出てきてしまう。
オーウェンはインドラプトルと交戦し、絶対絶命のピンチに陥るが、そこにブルーが表れてインドラプトルと戦い始める。結局オーウェン、クレア、ブルーの連携でインドラプトルを倒すことに成功する。
ロックウッド亭の地下では有毒ガスが充満し、捕らえられた恐竜達が苦しんでいた。助けるためには屋外に通じるドアを開け放つしかないが、そうなれば街中に恐竜を解き放つことになってしまう。クレアは恐竜を見殺しにする苦渋の決断を下すが、同じクローンであるメイジーは恐竜を見捨てられずドアを開け放つ。自由の身になった恐竜達は外へと飛び出して行った。ブルーもまたオーウェンに別れをつげて走り去っていく。こうして人間が恐竜との共存を余儀なくされる時代が始まった。
◆感想(ネタバレあり)
予告編の段階からヴェロキラプトルのブルーをどのように描くのか気になっていたのですが、個人的にはとても満足な描き方でした。今作でブルーがヴェロキラプトルの中でも別格の賢さと他者への共感を示すことができる個体であることが明確になりました。そのせいで生物としてのリアリティは後退しましたが、キャラクターとしてより立つようになり、このシリーズでオーウェンと並ぶもう一人の主役というべき存在になったと言っていいでしょう。完結編となる次作でオーウェンとの関係性がどう変わるのか楽しみです。
恐竜関係の描写でいうと、どうしても肉食恐竜のアクションが多かったこれまでの流れのなかで、パキケファロサウルスという草食恐竜のアクションがあるのも見どころです。オークションの会場を走り回ってひたすら頭突きをしまくるシーンは痛快かつコミカルでとても良かったです。
桟橋で噴火に飲まれていくブラキオサウルスのシーンも切なくてエモーショナルで素晴らしかったと思います。『ジュラシックパーク』の舞台となった島を幕引きするにあたり、一番最初にスクリーンに登場したブラキオサウルスを使うのは必然だったのでしょう。噴煙に飲まれていくときのシルエットが、第1作でグラント博士たちが見た後ろ足で立ち上がる姿になっていたあたりがとても憎い演出でしたが、それ無しでも素晴らしいシーンでした。まさか『ジュラシックワールド』でここまで切ない感情にさせられるとは思ってもみませんでした。
気になったのはロックウッド亭でオーウェン達がインドラプトルから逃げるシーンでオーウェンが電気を消すところです。視覚を奪うことでラプトルに見つからないようにする意図だったようなのですが、ぶっちゃけラプトルは嗅覚が鋭いという設定ですから、視覚を奪われると人間の方がずっと不利なのではないかと思ってしまいました。
それから、ものすごく近くに溶岩が流れているけど触れなきゃOK、みたいな設定は小学生のゲームみたいでなんか可笑しかったです。普通熱や煙でやられてますよね
あと、邦題の副題である『炎の王国』は原題fallen kingdomの直訳である『陥落した王国』の方が良かった気がします。この副題は“陥落した”のは実は人類の方なのかもしれないというダブルミーニングになっていた気がするからです。
ストーリーの大筋として頭の悪い悪役達が頭の悪い殺され方(食われ方)をしていくという王道を踏襲しつつ、ブルーという恐竜のキャラクターの存在を取り入れたことで、今までにない面白さが加わったように思います。モンスターパニックは大の苦手なのですが、次回作が楽しみになりました。
◆まとめ
・恐竜をきちんとかっこよく描いており、観たかった続編を観せてもらえた。
・ブルーがオーウェンと並ぶ主人公に昇格。次作が楽しみになりました。