キャプテン・マーベル
制作国:アメリカ(2019年)
上映時間:124分
脚本:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック、ジェニーバ・ロバートソン=ドワレット、ジャック・シェイファー
撮影:ベン・デイビス
視覚効果監修:クリストファー・タウンゼント
出演:ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン 他
あらすじ:1995年、ロサンゼルスのビデオショップに空からひとりの女性が落ちてくる。彼女は驚異的な力を持っていたが、身に覚えのない記憶のフラッシュバックに悩まされていた。やがて、その記憶に隠された秘密を狙って正体不明の敵が姿を現し……。(映画.com)
評価:★★★★☆
◆感想(ネタバレ無し)
正直あまり期待していなかったのですが、流石はマーベルでした。
特にクライマックスでキャプテン・マーベルがピンチを脱する場面が素晴らしかったと思います。
それとMCUらしいユーモアですね。これまでも色んなパターンがありましたが、今回の猫の使い方には感心してしまいました(笑)。
原作コミックがどうなのか知らないのですが、今作はキャプテン・マーベルと若き日のニック・フューリーとのバディムービーの要素が強いです。キャプテン・マーベルはシリアスなキャラクターな上に途中まで出自が明らかにされないので、単独ではいきなり感情移入できるキャラクターになりにくいというのがあったのだと思います。序盤~中盤はニック・フューリーとのやり取りの中でキャラクターを立たせ、彼女の出自が明らかになる中盤~後半は単独で活躍させるというのは巧いやり方だったように思います。
欠点をあげるとキャプテン・マーベルのアクションにあまりバリエーションが無い割には長い印象がありました。それと途中で真の敵は誰なのか予想がついてしまったのも事実です。
実際、他のMCU作品と比べると良くないという評価もあるようなのですが、私はそれでも前述したキャプテン・マーベルがピンチを脱する場面のすばらしさが、欠点を補って余りある魅力となっていると思います。
*以下ネタバレです
◆ネタバレ
キャプテン・マーベルは実は地球人で、地球に潜伏していたクリー人の科学者マー・ベル(アネット・ベニング)が作った四次元キューブによってスーパーパワーを得たことがわかる。彼女はパワーを得たときに記憶を失い、彼女に宿ったパワーを目的にクリー人のヨン・ロッグ(ジュード・ロウ)にさらわれたのだった。自分の関わる戦争の原因がクリー人の側にあることを知ったキャプテン・マーベルはクリー人と決別し、敵対していたスクラル人のタロス(ベン・メンデルソーン)と手を組む。軍隊に所属していたころの友人だったマリア・ランボー(ラシャナ・リンチ)の協力も得て、キャプテン・マーベルはヨン・ロッグらクリー人を追い払うことに成功する。
◆感想(ネタバレあり)
クライマックスで窮地に陥ったキャプテン・マーベルが立ち上がることができる理由がスーパーパワーがあるからではなく、「スーパーパワーを有する前から立ち上がり続けてきた人だから」というのが、シンプルですが凄く良かったです。
これは今作を良いものにすると同時に「エンドゲーム」にも大変期待を抱かせるメッセージのように思います。ライムスターの宇多丸がTBSラジオでの『インフィニティー・ウォー』の映画評で、“アベンジャーズの次作はサノス圧倒的な力の論理に、ヒーロー達が単により強い力を手に入れてやり返すのではなく、ヒーローならではの正しさゆえに勝つという物語的なロジックのある着地であって欲しい”という主旨のことを述べていたのですが、これは非常に納得できる意見だと思います。それを踏まえて今回のキャプテン・マーベルを観てみると、どんな困難にも負けずに立ち上がり続けるという、まさにヒーローならではの部分で勝利した話にちゃんとなっています。言い換えると力があるから強いのではなく、(ヒーロー的な)強さのあるところに力が宿る話になっているということだと思います。今作でそれを描いたことを考えると『エンドゲーム』にも何かそういうメッセージ性がありそうな気がします。
次作の『エンドゲーム』でアベンジャーズの初期メンバーは退場となるわけで、流石のMCUの勢いも落ちてきてしまうのではないかと心配だったのですが、ここまで来ても変わらず良作を出してくるあたり、まだまだ勢いは続きそうです。
◆まとめ
・キャプテン・マーベルが立ち上がるシーンが素晴らしい。
・MCUらしいユーモアも健在。
・アクションが単調だったり、黒幕が予想できたりと欠点はあるが、全体としては良さが上回っている。