【映画の感想 No.29】怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film | 潜水服はモスラの夢を見る

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*この記事は2018年8月5日にyahooブログに投稿したものです。yahooブログ閉鎖に伴いこちらに転載しました。

怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film 

        

制作国:日本(2018)
監督:杉原輝昭
脚本:香村純子
出演:伊藤あさひ、結木滉星 他

あらすじ
異世界から現れた犯罪者集団「ギャングラー」による犯罪の消滅と、ルパンレンジャーの正体を暴くことを目的に、名探偵エルロック・ショルメ(田中直樹)が来日。ギャングラーの襲撃に備えてパトレンジャーの3人が警備に付くが、そこにギャングラーのウィルソン(茶風林)が表れ、さらにそのルパンコレクションを狙うルパンレンジャーとも表れて三つどもえの混戦が繰り広げられる。そんな中でウィルソンの力によってルパンレッド(伊藤あさひ)とパトレン1号(結木滉星)が異世界にさらわれてしまい……

評価:★★★★☆

◆感想(ネタバレなし)
アバンタイトルで主題歌とともに展開されるアクションが素晴らしいです。テレビシリーズ本編でもアクションは頑張っていますが、今作もとても良かったです。お話自体も二人のレッドに焦点を当ててコンパクトにまとまっていました(個人的にはもっと圭一郎とつかさの絡みが欲しかったですが)。夏の戦隊モノの映画としては十分な出来だと思います(60点満点できっちり55点とった感じ)。

ただ今後のテレビシリーズのことを考えるとここでこういう話をしてしまって良かったのだろうか…という点はありました。これについてはネタバレありの感想で書きたいと思います。


*以下ネタバレです







◆ネタバレ
ギャングラーの世界に連れ去られた魁利と圭一郎は人間の世界に戻るまでの間の休戦を約束する。二人はそこでドグラニオ(声:宮本充)の屋敷から逃げ出してきたジャックポットストライカー(声:藤原啓治)と出会う。ジャックポットストライカーからドグラニオ屋敷の場所を聞き出した二人は、屋敷の中でゴーシュ(声:竹達彩奈)、デストラ(声:うえだゆうじ)と戦う。ジャックポットストライカーの能力でゴーシュに人間界への扉を開かせることに成功し、二人は人間界に戻ることに成功する。

そのころ残りのルパンレンジャーとパトレンジャーはウィルソンとギャングラーとしての正体現したエルロック・ショルメと交戦していた。魁利と圭一郎もそれに合流する。グッドストライカー(声:三ツ矢雄二)とジャックポットストライカーの協力もあって、ルパンレンジャーとパトレンジャーはエルロック・ショルメとウィルソンを倒すことに成功する。


◆感想(ネタバレあり)
ウィキペディアによるとエルロック・ショルメとウィルソンは、アルセーヌ・ルパンの小説に登場するホームズとワトソンのパロディーキャラクターの名前のようです。この二人の作戦はルパンレンジャーとパトレンジャーからそれぞれのレッドを引き離して始末し、レッドを取り戻すために共闘するであろう残りのメンバーを一網打尽する、という計画だったようですが、ほっといてもルパンレンジャーとパトレンジャーはギャングラーがいれば集まるのでわざわざ共闘させる必要は全くないし、ウィルソンの能力で一人ずつギャングラーの空間に連れ込んで順番に始末すれば良かったのでは…と思ったり。ただ、戦隊モノの敵の作戦が無茶苦茶なのは今に始まったことではないですし、極論すれば倒されるためのただの記号なので、ここは観ている間はそれほど気になりませんでした。

気になったのはネタバレ無し感想にも書いたように、今後のテレビシリーズとのつながりの部分で、特にルパンレッドと圭一郎がちょっと仲良くなり過ぎはしなかったかということです。ルパンレンジャーとパトレンジャー、とりわけルパンレッドと圭一郎の関係性の変化がテレビシリーズ本編で重要な要素なので、ここであんまり圭一郎がルパンレッドのことを認めてしまうのは良くないと思いました。

あとグッドストライカーと同等の能力のあるジャックポットストライカーが、特に退場せずそのまま残って終わったのも気になりました。なんで本編には出てこないの?ってことになってしまうので、可能だったら何か理由をつけて退場しておいて欲しかった気がします。

いろいろつっこみはいれましたが全体を通じてアクションシーンは巨大戦も含めて力が入っていて、テレビシリーズとは違う劇場版としての差別化はきちんと出来ていたように思います。

◆まとめ
・戦隊モノの夏映画としては上出来
・今後のテレビシリーズとのつながりを考えると少し気になるところもある